密かな助言

 ヴァーミリオン(めぐり) [2016/08/04 18:30:02] 
 

「だからキミたちに懸けるんだ。
 ボクは物を買ったりはしないからお金そのものはあげられない。
 でも、それなりに価値のあるものを贈ろうと思う。
 キミたちを――信じてるから」


泉の精の力により、水が自身に味方するのを感じる。
やはり、その姿や言葉からは計り知れぬ力だ。
あぁそうとも油断ならない。
妖精は何時だって気まぐれで、美しくだからこそ残酷だ。
私はこのまま穏便にこの場を切り上げたかったが
同じナイトメアであると思われるバーグが質問した。


「泉の御方、あなたはオレたちのどこを信じるんだい?
 穢れ齎す者との対峙に、あなたはなにを懸けるんだ?」
「ヒトの世界じゃ、信じるという者ほど心の奥では信じてない。
 キミに懸けると口にするものほど、自分自身は安全でいようとする」
「穢れ齎す者との対峙は、命をかけた戦いになるかもしれないんだろう?
 なら教えてほしいんだ。
 なぜオレたちなのか。
 オレたちがしなければ、泉の御方はどうするのか」
「それさえわかれば、オレはやるよ」


不審に思い試したい気持ちも分かる。
しかし、この場では不味い。
私は焦る思いを隠しにこやかなまま後退しバーグの横に付く。
そして小声で語りかけた。


「バーグ君、今ここの場でそれは悪手だ。
彼女とその眷属がいるのだぞ、しかも周りは水だらけ
私達が何故この場に居るのか忘れたのかい?
彼女らはその気になればこの場の私達程度は好きに出来るのだよ。
だから真意を知るのは後からでも出来る。今は合わせてくれ」


私は言葉を切ってバーグの肩を抱き
諌める様に声を上げる。


「バーグ君、我が同胞よ。
確かに君の言葉もわかる。
しかし、彼女らも必死なのだ!
ここは私の為にも引き受けてくれないか!
勿論、私は引き受ける」


そう言ってバーグにウィンクした。


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PLめぐり
ちょっと長くなってしまいました。
何時からヴァーミリオンが唯の女好きだと思っていた?
私も割と思ってた!
まあ、偶には学者らしき事しないとね!

ダイス
水泳判定 2D6 → 5 + 6+7+3 = 21 (08/04-18:29:52)