【C-1-4】源泉の名を持つ者
>「それじゃあ行ってみるよ。
> 魔法をかけてもらえるかい、ラーナ」>「じゃあえーっと、ラーナさん。
> 僕にも魔法をおねがいします」
バークとナディンはラーナに魔法をかけてもらうことにしたようだ。
それはつまりファウントの元へ向かう意思を決めたということだ。
「いいわ、かけてあげる」
ラーナが使うは、水の妖精の力。
その力でバークとナディンは水の中で呼吸をすることが可能になるはずだ。
「ついでに案内してあげるからついてきて。
......あまりこの水には潜りたくないんだけど」
そう言ってラーナは二人を水の底へと誘う。
* * *
とりあえずこのバリアは破壊することを目的にするのは難しいようだ。
でなると、手を変える必要がある。
>「私たちは、川辺で大きな魚に飲み込まれて、気が付けばここにいました。
>どうすれば帰れるか分からないので、それのきっかけを探しているだけです。
>決して、怪しい者ではございません。どうか、ここを通してください。」
ナマがとった手段は、会話を試みるというものだった。
バリアにその手をそっと触れながら。
すると、どうだろうか。
泡が波打つような反応があった。
>「おお、清らかなる水の方よ聞き届けたまえ」
またヴァーミリオンがナマの加護を受けつつ歌えば。
氷のような結界が柔らかくなっていく。
「今の言葉、本当なの?
そこにいるのは敵じゃないんだね。
それに、今の音聞き覚えがある。
川の外で歌っていた人だ。
うん、そうだね......間違いない。
来てくれたんだ、嬉しいな」
すると泡や氷のバリアがふわりと消えて。
二人はその内側へ入り込める。
中はというと不思議と苦しくない。
それに穢れてもいない。
誰かが守り、そして維持しているのだろう。
貝殻の城の入口を潜れば。
非常に大きな大広間のようなところにたどり着く。
その向こう側にまるで天蓋の付いた寝具のように美しく大きな貝殻が有り。
中には青い髪をした少年のような姿があった。
「ようこそ、ボクたちの世界へ。
ボクの名前はファウント。
歓迎したいんだけど、あまりそういう状況じゃないね。
......そこにいるんだよね?
穢れのせいでよく見えないんだ」
目の前の少年。
いやよくよく見ると髪こそ短いが少女だろうか。
そんな存在はファウントと自らの名を名乗る。
ファウントこそこの城の主にして妖精の結界を作り出すもの。
そして、ナマとヴァーミリオンを呼んだ存在だろう。
ちなみにファウントはその目を閉じている。
穢れのせいだろうか、それとも元からだろうか。
「強引に連れてきてごめん。
でも、ボクの目が奪われている以上ああするしかなかった。
今、この世界は穢れを齎した者たちに狙われている。
ボクも妖精たちも穢れのせいで力がうまく出せないんだ。
だからボクから頼みがある」
ちょうどその頃入口からラーナに連れられて。
バークとナディンが貝殻の城にたどり着いた頃だ。
中は大きな広間になっており、向こう側にはヴァーミリオンとナマが。
そして、その奥には貝殻の中に佇む妖精の姿があった。
「キミたちにこの世界を守ってほしいんだ。
元のきれいな水の世界を取り戻すために」
――ファウントはそう言った。
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あんみつ@GMより
四人ルート進行です。
【NPC:女性】に【ファウント】を登録しておきます。
バークとナディンはラーナに引き連れられ城へ到着します。
ヴァーミリオンとナマは一足先に入れますね。
あとはおすきにどうぞー!