妖精さんこんにちは
「ぶはぁ!!
はぁ、はぁ、はぁ」
なんとか水面にたどりついたオレは岸に掴まり、息をついた。
武器も荷物も失わずにすんだのはラッキーの一言だ...いや、帽子がないか。
くそ、気に入ってたのに。
「ナディン、大丈夫か?
ヴァーミリオン、どこだ!」
ずるずると岸辺に体を引き上げ、息を整えるのもそこそこに声をあげる。
たしかお姫さんはまだ泳いでるはずだけど、ええと...
「げほっ、げほっ
はぁ...はぁ...」
ダメだ、息が整わない。頭は回らないし体も重い。
内陸の農村の出で、ろくに川遊びもせずに育ったオレは今でも泳ぎが苦手だ。
硬い陸地に大の字になり、一休みする。
(こんなことなら、水の魚の誘いなんて断ればよかった)
ただ一人、呑まれずにすんだルートは今頃どうしているだろうか。
見事な拳闘の腕前にはやや不似合いな、彼の硬い表情が思い浮かんだ。
..
...
....
目を閉じていたのは一瞬か、数分か、それとももっとか。
なにかの気配に目を開けると、逆立ちした美人さんと馬かなにかの姿が見えた。
いや、馬が逆立ちなんかするわけがない。逆さまなのはオレのほうだ。
「あら?」
「...やあ」
ひっくり返ったまま挨拶というのも失礼だろうけど、ちょっとまだ体が動かない。
行き倒れに出くわしたとでも思って見逃してもらうとしよう。
『もしかしてあなたたちがファウント様の呼んだ人たち?』
「そうなんじゃないかな。
名前までは分からないけど、誰かに呼ばれたのは確かだよ。
...おっと、こっちに近付かないで。
オレは穢れを持ってる」
話してるうちに意識がハッキリしてきた。
この美人さん、人間じゃなくて妖精だ。
そばにいる馬も普通の馬じゃなくケルピーだ。
オレはナイトメアだから嫌われないといいんだけど。
...よし、そろそろちゃんと挨拶しようか。
ゆっくりと体を起こす。
「はじめまして、ウンディーネのお姉さん。
オレは名はバーク、アーレイ・バークだ」
いつものように帽子のつばを持ち上げて挨拶をしようとして、帽子がないことに気づく。
ちぇ、調子が狂うな。改めて頭を下げる。
「ナディン、もう気づいてるかもしれないけどソコに妖精がいる。
水の妖精のウンディーネだ。
オレたちのことを、『ファウントが呼んだ者たち』かって聞いてきてる」
それから、ルーンフォークのナディンに事情を説明する。
たしかルーンフォークは妖精の姿を捉えられないんだよな。
「それで、ウンディーネさん」
挨拶をしてすぐだけど、早速、質問をしていく。
ここがどこかはわからないけど、呼ばれたからには役目があるはずだ。
のんびりするのは後回しにして、まずは役目を果たしに行くとしよう。
「ファウントってのは誰だい?
オレたちを呼んだのがその人なら会いに行きたいんだけど...」
ひとまず、ウンディーネが口にした名前の人物について聞く。
ここの王様かなにかかね?
「あとそれと」
そして、質問をもう一つ。
「キミとそのお馬さんの名前も、教えてくれたら嬉しいな」
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-PLスキュラ-
ううむ、穢れについて話せなかった。
次回のやり取りで話せるといいなーと思いつつ、とりあえずファウントについて質問してみます。
23:39:43 スキュラ@バーク けるぴー 2d6
Dice:2D6[6,5]=11
ケルピーは知ってました。
>ルート
川ルートがんばってー!
私も現世のほうで何が起きるか気になってたので、ルートが残ってくれたのは嬉しかったです。
一人だしお気をつけて!