【A-1-4】地下街の黒き影
>「ナルホドナー。現実にも欲シーゼ、ソレ。
> ドコ行けバ手に入るン?」
自由の輝石があればリリも動き回ることができるのだろうか。
リリがその所在を訪ねてみると。
「人形市の倉庫になら幾つかあると思うけど。
タダじゃあげられないわね。
それにあれは地上に溢れている膨大なマナが必要なの。
私たちが普段暮らしている地下街では足りなすぎてまともに動けないわよ」
一応自由の輝石は人形師たちの倉庫に在庫があるようだ。
ただ無料ではアリサに渡すことはできないという。
それに輝石の効果自体にもなかなかの制約があるようだ。
* * *
バーバラの恋人らしきケンはアリサを革命派に加えようと勧誘する。
>「ソレ、勝算あっテ言ってンのカー?
> ドーやって勝つんヨ?」
だがリリの判断は極めて冷静なものであった。
彼らがちゃんと成功できるか、不安を覚えたのであろう。
「戦う力を持った人形たちは確かに強力だ。
だが、奴らの数は多くない。
質で劣るならば、量で攻めるだけだ。
だから、俺たちは革命の志を持った仲間を集めている」
ケンの話では、人形族に対して量で押す戦術で行くつもりのようだ。
まあ、あまり知性的な作戦とは言えないだろうか。
>「バーバラからモ見てドーナン?
> アンの、勝算。」
リリはバーバラについても尋ねてみる。
第三者の目から見ればより正確な状況がわかるかもしれない。
「自由の輝石は、地上に広がる極めて膨大なマナを受けているって話はしたわよね。
だから戦う力を持った人形たちは相当な強化を受けているの。
英雄といっていいほどの力をね。
......正直な話をすれば、普通の人たちが正面から挑んでも到底敵う相手じゃない。
だから、ケンにはそんなことはして欲しくないの」
バーバラから見ると、普通の人間たちでは敵う相手じゃないという。
「俺の力は人形たちに優っているとは言えないが、
同様に劣っているとも言えない。
一方的にやられることはないはずだ」
ただケン自体は人形族に相応する実力を持っているらしい。
だから人形族に負けたりすることはないのだと。
「ケンが強いのは知ってるわ。
でもケンだけで何をするつもりなの?
ほとんどの人たちはあなたみたいに強くない。
それに......私は人形族と戦うこと自体間違っていると思うの。
そうすべきじゃないって......心の奥が痛みのサインを送るのよ」
バーバラはケンには戦って欲しくないと語る。
一つ目の理由は、人形族とまともに戦える相手がほとんどいないから。
二つ目の理由は、人形族と争うこと自体間違っていると思うからである。
「バーバラ、お前が俺を心配してくれるのはよくわかる。
ただそんなことができるのはお前が人形師だからだ。
お前には悪いが、人形師では俺たちの本当の気持ちを理解できない。
日の光を浴びれず、様々なことを制限されている俺たちの気持ちがな。
俺は何を言われようと戦い続けるつもりだ。
本当の自由を手に入れる時まで。
無理に協力してくれとは言わない......だが邪魔だけはしないでくれ」
ケンはそうとだけ言ってアリサをちらりと眺めたあと。
街の奥へと消えていく。
一般人たちが暮らす方角だ。
「......ばか」
何かを堪えるようにしながら、バーバラはケンの後ろ姿を見つめていた。
――ちょうどその時である。
アリサの視界に黒いものが映ったのは。
それはこの世界に至る前。
落ちていく感覚の中でであった白き光と真逆の存在。
少年の姿をした黒き闇。
彼はケンとは違う方向の裏路地へと消えていった。
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あんみつ@GMより
アリサとリリルート進行です。
ケンとバーバラからの回答はこんな感じです。
【分類:道具】に【自由の輝石】を登録しておきます。
アリサとリリは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・黒い少年の影を追いかける
・ケンを追いかける
・どれも追いかけない(バーバラに話しかける)
他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)