歴史的な検証
「ねえ、三剣の妖精の話は聞いたことあるかしら?」
此度の依頼主の問いかけに私は首を傾げる。
はて、聞いた事がある様なないような?
「ルキスラとフェンディルの境。
ちょうど今コンチェルティアという街がある辺りにね。
神々の時代、妖精神が彼の地に生きる人族のために三つの魔剣を残した。
その三つの魔剣はそれぞれ風、光、そして水のマナを操ることができて。
妖精神はその剣の力で三属性の強大な妖精を生み出したのだって。
――そしてその妖精たちは今でもあの地を守り続けている、そんな話よ」
ふむ、コンチェルティアの話か。
しかし、私はその話を聞いた事がない。
何たる失態!歴史学者として恥じねばなるまい。
「どこまでが本当でどこまでが嘘かはわからない。
でも、せっかくだから真実かどうか確かめてみたいでしょ?
そこで私がまず目をつけたのは水の妖精についてなの。
伝説なんてもの何もないところからはあまり生えてこないと思っているわ。
ならあの周辺で水と関わりがある場所に何かヒントがあるんじゃないかって思ったのよ。
例えば、フレーデ川へと向かうコンチェルティア南部を流れている一本の支流とか」
彼女はロマンの分かる良い女性のようだ。
私は大きく頷き答えた。
「無論!分からないなら解明する。
それが我ら知識の徒の宿命だとも!
是非協力させて欲しい。今回の依頼はコンチェルティアの歴史を見直すいい機会になる」
「私が頼みたいことは大きく分けて三つあるわ。
一つ目は現地となる川の危険度の調査。
二つ目は調査可能になる程度に危険の排除。
最後の三つ目は水の妖精についての手がかりを得ること。
全てを行ってもらう必要はないけれど、最低限危険度の調査だけは頼みたいわね。
勿論手がかりまで見つけてくれたら、報酬は弾ませてもらうけど。
――私から依頼したいことはこんな感じだけど何か質問があるかしら?」
彼女の話に私は苦笑を浮かべ答えた。
「残念な事に私も余り戦いは得意ではない。
そこは今回の同行者諸郡に期待しよう。
私に出来る事は様々な種族との通訳と歌う事くらいだ」
セーラからの話がひと段落すると皆が顔を合わせ自己紹介が始まる。
「"狐姫"ナマ・ノンケと申します。
好きなことはご飯を食べることです。
回復は任せてくださいっ!」
その特徴的な姿から出てきた顔は、造形もよく紹介とあわせて、太陽を思わせる。
癒しの力を持つ神官として、人を安心させるその容姿は一種の才能だろう。
「えっと、さっきも言ったけどオレの名前はバークっていう。
アーレイ・バーク。
妖精魔法と剣が使えるよ。
帽子は取ったほうがいいかな?」
2人目の彼は恐らくナイトメアだろう。
請われば帽子を取ろうという姿勢に流水の様な清さがある。
此度の依頼は妖精が深く関わる彼の力は大きな助けとなろう。
「ルート。ルート=フロントと申します。未熟な身ではありますが
拳闘士として脅威を投げ飛ばす所存です」
3人目の少年が礼儀正しく、凛とした声で告げる。
成る程、拳闘士よく鍛錬を積んでいるのであろう。
その拳はここから見て分かる程に硬く、岩の様だ。
「皆さん初めまして、僕は"撲殺執事"ナディンと申します。えーっと、専ら殴ったり探ったり傅いたりするのが得意です。
ルーンフォーク的にいい加減主人が欲しい頃合いなので、なんかいい感じにデキる執事を探しているお知り合いの方がいらっしゃったらご紹介をお願いします」
最後の1人が優雅に一礼して挨拶する。
完璧!正に計算され尽くした一礼。
優雅にしかし、主より目立たず。そんな気遣いが当たり前の様に出来ている。
これ程の執事そうはいまい、今の立ち振舞だけで他の能力も期待できる。
「最後は私かな?私はヴァーミリオン・ヘイズ。
ロマンとロマンスに弱い何処にでもいるしがない男さ。
先ほども言ったが私は学者でね戦闘は得意ではない。
だがそれ以外の場面でならこの知識を存分に活かそう!
今回はよろしくお願いするよ?紳士淑女諸郡」
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PLめぐり
遅くなってすみません!
ようやく自己紹介投稿です。
ダイス
見識判定 街 2D6 → 5 + 1 +12= 18 (07/06-21:50:17)
見識判定 三剣の妖精 2D6 → 1 + 2 +12= 15(07/06-21:49:59)
ダイスが振るはずいきなり失敗(笑)