開演を待つ
花束を抱いて劇場に入る。同じく楽団の公演を見に来たのであろう人々は比較的若いと言える。
彼らはトゥルー・ソウルズが蛮族であると知っているのだろうか。そしてそれでも構わないと思っているのだろうか。
そうであるならば、知能を持ちこの世界に生きている者に境界などないのかもしれない。
蛮族が人を襲いさえしなければ、私達が分かりあえるのかもしれない。
けれど、それは遠い遠い話のように思えた。
◇ ◇ ◇
会場に入り、舞台が見えるよう前の方へと進んでいく。
私はこのような体躯であるから、そうしないと前の座席で舞台が見えない、と言う事が起こりうるのだ。
低身長者用のクッションなどあれば借りたいところだが、などと思っていると、聞き覚えのある声がした。
「人いっぱいだな、すっげー楽しみだぜ!」
「ちょっと、アポロあんまり恥ずかしいことしないでよ!」
振り返ってみるとアポロ君とアイリ嬢がこちらにやってくるのが見えた。
良かった。どうやら許しを得たらしい。
「あ、ヴェンだ!」
「はいこんばんは、先ほどぶりですね」
どうやらティキも一緒に来たらしい。彼女は今日アイリ嬢と共にいたと言い、どうやら仲良くなったようだ。
「折角なのでご一緒してもよろしいですか?」
私の問いは歓迎を持って迎えられ、4人並んで舞台を見上げることになった。
◇ ◇ ◇
舞台の幕が上がる。立て板に水とはいかないものの、気の合った掛け合いは会場に笑いを呼んだ。
そうして取り出したのは魔動機。あれは確かはるか昔に流行った楽器のはずだ。現存しているものがまだあったとは。
あとで触らせて......いや、贅沢は言うまい。近くで見せて貰うことは出来ないだろうか。
知識欲にかられそうになった私の思考は、次の瞬間力強い空気の振動にかき消されたのだった。
遅くなりました!!
00:53:51 柑橘@ヴェン 【魔動楽器】 2d+10 Dice:2D6[4,4]+10=18
知ってたイェーイ。しかし魔動楽器の項目が見つかりません!どこだぁああ!!