【C-1-2】水上と水底で

 GM(あんみつ) [2016/07/23 22:27:46] 
 

ナディンとバークは上を目指し泳いだ。
濁っていて泳ぎ辛い水の中である。
せめてもの救いは、水の流れがほとんどなかったことだろうか。

荷物を背負いながらもなんとかバークとナディンは顔を水面の上に出すことに成功する。

空が見える。
どんよりと曇った、いや濁った空だ。

すぐそこに氷のようなものでできた島がある。
どうやら水中で見えたもののそばまで泳いでこれたようだ。

岸辺の上に一人女性のような姿がある。
バークはその正体をよく知っているだろう。
水の妖精ウンディーネである。
だが、その姿はどこかやつれているように見える。
もしかしなくても穢れのせいであろうか。

勿論ナディンにはその姿は見えない。
ただ見えなくてもそこに何かがいるかのような気はするだろう。
彼女が撫でることで戯れついていく馬と魚が合わさったような幻獣の姿は捉えられるのだから。
あの幻獣がケルピーと呼ばれる種であるかについてまでわかるかは不明だが。

「あら?」

ウンディーネはどうやらバークとナディンに気がついたようだ。

『もしかしてあなたたちがファウント様の呼んだ人たち?』

彼女は二人に向けて話しかけてくる。
バークの穢れについては気にしていないらしい。
気にならない程、この世界が穢れてしまっているとも言えるが。

   *   *   *

ナマとヴァーミリオンは水底の建造物を目指す。
ナマが彼の手を取れば、ナマの身に宿る加護はヴァーミリオンに影響することだろう。

エルフが潜れるのは一時間。
水底まで潜るのは時間的に難しいことではないだろう。

そのうち渦巻く貝殻を屋根として。
青い宝石でできたその建物の姿が見えてくる。
近づいてみてわかることが一つ。
その建物を包むかのように巨大な泡が広がっている。
それはまるで建物への侵入を拒むバリアであるかのように。

泡のそばまで近づけばそれに触れられる。
ナマが触れれば泡のようにやわらかいが、弾力が強く簡単には割れそうにない。
尖ったもので思いっきり差して少し割れたとしてもすぐに泡が広がってしまう。
逆にヴァーミリオンが触れればそれは氷のように冷たく、強固に感じることだろう。

一つ理解できるのはこのバリアで守られた建物の中には。
何かがいる、もしくは何かがあるのだろう。

開くための手段はあるかもしれない。
だがナマとヴァーミリオンは加護があっても一時間しか留まれない。
自信がないなら退くのも手の一つだ。


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あんみつ@GMより

四人ルートを進行しました。

ナディンとバークは水上に顔を出せます。
氷のようなものの上には上がろうと思えば上がれます。

妖精【ウンディーネ】と幻獣【ケルピー】について魔物知識判定が可能です。
それぞれ11/169/13です。
ウンディーネについてはバークは正体を見抜けますね。
ウンディーネはナディンからは見えません。

この場面で取りたい行動があればお好きにどうぞ。

ナマとヴァーミリオンは水底を目指せます。
手を繋げば、ヴァーミリオンも潜れますが。
繋がなかったらヴァーミリオンは確実に溺れます。

貝殻と宝石で出来た建物は泡、もしくはバリアで囲まれています。
試してみたい行動があればどうぞ。
水上に戻る場合はナディンやバークと合流できます。