【B-2-1】蛮族は爆発と共に

 GM(あんみつ) [2016/06/23 21:00:41] 
 

>「ぇ.........」

妖精を根絶やしにして欲しい。
冗談ではないスミスの言葉に対し、タタラは言葉を失った。

――彼女は語る。
妖精と暮らしていたナイトメアについて。
そして続ける。
諦めなければ、仲良くなることができると。

だが、スミスは瞳に怒りを宿らせたまま、心を動じさせない。

「お前さんは自分の体の意味を忘れたのか?
 俺たちのこれは呪いの証だ。
 呪われている俺たちと呪いを忌み嫌う奴ら。
 俺たちが分かり合えるわけがないんだよ。
 ......あるとしたら、そいつはお前さんの幻想さ」

スミスの態度は恐ろしいくらいに頑なであった。

   *   *   *

スミスとタタラが会話を交わす間、突如現れたのは黒い影。
彼は笑いながら過激な台詞だけ言い残して。
壁の向こう側へと消えていった。

>「...ぁれ見た?なんか、、まずいよッ!」

「何言ってんだ、お前さん。
 ここにまずいものなんてありゃしねえよ。
 あるとしたら山の上に妖精たちくらいだな」

タタラが今見た事実を伝えようとしても彼らには伝わらない。
妖精への憎しみを再確認するだけだ。

ひとまず最低限の荷物だけを抱えて。
タタラは工房の外へ出る。

   *   *   *

外へ出たタタラが目にしたものは宙を滑る少年の影だった。

「ちゃんと追ってきたな。
 ここからだと見やすいだろう。
 あの集落が暴力によってなぎ倒されるところがさ」

少年がパチンと音を鳴らせば、炎の更に丈夫で爆発が起こる。
そこから何かが姿を現し、集落に向けて雪崩込んでいく。
遠目ではよくわからないが......あれは人ではなさそうだ。
蛮族の気配である。

「知ってるか、本来人の心には穢れがねえんだ。
 お前みたいな呪われた存在なら多少例外があるが......所詮多少だ。
 それ以上の穢れはな、オレが持ち込むんだ。
 世界の心を歪めて、その歪みから穢れをばら撒くのさ」

そう言うと彼はさらに上空までその体を昇らせていく。

「穢れをばら撒いたら、あとは心の世界が壊れるのを眺めるだけ。
 オレはまさに高みの見物ってやつさ。
 最初の標的は妖精たちだ。
 ちょうどいいだろう、お前ら呪われた人種じゃわかりあえないんだからな。
 逆に清々するってもんだろうぜ......ハハハ!
 んじゃあ、オレは外から見させてもらおうかな、心が壊れる瞬間の絶望を」

少年の周囲を色濃い影が覆い。
その姿は完全に消え去った。

「何事だ......!」

流石の爆音にはスミスたちも気がついたらしい。
工房からは数人のナイトメアが姿を見せた。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

タタラルート進行です。
シーンの進行に伴いカテゴリを変更いたしました。
玉鋼さんはこちらのカテゴリにご投稿ください。

【NPC:男性】【黒の心】を登録しておきます。

次の行動についてはお好きにどうぞ。
上に上がっても誰かに話しかけて鎧を着ても構いません。

このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『2-蛮族襲来』にチェックを入れて投稿してください。