【A-1-3】人形と革命
アリサは人間の最上位。
リリは人形の最下位に位置するという。
>「コイツらはドーユー分類にナンノ?」
では使い魔やゴーレムの類はどうなるのか。
リリがバーバラに尋ねてみると。
「動物は動物だし、道具は道具でしょう?
そこには階級も何もないわ」
動物や道具は四つの階級からずれたところにあるらしい。
この点については現実世界と同様だろうか。
>「シカシ、人形族ナー。アリサー、ココお前の夢ミテーなモンだシ。
> イッチョ、バーンと俺をパワーアップしたり出来ネーノ?」
またリリがアリサにイメージをさせることで。
リリのことをパワーアップさせようと試みるが。
――実際のところ、効果はない。
「人形を動かしたいの?
そんなもの気持ちでどうになるものじゃないわ。
人形族は作られる時に皆自由の輝石を埋め込まれているの。
その輝石が地上に溢れるマナと触れ合うことで自由に動けるのよ。
だから人形族は地下には来ないし、地上には不必要に上げたがらないのね」
人形族には皆、心臓とも言える器官......自由の輝石があるという。
この石が空中のマナと触れ合うことで彼らは自由に動き、感情を表現できるのだ。
つまりイメージでどうこうなるものでもないらしい。
アリサたちがバーバラと話していると。
向こう側から金髪の青年が歩いてくる。
筋骨逞しいシルエット、彼は戦士なのだろうか。
「バーバラ、こんなところで何をしてるんだ?
君は......人形師かな、持っているのは廃棄品みたいだが」
青年はまずバーバラの方を向いて。
次にアリサ、リリの順番に視線をすべらせた。
「ケン......まさか今日もあの場所に行っていたの?
やめた方がいいって私いつも言ってるわよね」
そんな青年――ケンのことをバーバラは叱る。
二人のやりとりから、それなりに深い関係にあることを悟るだろう。
「当然だろ、俺はリーダーなんだから。
今不自由に苦しんでいる奴らや......牢に閉じ込められた奴らのため。
俺たちは戦わなければいけない」
ケンの態度も頑なであった。
彼は何らかの組織のリーダーであるそうだが。
ケンの言葉の幾つかから、組織の片鱗が伺えるかもしれない。
「私は嫌よ......あなたにもし何かあったら。
だから人形族と戦うなんて――やめて。
大いなるマナを受けた人形族がどれほど強力か知っているでしょう?」
バーバラはケンのことを引き止めたいようだ。
先ほどアリサとリリが出会った人形たち。
彼らも実は強力な存在であったのだろうか。
「奴らが強敵なのは知っているさ。
ただ止まるわけには行かない。
止まっている限り、決して未来は掴み取れない。
だから俺は......俺たちは引き起こすのさ」
ケンは目を閉じて拳を胸に当てる。
息を大きく吸い込んで、口を開いた。
「――革命を」
ケンの言葉にバーバラは悲しそうにうなだれる。
それとは対照的に誇り高き表情をしたケンはというと。
「君は人形師だから、俺たち一般人よりは満足のいく暮らしを送れるかもしれない。
だが君たちが作った人形が、君の上に立っていることをおかしいとは思わないか?
人形など所詮は道具だ。
俺たちの上に立つ器はない。
――君がもし俺たちの思想に共感してくれるなら、俺たちに力を貸してくれないか。
いや、君もなかなかの手練のように見えたものでね」
アリサの実力をそれなりに察したらしく。
自分たち、革命を起こそうとしている勢力に引き込みたいようだ。
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あんみつ@GMより
アリサとリリルート進行です。
新しい登場人物が出てきました。
【NPC:男性】に【ケン】を登録しておきます。
アリサとリリは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ケンたち革命派に協力する
・ケンたち革命派に協力しない
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)