【D-1-4】心からの帰還
リリは黒の心の矛盾をつき。
そして彼に問いかける。
>「オメーの一番は何ダ?」
――黒の心にとっての一番とは、なんなのかを。
問いかけへの彼の返答は。
「俺の......一番だと?
んなの決まってる......。
俺の一番は......全てを繋げることだ。
そのために壊すんだよ、お前たちの......心をな......!」
相も変わらず頑なな物であった。
>「あのっ、さ...... あわててゼロにしなくてもいいんじゃないかな
>色んな困難を乗り越えた心だからこそ、次の危険が降ってきても壊れない、強いつながりができると思う
>少なくとも、あなたの行動がきっかけになって、火山のナイトメアと妖精が仲良くなれた。
>もう、ちょっとしたすれ違いで争うことはなくなる、どころか、協力して山を守れるはず
>何も無いさら地よりも、そっちのほうがいいでしょ?時間は十分だから、プラス100を目指そうっ!
>試練をつくるその力も、役にたつから、
>だから、まずは、無にするしかないって先入観を、、他の方法を探さないで諦めるあなたの心を、壊してみるのはどうかな?」
タタラはまっすぐに声をかける。
それはナイトメアとして生まれた彼女のこれまでの生で感じたことなのだろうか。
「はっ......。
お前の言っていることはな......ただの偽善みてえなもんだ。
信じられっか......信じられるわけねえだろうよ......」
だが黒の心はタタラにも変わらず頑なである。
それだけ彼の心もまた、歪んでいるということかもしれない。
>「次は手前ぇだっつったよな?」
そんな彼にデニッシュは拳を叩き込む。
吹き上がる闇の飛沫。
デニッシュの拳の一撃で黒の心は剣の方へと吹き飛ばされた。
その姿は今にも消えそうで曖昧だ。
「はは、そうだ......。
それでいいんだよ......。
お前みたいな奴が......怒りや争いを生み出す......。
怒りは......悲しみや憎しみを呼んで......心の闇は何度だって膨れ上がる。
そうしたら俺はまた闇から......生まれる。
何度でも......心を......壊すために」
最後に一つ笑い声を上げながら、黒き心は闇に溶けていった。
そんな彼を悲しそうな顔で見つめるのが白き心。
「カレの言葉は本当さ。
キミたちの心に闇がある限り、カレは消えない。
そしてカレを生み出すあの剣も折れはしない。
消えるとしたらキミたちから闇が消えるか、カレが心を改めるか。
......どちらかしかないかな」
心に少しでも負の感情、闇がそこにある限り。
その弱さ、脆さを狙って黒の心は何度だって生まれる。
それは一応、逆も然りなのだろう。
「でも、しばらくの間カレが暴れることはないと思う。
キミたちは幾つもの心を守ったんだ。
......ありがとう、ボクからも礼を言うよ。
いつか、キミたちも、カレも全てがちゃんと繋がれるといいな」
白き心の声が響く中。
冒険者たちの意識はそれぞれ薄らいでいく。
いや、むしろはっきりとしていくのだろうか。
冒険者たちは元いた場所へと帰っていく。
それは寝具の上かもしれないし、街中かもしれないし、戦場かもしれない。
いずれにせよ、そこは心の世界から抜け出したそこは......冒険者たちの日常だ。
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あんみつ@GMより
こちらはエンディングになります。
こちらのカテゴリに投稿が確認でき次第、解放といたします。
また投稿がない場合も一週間後に全員解放とします。
報酬は完全確定後に募集欄にまとめとして上げさせていただきます。
それでは最後の投稿お待ちしております。