物語の始まり
手羽先亭にはいろいろな仕事が入ってくる、ので仕事は簡単に受けることはできる
報酬が多い依頼ってのはそんなにないけどな
>「アメリアさん、ルークさん。ご無沙汰しています。」
不意に声をかけられた、男性の声で一度といわず二度くらい聞いたことがあった
ええっとたしか...
「グレースさんか、久しぶりだな」
軽い感じで応対をする、アメリアさんもたしか....酒場であってたよな
あんまりその時のこと覚えてないけど
グレースさんは俺らに依頼を誘ってきた
>「エリックさんという絵本の作家からの依頼です。絵本の中に入って物語を継ぐ、まあ、一言でいえば物語の一員になるんです。
> 独特の世界観が味わえる素敵な世界ですが、想定外なモンスターが出る可能性もあります。
> 宜しければご一緒しませんか?」
絵本の中に入る?
ちょっと理解が追いつかないがまぁ昔読んだ英雄譚とかの登場人物になれるってかんじか?
そんな面白いことなら俺としては大歓迎だ
「想定外なモンスターだって慢心しないで堅実に削れば勝てるはずだ
まぁ...俺が回避して引きつけているうちに後ろの人らで削ってくれればなんとか....だな」
「アメリアさんも一緒に受けようぜ!本の中に入るってなんだかろまんちっくじゃないか?
それにアメリアさんがついていてくれたら三世達も来るだろ、あいつらは頼もしいからなぁ
もちろんアメリアさんの魔法だって頼りにしてるぜ?」
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>「額の目は隠したほうがいいです。物語の住民はシャドウという種族を見慣れていないですから。」
「お?そうか、じゃあ...」
コートの中にしまっていたバンダナを第三の目を隠すように着ける、まぁずり落ちたりしないだろうしこれなら大丈夫だろう
「これでいいか?流石に肌の色まではごまかしがきかねぇからな、まっ気にしても意味ないか」
考え込むのは後でできる、今出来ることだけやっておけばいい
特に本の中とか未知の領域だからな、前情報がほとんどない
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>「そのページに君たちの名前を描けば......。
> 光の導きで本の世界へ入っていくことができるはずさ」
「それが合図か...なんか不思議なもんだな」
迷宮のように入口があったり急に引き込まれたりではなくあくまで自分の名前を書くだけ
>「気をつけておいて欲しいのは......一つだけ。
> 一度名前を記したら、君たちは物語の結末が見えるまで外には出られない。
> でも、きっと君たちなら君たちらしい結末を導けると信じているよ」
「俺ららしいか、どうなるかはわからんが最善を尽くさせてもらうさ
....じゃあペンを借りる」
エリックからペンを借りてサラサラとシャドウ語で名前を書く
「これでいいのか?」
ペンを返して聞く
他のみんなも書き終わると、本がひとりでにめくられていく
「始まりか、どんな冒険が待っているのやら」
期待に胸が躍る
絵本の中―――俺が昔読んだような英雄譚や不思議な話の中に入る
不思議と俺を包み込んできた光は眩しくなかった、むしろなんだか心地が良いものだった
どうもグラフです
よろしくお願いします!
なにか不備などありましたらお手数ですが連絡をいただけたら嬉しいです
修正させていただきます