妖精の王は見えない

 ナディン(配管) [2016/07/31 23:22:24] 
 

「おや」

 自身に魔法がかかった感覚がした。
 妖精ラーナさんが魔法をかけてくれたらしい。

「同感だね」
「すまないけど、ゆっくりで頼むよ。
 泳ぎは得意じゃないんだ」

 見れば、バークさんがそう言って水に入っている。
 曰く、ラーナさんが案内してくれるとか。ラッキーだ。

「僕も泳ぎが得意ということはありませんが......。
 まあ、息はできるので、落ち着きさえすれば大丈夫でしょうか」

* * *

「お姫さんたちも中にいるのかね」

「いると良いんですが......あ、いますね」

 しばし潜ると、先に見えた巨大貝......もとい、ファウントさんの城に到着した。
 大広間にはヴァーミリオンさんとナマさんが。その奥には玉座めいて設置された貝殻がある。

「見えなくて申し訳ありませんが、そちらにファウントさんがいらっしゃるのでしょうか?
 であれば、僕はナディンと言います。彼女らの仲間で、おそらく貴方の依頼を受ける者ですね」

 貝殻に向けて一礼をする。
 多分問題ないはず。

「ぜひさせてください!と、言いたいところですが、私たちは冒険者として依頼を受けて川に来ています。
 ですが、せっかく招いていただいたんですし、この世界を守りたいのも事実です。
 具体的に何をすればいいのですか?」

 とはナマさんの言。
 曰く、ファウント氏はこの世界を救って欲しい、というか守ってほしいらしい。
 穢れ対策ということは......つまりシンプルに、蛮族とか邪教徒とかを倒せば良いのだろう。多分。

「とりあえず、敵の探索と殴打は任せて下さい。
 敵が蛮族となれば見つけ次第殴殺するのも吝かではありません。
 ......ところで、報酬とか出ます?」

 無いなら無いで良いけれど、気にはなる。

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PL:配管

当然乗る。報酬だけ聞いてみる。
いやまあ、現在の状況は受けている依頼の一部と言えなくもないですけど。