【A-1-1】目的地は川辺
「ねえ、三剣の妖精の話は聞いたことあるかしら?」
ここは火竜の手羽先亭。
五人の冒険者を前に話しているのはエルフの女性......セーラ・ティファーヌ。
妖精について研究をしているフィールドワーカーだ。
そして冒険者たちにとっては今回の依頼人でもある。
「ルキスラとフェンディルの境。
ちょうど今コンチェルティアという街がある辺りにね。
神々の時代、妖精神が彼の地に生きる人族のために三つの魔剣を残した。
その三つの魔剣はそれぞれ風、光、そして水のマナを操ることができて。
妖精神はその剣の力で三属性の強大な妖精を生み出したのだって。
――そしてその妖精たちは今でもあの地を守り続けている、そんな話よ」
彼女が語るのはザルツ西部に伝わる妖精の伝説。
学者としての知識がある者はどこかで聞いた話かもしれない。
「どこまでが本当でどこまでが嘘かはわからない。
でも、せっかくだから真実かどうか確かめてみたいでしょ?
そこで私がまず目をつけたのは水の妖精についてなの。
伝説なんてもの何もないところからはあまり生えてこないと思っているわ。
ならあの周辺で水と関わりがある場所に何かヒントがあるんじゃないかって思ったのよ。
例えば、フレーデ川へと向かうコンチェルティア南部を流れている一本の支流とか」
伝説というものはロマンを呼ぶ。
研究者である彼女がそんなロマンに引き寄せられないわけがない。
風や光というものはどこにでもありふれている物だ。
だが、水はそうはいかない。
伝説の舞台となる彼の地において水を湛えるのは川しかないという。
三剣の妖精が真実であれば、水の妖精の手がかりがその川にあるかもしれない。
セーラはそのように考えたようだ。
「ただね、私は戦ったりできるタイプじゃないし。
避けられる危険は避けておきたいのよ。
ここだけの話、最近その川の周囲で珍しく蛮族を見たって噂があるらしいの。
だからあなたたちにこうして依頼をすることにしたのよ」
ここでようやく本題に入る。
これからがセーラが冒険者たちに頼みたいことである。
「私が頼みたいことは大きく分けて三つあるわ。
一つ目は現地となる川の危険度の調査。
二つ目は調査可能になる程度に危険の排除。
最後の三つ目は水の妖精についての手がかりを得ること。
全てを行ってもらう必要はないけれど、最低限危険度の調査だけは頼みたいわね。
勿論手がかりまで見つけてくれたら、報酬は弾ませてもらうけど。
――私から依頼したいことはこんな感じだけど何か質問があるかしら?」
一通り依頼内容について説明した後。
セーラは質問がないか冒険者たちの顔を眺める。
質問があれば答えるだろうし。
なければ川へ向かう準備を始めるといいだろうか。
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あんみつ@GMより
それでは皆様よろしくお願いします!
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初めの場面はセーラから依頼を受けるシーンです。
【NPC:女性】に【セーラ・ティファーヌ】を登録しておきます。
【分類:その他】に【三剣の妖精】を登録しておきます。
一応見識判定が可能です。
目標値は16。成功すれば記載されたことを知っています。
【"花開く街"コンチェルティア】についても見識判定が可能です。目標値は8。
成功すれば【分類:コンチェルティア】に記載されたことがわかります。
ナマは判定を行わず、知っているものと扱います。
とりあえず依頼前の確認のシーンなので、
何か聞きたいことがあるようでしたらご自由にどうぞ。
次回進行では少しシーンを動かす予定です。
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