【A-1-1】まずはじめにすべきこと

 GM(あんみつ) [2016/07/30 12:33:19] 
 

「やあ、みなさん。
 今回は依頼を受けてくれてどうもありがとう。
 君たちに入ってもらいたい物語は......これさ」

沢山の本棚の中に囲まれたインクの匂い漂う部屋。
その中心に置かれたテーブルの上に。
エリックは四人の姿をざっと眺めてから一冊の本を広げた。
虹色の表紙が美しい魔法の童話本――七色の童話集。
今回始まる物語はその中の一篇である。

――"アラジンと魔法のランプ"という名の物語だ。

   *   *   *

事の始まりは毎度のこと、火竜の手羽先亭に一つの依頼が舞い込んだことであった。
依頼人の名はエリック・ジュべ。
童話作家として多少は名の知られている人物である。
彼は、所持している魔法の本絡みで幾度か手羽先亭への依頼を行ってきていた。
その名や依頼について耳にしたことがある者もいるかもしれない。

今回冒険者の面々が受けた依頼は、物語を紡ぐというものだった。
魔法の本の中には物語としての世界が存在しているという。
その世界で冒険者たちが動くことで、登場人物たちの運命が変わり。
最終的な物語が完成されることとなるだろう。
結果として生まれる物語を――エリックは見たいと思っているのだ。

今回の物語世界に挑むのは以下の四人である。

まずは新進気鋭のパーティたる彼方との繋がりだ。
母親仕込みの秘伝で戦う軽戦士――ルーク。
騎手としても神官としても優れた冒険者――アメリア。

そしてそれからもう二人。
白き鱗の妖精操る竜――セスシナング。
探偵風な髪長姫以来の来訪者――グレース。

今回は、彼らが物語の中に挑む。
果たしてどんな物語が待ち構えているのだろうか。

   *   *   *

――舞台をエリックの家に戻そう。

タイトルが記されたページには、ランプの絵が描かれていた。
そしてそれを宙に掲げるのは若い青年だ。
彼もこの物語の登場人物なのだろう。

そのページの隣には登場人物の名前を書く欄があり......。
そこには半端に空白の部分が広がっていた。
ちょうど四人程の名前を書けるような具合に。

「そのページに君たちの名前を描けば......。
 光の導きで本の世界へ入っていくことができるはずさ」

エリックの言葉によれば、自らの名前を書き記すことが物語へ至るための合図となるそうだ。
尤も特定の誰かが実際にサインするという行為こそが大事なのであって......。
どの言語の文字だとか、その名前が本名かだとかは一切関与しない。
七色の童話集は......記されたそのものを受け入れるのだ。

「気をつけておいて欲しいのは......一つだけ。
 一度名前を記したら、君たちは物語の結末が見えるまで外には出られない。
 でも、きっと君たちなら君たちらしい結末を導けると信じているよ」

もしペンがなければ、エリックは彼の仕事道具を貸してくれるだろう。
だが一度名前を記してしまったら、そう簡単には出られない。
何らかの入口から入ったのなら、何らかの出口から出ていかなければならない。
物語世界の出口こそ――物語の結末と言う名の終着点なのである。

   *   *   *

それでも......きっと彼らはその名を記すだろう。
何よりも彼らは冒険者なのだから。
冒険が待ち構えているなら、きっと臆することはない。

最後の一人が自分の名前を書き終えたあと......。
待ち構えていたかのように勝手に物語の最初の一ページは捲られて。

――魔法の光が四人を包み込む。

いざ向かう先は異国情緒溢れる砂漠の世界。

その日暮らしの青年。
自由を求める王女。
怪しげな大商人。
――ランプの精は敵か味方か。

四人の来訪を待っている世界はどのような色をしているだろうか。


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あんみつ@GMより

それではセッションを開始させていただきます。
依頼を受けるに至るシーンはばっさりカットしました。
もちろんPCの側で好きに書いていただくのは構いません。

現在は本の世界に入る前のシーンです。
【エリック・ジュべ】『登場人物』に登録しておきます。

【七色の童話集】について見識判定が可能です。
目標値は13。成功すれば『用語目録』に記されたことがわかります。

登場人物に書く名前はどの言語で書いても構いませんし、
好きな名前を書いても構いません。
でも、よっぽど変な事情がない限り登録している名前を書く事を推奨します。

キャラクターシート作成・修正期間は一週間後の8/7までとします。

各PCに共通して【MQ:物語を完結させて外に出る】を課します。

ちなみに募集時に振っていただいた1D6はSQ決定に使用しました。
結果表は以下になります。

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1:ヒロイック・オーサー(HPを5点以上取得する)
2:コメディ・オーサー(CPを5点以上取得する)
3:トラジェディ・オーサー(TPを5点以上取得する)
4:ロマンス・オーサー(RPを5点以上取得する)
5:サポート・オーサー(SPを5点以上取得する)
6:バランス・オーサー(各ポイントを1点以上取得する)

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それに基づき、各PCのSQはこうなります。

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アメリア:トラジェディ・オーサー(TPを5点以上取得する)
グレース:コメディ・オーサー(CPを5点以上取得する)
セスシナング:ロマンス・オーサー(RPを5点以上取得する)
ルーク:ヒロイック・オーサー(HPを5点以上取得する)

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詳細やポイント取得法については『4-著者解説』をご確認ください。

それでは最初の投稿お待ちしております。

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