妖精の王は見えない
「おや」
自身に魔法がかかった感覚がした。
妖精ラーナさんが魔法をかけてくれたらしい。
「同感だね」
「すまないけど、ゆっくりで頼むよ。
泳ぎは得意じゃないんだ」
見れば、バークさんがそう言って水に入っている。
曰く、ラーナさんが案内してくれるとか。ラッキーだ。
「僕も泳ぎが得意ということはありませんが......。
まあ、息はできるので、落ち着きさえすれば大丈夫でしょうか」
* * *
「お姫さんたちも中にいるのかね」
「いると良いんですが......あ、いますね」
しばし潜ると、先に見えた巨大貝......もとい、ファウントさんの城に到着した。
大広間にはヴァーミリオンさんとナマさんが。その奥には玉座めいて設置された貝殻がある。
「見えなくて申し訳ありませんが、そちらにファウントさんがいらっしゃるのでしょうか?
であれば、僕はナディンと言います。彼女らの仲間で、おそらく貴方の依頼を受ける者ですね」
貝殻に向けて一礼をする。
多分問題ないはず。
「ぜひさせてください!と、言いたいところですが、私たちは冒険者として依頼を受けて川に来ています。
ですが、せっかく招いていただいたんですし、この世界を守りたいのも事実です。
具体的に何をすればいいのですか?」
とはナマさんの言。
曰く、ファウント氏はこの世界を救って欲しい、というか守ってほしいらしい。
穢れ対策ということは......つまりシンプルに、蛮族とか邪教徒とかを倒せば良いのだろう。多分。
「とりあえず、敵の探索と殴打は任せて下さい。
敵が蛮族となれば見つけ次第殴殺するのも吝かではありません。
......ところで、報酬とか出ます?」
無いなら無いで良いけれど、気にはなる。
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PL:配管
当然乗る。報酬だけ聞いてみる。
いやまあ、現在の状況は受けている依頼の一部と言えなくもないですけど。