【B-3-2】思い出されるもの
妖精たちにとっては絶望的な状況。
そんな中でタタラが下した決断は。
>「妖精のお母さん、ここで耐えてッ!」
ペリに言葉を残し。
盾を放り投げ。
ガーネットたちがいる前線へと向かうというものだった。
タタラの言葉は決してペリには伝わるはずがない。
だが、彼女は僅かに頷いたように見えた。
言葉ではないものが、彼女に通じたのかもしれない。
* * *
「君、どうしてここに......!」
少し負傷した様子のガーネットが驚いた声を上げる。
他の妖精たちもさすがにそろそろ危険そうだ。
「君には離れるように言っただろう?
......いや、違う。
そうか、君は、君たちは、私たちは――確かそうだったな......」
そんな彼女の表情は、次第に柔らかいものに変わっていく。
それはまるで何かを受け入れるような。
だが、そんなタタラとガーネットにはお構いなく。
炎の効かぬ例の蛮族がガーネットに武器を振りかぶろうとする。
――それを阻んだのは、一本の矢だった。
「はあ、はあ、間に合ったか......」
声のした方を振り向けば。
そこにはスミスたちを始めとして工房のナイトメアたちの姿があった。
皆武器を持ち、鎧を身につけている。
どれも工房製のもののようであるが。
「お前さん、無事だったか」
スミスがタタラの元へ歩み寄ってくる。
彼は巨大なハンマーをその身に背負っていた。
「お前さんが戦って、決して逃げずにいるところを見ていたらな。
俺たちも思い出したんだ。
俺たちは武器を俺たちのために作っていた。
それは作ることが楽しいってだけじゃない、俺たち自身が使うためだったのさ。
......どうしてこんなことを忘れちまってたんだろうな。
思い出せたのはそう、お前さんのおかげだ」
どうやらスミスたちは自らが戦えることを忘れていたらしい。
だが、タタラが臆せず戦いに臨んだことで、自分たちの力を思い出したようだ。
それは......タタラが気持ちを奮い立たせ、戦いに挑んだ決意をしたからかもしれない。
――心が力を手にしたのだ。
「正直お前さん以外はどうなろうと知ったこっちゃないんだが。
いつまでもそうは言ってらんねえ。
山を荒らされたら俺たちの商売上がったりだ。
......なんだ、別にそれ以外の理由はないぞ。
俺たちが妖精なんかを助けたいと思うわけがないだろうが」
そうして戦う力を取り戻した彼らは、この戦場にやって来たのだ。
あくまでも理由は、山を守るためであるらしいが。
「炎の効かねえ奴らは俺らに任せな。
お前らはそれ以外の蛮族を燃やし尽くしてやれ!
行くぞおお!」
スミスの合図でナイトメアの彼らは声を上げながら突っ込んでいく。
狙いは炎の効かない、妖精たちの天敵とも言える蛮族たちだ。
「......助かる。
私たちも負けずに行くぞ!
今こそ好機だ、反撃の炎を燃やせ!」
ガーネットの指示通り、妖精たちはそれ以外の蛮族を燃やしていく。
得意技である炎が万全に使える以上、彼らの敵はそうはいない。
絶望的な戦場はナイトメアたちの参入で状況がまた変わった。
タタラはタタラにすべきことをやるといいだろう。
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あんみつ@GMより
タタラルート進行です。
タタラが戦場に向かったあと。
ナイトメア工房の面々が戦いに参加してきました。
タタラは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・共に蛮族と戦う
・サボる
蛮族と戦う場合はどんな攻撃、魔法や演出、描写をしても構いません。
演出なんでMPやアイテムは減少しないとします。
他にも何かあればご自由に行動ください。