【B-1-6】避けて見えたもの

 GM(あんみつ) [2016/07/20 22:43:33] 
 

突如波立って生まれた巨大な水の魚。
それは冒険者たちを飲み込もうと迫ってくる。

>「......っっでりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

ルートは身軽さを活かして、それを回避する。
だが、他の面々は避けきれず、もしくは避けようともしなかったため。
川の中へと引きずり込まれる。

>「頼む、間に合ってくれ...!」

そう言ってロープを投げるが......届かない。
というよりか、飲まれたはずの四人の姿がない。
濁っているとはいえ、不思議と彼らの姿がどこにもなくなってしまっている。
――その代わり、水中が青く輝いて見えた。

「大丈夫か!?」

カイルたちがルートの元へと駆け寄ってくる。
勿論ルートが無事なことは自分自身がわかっているはずだ。

ふと一緒に向かってきたミハイルの手を見たら、彼の手にはナディンが見つけたような小瓶がある。
たださっきのものと異なるのはチェーンで二つの小さな飾りがついていることだ。

一つは髑髏と蛇が組み合わさったもの。
もう一つは対角線を境に白と黒で塗り分けられたものだ。

「他の奴らは呑まれたのか?
 あの......青い光の向こうに」

カイルは川底の青い光を見つめている。
それは自然的な輝きではなく、魔法のような煌めきだ。

「――水の妖精結界。
 僕も実際に見たわけではないんですが......。
 確かに本来川の周囲で守りの剣のような力が働いていたのは事実なようです。
 そして、先程の現象、それにこの青い光。
 ここまで来ると、その伝承も本当なのかもしれませんね。
 だとすれば、あの青い光は妖精の世界へ続いているのかもしれません」

ミハイルはカイルの隣で、川の様子を覗き込む。
彼の推測が正しければ、セーラの語っていた伝承は真実であり。
他の四人はその世界へと呑まれていったのかもしれない。

「あんたはこの後どうするつもりなんだ。
 その光の向こうへと飛び込むのか?
 それともこっちで分かれて調査するのか?」

カイルは川を見つめながらルートに問う。
一人になった今、どう行動するのかどうか。

「もし飛び込むなら、気をつけた方がいい。
 元凶は蛮族なんかじゃない、ある意味もっと厄介な奴らだ。
 無限の探求者――あんたが聞いたことはあるかどうか知らないが。
 不死を目指している邪教徒の集団だ。
 少し前に姉さんを助けるときに、大半は潰したつもりだったが。
 残党の仕業か......それにしても面倒なことをしてくれる」

無限の探求者とはフェンディルからルキスラの周囲で活動していたメティシエ教団である。
少し前にカイルたちが冒険者の力を借りて拠点を攻略し、大半は壊滅したと考えられる。
だがやはり残党はおり、それが今回の異変を引き起こしたのかもしれない。

「......俺たちも行ければいいんだが。
 生憎何が起きるかわからない場所に気軽に飛び込めるような立場じゃなくてな。
 それに金属の鎧を身につけている身だと水中での動きは」

青い光の先は妖精の世界なのだろうか。
どれだけ考えたところで推測の域は抜け出せず、確実なものにはならない。
だからカイルたちのような立場ある人間が不用意に飛び出せるところではない。
そんなことができるのは冒険者のようなフットワークの軽い者たちだろうか。


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あんみつ@GMより

とりあえずルートのみはこちらに。

ミハイルの持っている瓶について見識判定2回可能です。
一つ目は達成値が11以上ならメティシエの聖印だとわかります。
二つ目は達成値が13以上ならテメリオの聖印だとわかります。

ルートは次の行動を選択してください。

具体的なものは以下の2つです。

・青い光に飛び込む
・青い光に飛び込まない

他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)