【D-1-1】一対の剣が作る世界
扉を抜けた先は不思議な空間だった。
足元は巨大な円形をしており。
それは星空のような景観の中、浮かんでいた。
見渡せば自分を入れて三つの人影。
少なくとも見た目は蛮族やアンデッド、魔神ではなさそうだ。
円形はちょうど真ん中で二等分されるかのように色が分かれており。
三人の冒険者たちがでてきた方は白い光で。
向こう側に見える半円は黒い闇で彩られていた。
振り返ると通ってきたはずの黒い扉はなく。
認識できるのはどこまでも続く星空と。
その中に悠然と佇む巨大な、実に巨大な白い刀身の剣。
そして反対側にまるで全てを反転させたかのように黒い巨大な剣があった。
白い剣から光がこぼれ。
冒険者たちのもとに近づいてくる。
光は近づきながら少年の姿へと変わる。
冒険者たちを心の世界に誘ったその姿に。
「ようこそ、ボクとカレの世界へ。
ここは精神世界と呼ばれる一対の魔剣が作り出す迷宮さ。
心を介して人と人を結びつける魔剣リンクハート。
かつて始祖神たちが調和のために生み出した剣だよ」
三人の冒険者の前で彼は浮かびながら語る。
「ボクは白き信頼の剣――ホワイトハートの化身。
白い剣が司るのは、心を育み守り、人と人が理解し合う手助けになること。
そして、ボクらこそ魔剣のオリジナル、元々の姿。
......だけどカレらは違う」
少年が指さした先にあるのは黒い剣。
彼はその剣をどこか悲しそうな目で見つめていた。
「かつて、神々は裏切り裏切られ争った。
そんな現実に絶望し、あの剣は黒く染まった。
黒き不信の剣――ブラックハート。
カレは心を信じていない。
心があるから裏切りや争いが生まれると感じている。
だからカレは心を壊し、無にする。
全ての心を無にして、争いもなく人々を結びつけようとしている。
......けど、そんなの間違っているとは思わないかい?」
白い剣は心を育み、守りながら人と人を結びつけようとする。
黒い剣はそんな心を壊し、無かったことにして争いを消し、結びつけようとする。
それぞれの目的は同じでも、方法が反対なのだ。
「ボクがキミたちを呼んだのは。
カレがキミたちの心を壊そうとしていたから。
歪みが心を脆くして、その脆さにカレはつけ込もうとする。
キミたちも見ただろう、彼が世界を破壊しようとするのを」
それぞれの世界を歪め。
それぞれの世界で敵を呼び出した。
黒い心の少年はあのまま心を破壊するつもりだったのだろう。
「キミたちは心を守り、元に戻した。
だから、キミたちがやるべきことはあと一つだけだ。
ボクの願いを一つ聞いて欲しい。
......いいかな?」
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あんみつ@GMより
進行となります。
ここからは全員こちらのカテゴリにご記入ください。
【分類:道具】に【魔剣リンクハート】を登録しておきます。
改めて判定が可能です。目標値は19です。
また2d6の予備ダイスを3つ振っておいてください。
その他についてはご自由にどうぞ。