決断
全ての演奏が終わった。
途中、彼らの正体は露見した。しかしそれでもパニックまでは起きず、公演は最後まで完走したのだ。
私自身の彼らに対する評価は......集まった人間の熱気とは違う、彼ら自身から発せられる熱のようなものを感じた。「本物」であったと、そう思う。
―さて、どうするか。
演奏は素晴らしいものだったが、一部の人間はそれ以上に蛮族という存在を受け入れられなかっただろう。受け入れられたものとどちらが多かったのかはわからないが......
「......」
しばらく考え込んでいると。
>「あの人蛮族だったんですね。
ちょっとショック。
でも、やっぱりかっこよかったな」
「......そうだね。蛮族だろうが何だろうが、いいものはいい。決めたよ、アイリ」
***
「まだ人がたくさんいるから、はぐれないようにしなきゃね。ほらアイリ、アポロ」
両の手で、小さな二つの手をそれぞれ取った。
もう日も落ちているだろう。この二人をちゃんと家まで送り届けて、それで私の「こちらの役目」は終わりだ。そうしたら次は、もう一つの役目が残っている。
「私、明日の朝には発つよ。帽子は大事にしてね、私もそうする」
二つの手を引いて歩き出す。
ふいに、荷物袋の中に、食糧と一緒にいつものように飴玉を入れているのを思い出した。帰る道すがらみんなで、飴でも食べながら帰ろうか。
PL
行動選択
・アイリとアポロを家まで送り届けます。飴もあげます。食事代含め、金銭の類は固辞します。
・アイリたちと別れた後、グローリアへ報告に行きます。演奏は本物であったこと、リピーターのファンがいること、正体を知ってなお受け入れる人も少なくなかったということ。以上を伝えた上で、彼らが街に害を及ぼすことはないと判断したと報告します。
・すべてを終えた後で、最初の目的通りテンペストに会いに行きます。お土産のいいワインを渡して退屈解消のお話します。話せることは、古竜と友達になったお話、ニコデムスの成長、蛮族の楽団、そしてグローリアに会ったということなどでしょうか。
23:13:07 キャスパー@ティキ 名誉点ダイス 1d
Dice:1D6[4]=4