【E-3-2】蛮族の部屋
GM(あんみつ) [2016/06/28 21:56:52]
てくてくと。
ヴェンデルベルトは一人劇場の奥を目指していた。
その手には花束。
彼が目指していた先は、劇場の休憩室。
トゥルー・ソウルズの面々が休んでいる場所であった。
コンコン、とノックを叩けば。
「はいはい、ネージャだろ。
ちょい待ちな」
中から男の声が聞こえてきて。
扉が開く。
扉の向こうから姿を見せたのは銀髪の青年であった。
ラルヴァという種族の......スラップである。
「ん、ふさふさなのは同じだけど、ネージャじゃねえな。
誰だ、お前?」
しげしげと姿を眺めるスラップの向こうから顔を出してきたのは。
「あ、さっきお会いした方ですね。
もしかして見ててくれたんですか?」
青髪の青年だ。
彼は薬の効果が切れたのか、もう元に戻っているようだ。
「......部屋に入れたらいいんじゃないか」
奥の方から声がする。
ヴェンデルベルトが直接言葉を交わし。
先ほどステージの上で歌っていた彼――ドレイクのヴォイスである。
――もし中に入っていけば。
ラミアとウィークリングの姿だってあるだろう。
満月の下でしか変貌しないソリッドを除いて彼らはその姿を偽っていない。
角もあるし尻尾もあるのだ。
「来てくれたんだな。
......嬉しい。
実際のところ、どうだった?
あんまり人の耳に合う音だとは......思ってないが」
ヴォイスはヴェンデルベルトに感想を求めていた。
あまり期待はしていないようだが。
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あんみつ@GMより
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まずはヴェンデルベルト編のエンディング前半部分です。
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