【A-3-3】人形師と誰かを繋ぐ世界
>「ンジャー、黒幕の黒いノについテ説明スッカー。」
そう言ってリリは黒い影の少年について語る。
奴こそが魔法陣を作り出し。
そして何よりこの世界を歪めた張本人であるのだと。
「歪み......バーバラが言っていた感覚のことだな。
正直俺も悟り始めている。
何かを奪われてぽっかり空いたような感覚。
――そしてそれが少しずつ埋まりだしている感覚を」
ケンは頷き。
胸の中央に手を当てる。
>「諦めズ、怯えズ、信じル。全員がソーあれバ楽勝ダーナ。」
リリは白の心から受け取った言葉を彼らに送る。
「そうだな、信じるか。
今なら――信じれそうな気がする」
「奇遇じゃな......妾もじゃ。
まあいつまでもこうして立ち話をしているわけには行くまい。
妾たちも行くとするかの?」
ケンと女王は深く頷き。
戦場となった玩具の街へ足を踏み出す。
* * *
人間と人形たちが協力し合って戦ったため。
魔神との戦いは然程の時間や苦労もなく終了した。
そうは言っても城をはじめとして地上は大きな被害を被り。
少なくない人形族たちがコアを破壊された。
だが――この戦いはただ失い続けるものではなかった。
その証がこうして共に勝利を祝い合っている人間たちと人形族たちの姿だ。
「俺は、完全に思い出した。
人形族たちと戦っている間に思い出が戻ってきた。
俺は人間たちだけじゃない、かつては人形族たちも守っていたんだ。
......そうだろ、バーバラ?」
「ええ、そうね。
私はただ厚遇を受けたくて、手に職をつけたわけじゃない。
友達の人形族たちに喜んで欲しくて、腕を磨いたのよ」
ケンもバーバラも歪められる前の本質についてどうやら思い出したようだ。
それは他の人間たちもどうやら同様らしい。
「妾が城を壊されて憤った理由。
それは決して権威の象徴であるからではなかったのじゃな。
あの城は妾たちのために人間たちが作ってくれた友好の形。
あれにはこの世界の全ての者たちの想いが詰まっておったのだ」
歪みが正されたのは人形族たちも同様である。
女王も城への想いをどうやら取り戻したらしい。
あの城は人間と人形たちの友好の証であったから、無意識に憤ったのだ。
「もしそうだとしても、作り直せばいいだけだ」
「ええ、そうね。
皆で元通りに、いいえ、それ以上の姿にしましょう!」
ケンとバーバラが女王に語りかける一方。
アリサの後ろに突如気配が現れる。
それは白い光を纏った少年の姿であった。
「この世界は歪められていたんだ。
そしてその歪みに乗じて、黒の心は世界を壊そうとした。
でも、キミは世界を守って、更に歪みまで元に戻した。
だからほら、今のキミにははっきりと見えるよね?
世界を歪めた影が現れた場所が」
少年が指で示した方向にはどんよりと黒い闇色の扉があった。
リリの目にははっきりと見えているものの。
ケンもバーバラも女王も他の住人も。
決して気がついたような素振りを見せない。
彼らには見えていないのだろうか。
「あの向こうはキミの心の外。
心と心を繋げるボクとカレの世界。
この世界の住人は向こう側に行くことはできない。
だけど諦めないで、怯えないで。
信じていれば......心と心はきっと触れ合うから」
黒の闇の扉はぼんやりと見ていると少しずつその姿を消していく。
まるで世界から逃げ去ろうとするかのように。
あまりぼやぼやしていれば、扉を開けることはできなくなるだろう。
それでも準備をする時間が全くないわけではなさそうだ。
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あんみつ@GMより
アリサとリリルート進行です。
心の世界を守り抜き、歪みを正したことで黒の扉が現れました。
黒の扉は2時間ほどまでなら世界に存在し続けます。
その間であれば、事前準備を行うことも可能です。
ただすぐ戦闘があるかもわからないので、
あまり効果時間の少ない準備はおすすめしません。
他にも何かございましたら、ご自由にどうぞ!