大きな存在
>「ここは......栄光の間と呼ばれております。
この部屋には......コンチェルティアの守護精がおります。
その守護精こそ......」>「――私よ」
目の前に現れたのは、輝く女性の姿をした妖精だった。しかも先ほどまで追いかけていたあの鳥こそが、その正体であったのだ。そしてその姿は、先に見たあの絨毯に描かれていた三体の妖精。あのうちの一つのようだ。
>「私はグローリア。
神代からの盟約において、この地を穢れから守っているわ。
......まあ少し昔みたいなあまりにも強大すぎるものだとどうしようもないけれど」
「私はティキ・ラウリ、冒険者をやっているよ。―いい街だね、ここは」
>「貴女、街の中で私のことが見えていたでしょう?
そのことがとても気になっていたのよ。
透明になった私を感知できるとしたら......そうね。
私か私に似たマナの流れを知っている者だけだから」
>「でも、さっき実際に貴女に近づいてみてわかったわ。
貴女には僅かだけどテンペストの魔力の残滓がある。
そのお陰で私の姿を曖昧にでも捉えることができたのね。
テンペストと私はそうね、姉妹みたいなものだから。
私、テンペスト......そしてあと一人はアステリア様に生み出された三剣の精なのよ」
そうだったのか。それなら道行く人が誰も気づかなかったのもわかる。それに、強い力と古い経歴についても。
「テンペストとは、少し前に知り合ったんだ。依頼人の頼みを聞いてもらうのに骨を折ったっけ......私がこの街に来たのは、彼女があんまり暇してるっていうらしいんでお土産持って会いに来たから」
「......そういえば、姉妹と言ってもやはり違うね。テンペストはもっとこう......自分の欲を第一に行動してるようだったけど」
やはり、同じ神から生み出された妖精でも随分と違うものだ。テンペストは極めて享楽的で、グローリアは己の使命に忠実だ。
......しかし本当に最近、古のものによく合うな。
盟約、か。
かの境界の竜の名を、思い出した。
「あなたに会えたのは、幸運だったな。テンペストに会った時に、土産話にするよ......さて、そろそろ戻らなきゃ。あの子を待たせてるんだ、甘いものを奢る約束をしているんだよ」
そこで、はたと思いついた。理由も何もない、ただの思い付き。
「あ。あなたも来る?」
PL
その場の思い付きで食べ歩きについてこないか誘っちゃいます。
ティキの心臓が強くなりすぎて多少の事では動じなくなってきました。
だいたいあんみつGMのセッションのせい(おかげ)。