【E-1-2】それぞれの街で
>「......死体の処分はお任せしてもよろしいですか?
> それとも、これも僕らが持って帰ります?」
帰り際、ナディンはファウントのいるだろう方向に声をかける。
「うん、ボクが引き取ろう。
元は水に住まう蛮族だ。
きっと浄らかな水湛える剣が、魂を清めてくれるはずさ」
彼女の言葉を仲間が介せば、きっとナディンに届くだろう。
とりあえずスキュラは彼女に任せてよさそうだ。
* * *
――元の川に出て合流した冒険者たち。
ヴァーミリオンを除く四人はコンチェルティアをこのまま目指すことにしたようだ。
ヴァーミリオンがセーラをここに連れてきたいと言えば。
別に構わないとカイルは言うだろう。
ここは彼の場所ではないし。
それに妖精の世界を穢さなければそれでよいのだ。
「......うん、そうだな。
エミール、ルキスラまでついて行ってやってくれ。
今回の首謀者だろう二人は捕らえたが、他に残党がいないとも限らない」
「カイル様が、お望みなら」
ついでにルキスラまでの道中はエミールが送ってくれるそうだ。
直接の戦闘能力を持たないヴァーミリオンへのせめてもの護衛というところだろう。
ちなみに、ウィリはというと。
「わたしは帰るよ。
もう全部終わったならきっと水は綺麗に戻るから。
みんなのおかげ......ありがとう!」
そう言ってルートに手を振って川の中へ飛び込んで、消えた。
* * *
エミールとヴァーミリオンと別れ、冒険者たちは兄弟を連れたまま街へと向かう。
街ではまず、二人の兄弟を引渡し。
その後、カイルの家がある街の2番街へと向かった。
2番街の一角。
中でも立派で豪奢な建物がカイルの屋敷――ヴォルディーク邸である。
「おかえりなさい、カイル、ミハイルさん。
エミールさんは別なのかしら?」
屋敷に入るとほんのり青みがかった白髪の女性が出迎えてくれる。
その顔立ちはどことなくカイルに似ているような、似ていないような、な感じである。
「あら、貴女は......?
まあ、お久しぶりですわね。
先日は本当にお世話になりましたわ」
ナマに挨拶を返す彼女の名はセシリア。
少し前にナマがカイルや他の冒険者たちと救い出した女性である。
「他の方々は、初めまして、ですわね。
私はセシリア・ヴォルディーク。
カイルのカイルの姉です」
――セシリアの自己紹介も終えた後。
カイルによって冒険者たちは客間に通される。
「部屋は幾つか空いているから、好きに使うといい。
何か頼みたいことがあれば、傍にいる者に言ってくれ」
カイルは軽く冒険者たちを案内した後。
どうやらミハイルと出かけるつもりのようだ。
「俺たちは、先ほど引き渡した奴らの元へ行く。
あいつらには聞かなきゃいけないことがまだありそうだからな。
あんたたちにもかかわり合いがない話じゃないから......。
何か聞けたら、聞かせてやる」
二人の行き先はメディクとディマイズの兄弟の元のようだ。
彼らに話を聞き、わかったことは展開してくれると言う。
「じゃあ、カイルさん。
行きましょうか」
「......ああ」
彼らは部屋を、屋敷を出ていく。
残された冒険者たちはこの家の中でゆっくり休んでもいいし。
適当に街をうろついてもいいだろう。
勿論、他の行動もありだ。
* * *
――あれから、約三日後。
ヴァーミリオンはエミールと共にルキスラまで戻ってきた。
「まあ、何もなかったね。
何もない方が気楽だから嬉しいけど」
エミールの言う通り、特にヴァーミリオンたちに危険が及ぶことはなかった。
蛮族にも獣にも邪教徒や不死者にも出会うことはなかった。
「それにしても、先にひとりで帰ろうなんて。
よっぽど会いたい人でもいたのかい?
別に、そんなに興味はないから答えなくてもいいけれど。
もしいるなら、さっさと行けばいいさ。
僕は、もうコンチェルティアに帰るよ」
エミールは軽く手を振ってその場を後にする。
その後、ヴァーミリオンはセーラに出会うことができるだろう。
彼女はルキスラの図書館にいた。
何やら妖精についての古書を探していたようだ。
「あら、いつの間にか帰ってきていたのね?
あなた、一人だけなの?」
気配を感じて振り向いたセーラはヴァーミリオンに問いかけた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
進行になります。
ヴァーミリオンとエミールはルキスラを目指し。
他の面々でコンチェルティアを目指します。
ナディン・ナマ・バーク・ルートの四人はコンチェルティアの2番街にある、
カイルたちの家に案内されます。
【NPC:女性】に【セシリア・ヴォルディーク】を登録します。
四人は案内されたあとは何をしていても構いません。
何もしなくても構いません。
ヴァーミリオンはルキスラでエミールと別れたあと。
図書館でセーラと出会うことができます。
次回、エンディングになる予定です。
その前に皆様で剣のかけら計8個を振っておいてください。
振り分けはお任せします。