パンを求めて
>「なんだ、お前......泉を知らないのか?
えっとな......砂漠を言った先に泉があるんだ。
そこの泉に溜まった水はちょっと魔力を持っててな、動力源になったりするわけ。
だから街まで持って帰れば、いいパンと交換してくれるのさ」
これがいいパンだってのか!?
>「デニッシュか、オレはベーグル。
泉の方までよろしく頼むぜ」
こんな最悪なパンのためにわざわざ泉になんていく気にならねーよ...
と思っていたら、
>「にしてもさ、あのパンがうまく感じるくらい腹減ってたのか?
......だったらちょっと悪いことしたな、まあオレも手持ちはあんまないんだけど」
どういう意味だ?
>「あれは街に住んでる奴に配られる最低ランクのパンだぜ。
ちゃんとしたパンや美味しいパンはそれなりの対価を払わなきゃもらえないんだ」
なんだとコノヤロウ...
反射的にベーグルの顔面をぶん殴りそうになるのをなんとか堪えた。
こいつはそんな最低ランクのパンしか持ってなかった状態から俺に分けてくれたんだ。怒るのは筋違いだ。落ち着け...落ち着け...
>「まあ最低ランクのパンとは言え、オレたちが少しでも生きていくには大切なんだけどな。
この砂漠には動物も植物もいない。
まともな食糧になるものは何もないのさ」
お前らなんでそんなとこにわざわざ住んでるんだよ...
つーか、動物も植物も無いって、肉も野菜も無しでパンだけで生きていけるわけねーだろ。
夢やお伽噺にありがちな適当な世界設定だな。
>「オレたちが生きていけるのは、中央パン工房が作っているパンがあるからこそだ。
――パン自体はどうやって作ってんのか、詳しくは知らねえけどな。
泉の魔法の水を欲しがってたりするし、魔法の道具でもあるんだろ」
魔法でパンを作る中央パン工房か...
普段の俺ならワクワクしてきそうなワードだが、この状況下だと不信感しか湧いてこねー。
他に食うものが無い環境で生命線としてのパンをちらつかせて民に過酷な労働を強いる。働きの悪い者にはくそ不味いパンのみ。
「地獄かここは...!」
流石は夢の中だ。まるでお伽噺の世界のように現実味がない。
>「まあ......こんな場所で長話してても始まんねえか。
さっさと泉まで行こうぜ、腹が減って動けなくなる前にさ。
ただたまにうろついてる遺物には注意な、見境なく襲ってくるし」
現時点での俺にとっての最優先事項は決まっていた。即ち、
『可及的速やかに美味いパンを手に入れる』
ということだ。そのために俺が取れる行動は三種類。
①泉に行って魔法の水を手に入れ、『美味いパン』とやらと交換する。
②薪か炭かそれに替わる燃料を手に入れ、自分でパンを焼く。
③中央パン工房を襲撃する。
「よし、それじゃ行くぞ」
......とりあえず①か。『植物も無い』なんて普通に考えてありえねー場所じゃ、②は望み薄だ。
③は...最後の手段として心に留めておこう。
俺は周囲に注意して歩きながら、唯一の情報源であるベーグルに色々質問した。
「それで、『遺物』ってのは何なんだ?魔道機械の類いか?」
だとしたら、ベーグルの持ってる弓矢は効果が薄いだろうな。
「この辺じゃ薪になるようなもんはねーのか?まさか火を使わないなんてことはねーよな?」
現実ならともかく、夢の中だとあり得るよな...
つーか、いい加減俺もこの状況がただの夢じゃないと薄々気付いていた。
この地獄から抜け出す為には、とにかく何らかのアクションを起こさなければ成らない。さっきの白い奴が言っていたあれだ。敵はどこだ?
――――――PL
パンの材料なら全部揃ってるのに、本来なら外でどこでも手に入る筈の物が無いという極限状況で、かなりイライラしてきております。
モンスターが出たら殺して薪にしそう...
18:17:11 ヨ太郎@デニッシュ 周囲の探索判定 2d+6 Dice:2D6[5,4]+6=15
これなら何か見つかるかも?