依頼を受けて
僕の目の前で、泡が文字となり、文章となる。
見たことのない現象に、思わず目を見はった。
「そうか、ボクも少しくらいなら見たことや聞いたことがあるよ。
キミはボクらが見えない体なんだね。
じゃあ、こうしようか」
後で聞くと、この時ファウントさんはそう言っていたらしい。
まあ、僕はというと目の前で泡が文字になったことに驚きを隠せなかったのだけれど。
「お、おおー......!
これは凄いですね。初めて見ました。
っと、配慮ありがとうございます」
お礼を告げ、続くファウントさんの言葉を見る。
「そうだね、キミたちに頼みたいことは一つだ。
この世界に穢れを齎した者共を追い出してもらいたい。
勿論、力ずくでだって構わないさ――――」
とのこと。
話を見るに、この世界は一種の魔剣の迷宮的なモノなのだろう。多分。
で、そのコアになるとてもすごい魔剣を蛮族(仮)が狙っているというわけだ。
隠しているが見つかりそうなので、先に隠すのをやめて僕らに発見・防衛して欲しい......と。
あとは、これは僕からのおまじないだ」
と描かれると同時に、僕らの体に魔法がかかる。
先程より大分動きやすい。水中に適正を与える類の魔法だろうか。
「これは良いですね。僕も本領を発揮できそうです」
具体的にはほら、こう、流れるような身のこなしで紅茶を淹れたりとかそういう奴だ。
水中だから無理だけど。
「お安い御用だ。
私はこの河が好きでね。
それを守護する精霊の願いとあらば聞く以外に答えは無い。
何より、この河が好きという事は君の事もまた好きという事。
好きな女性に頼られれば応えるのが紳士と言うものさ!」
「私も協力します。」
「ありがとう、ボクもこの世界が、あの川が。
いや......世界に満ちる水の流れすべてを愛していて、守りたいと思っている。
だからキミたちに懸けるんだ。
ボクは物を買ったりはしないからお金そのものはあげられない。
でも、それなりに価値のあるものを贈ろうと思う。
キミたちを――信じてるから」
ファウントさんの話を受け、ヴァーミリオンさんやナマさん、が応える。
報酬もなんか価値のあるものを貰えるそうだから、僕としては問題ない。
いいですよ、と答えようとした矢先。
「泉の御方、あなたはオレたちのどこを信じるんだい?
穢れ齎す者との対峙に、あなたはなにを懸けるんだ?」「ヒトの世界じゃ、信じるという者ほど心の奥では信じてない。
キミに懸けると口にするものほど、自分自身は安全でいようとする」「穢れ齎す者との対峙は、命をかけた戦いになるかもしれないんだろう?
なら教えてほしいんだ。
なぜオレたちなのか。
オレたちがしなければ、泉の御方はどうするのか」「それさえわかれば、オレはやるよ」
淀みなく紡がれるバークさんの言葉に気勢をそがれ、黙りこむ。
言われてみると確かに、ファウントさんがなぜ僕らを選んだのかは謎だ。
たまたま通りかかったから、かもしれないけれど。
「うーん......。まあ、僕はファウントさんが信じるというのならありがたく信じられたいと思います。つまり、依頼を受けるということですが。
信じられてもそうでなくても、僕にとってはあまり変わりません。
危険な蛮族がいるというのなら調べて、場合によっては打ち倒すのみです」
気楽にファウントさんの依頼に応える。
僕は執事見習いであると同時に冒険者なのだから、蛮族を倒せというなら飛び出すのだ。
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PL:配管
頼みはうけます。
そして何も考えず受諾。蛮族アンドデストロイな。
・ファウントの頼みを受ける
【ダイス】
23:37:39 配管@ナディン 水泳判定 2d6+7+2 Dice:2D6[2,1]+7+2=12