【B-1-4】密室と浸水
>「あぁ、俺はルークだ、気がついたらこの奥の部屋にいた」
>「私はアメリア、彼はドルクーアⅢ世、ちゃんとⅢ世を付けて呼んで下さいね」
「ルークと、あんたがアメリアか。
んで、えっと......その......これがドルクーア、Ⅲ世?
急に引っ掻いてきたりしないよな?」
ランプを抱えながら、ルーク、アメリアの順で目を動かし。
ドルクーアⅢ世の前でしばし止まる。
そんな彼はランプを取られまいと警戒しているようで。
>「はは、そう警戒するな、何度も言うがそれをとったりはしないさ
>俺としては君についていこうと思うが....
>アメリアさんはどう思う?」
そんな彼の緊張を解そうとしながら。
ルークはアメリアに一緒に行ってはどうかと尋ねる。
>「私たちも外に出たいと思っていた所ですから、
> 道案内が居てくれると、安心ですし、助かりますね」
アメリアも気持ちは同じようだ。
ついでにこの世界では本来不可能なルークとドルクーアⅢ世も会話を交わせる。
童話の世界の魔法の言語が二人を繋ぐのだ。
「......さっきも言ったけどさ。
今みたいな変なのがいるとオレ一人で戻るとちょっと心細いから。
ルークとアメリアがついてきてくれるっていうなら、すっげぇ助かるよ」
ルークの言葉のおかげか、だいぶその警戒は揺るいだようだ。
砂漠の民でないという言葉もちょっと効いたのかもしれない。
「んで、ちょっと台座に戻ってみるのか?
まあいいんじゃないか。
向こうは隠し通路とかはないと思うけど。
ついてくぜ......そっちのほうが安心だし」
ドルクーアⅢ世の台座を見た方がいいという言葉の通り。
先に進む前に一旦アメリアたちは奥の部屋に戻る。
* * *
「オレがランプを持ってきたのはこの台座からだぜ」
そこにあったのは白い石でできた台座。
前面には金製のプレートがはめ込まれている。
プレートには、こう文字が刻まれていた。
「愛されし砂漠の民よ。
金のランプを擦るがよい。
然すればランプの精が姿を現す。
夢持てる砂漠の旅よ。
ランプの精に願うが良い。
然すれば三つに限り何時の願いは叶わん」
それ以外特にめぼしいことはないようだ。
* * *
「んじゃ、行くか。
つってもオレは適当に普通に潜ってきただけだからさ。
正直案内できるかっていうと微妙なんだよな。
つーか、さっきの奴らもオレが最初に来た時は影も形もなかったし」
ランプの乗っていた台座を調べ終え。
三人と一匹はシンと戦った場所をさらに抜け。
狭い通路を通っていた。
この辺りは明かりが少ない。
ルーク以外はドルクーアⅢ世がかけた魔法の光がないと不自由だろう。
ルークが周囲の危険を探りながら行けば、特に危険はなさそうであった。
だが、それは突然起こった。
スイッチを踏んだわけではない。
魔法陣を起動させたわけではない。
通路を進む彼らの前後に突然煉瓦の壁が現れて行き場をなくさせる。
それと同時に激しく鳴り渡る崩落音と轟音。
天井の一部が崩れ、そこから砂漠には不似合いな程の水流が流れ込んできたのだ。
そしてどこかから響く声。
「来る者は拒まぬが去る者は逃がさぬ。
遺跡の財宝に目を眩ませた愚者よ。
己の強欲さを悔いて果てるがよい」
アラジンは言っていた。
来た時と帰る時では少し違うと。
それはおそらく現在の状況のようなことなのだろう。
「お、おい、これヤバくねーか?
このままじゃ水でいっぱいになって溺れ死んじゃうってば。
つってもあんな壁オレじゃ絶対壊せねーし。
ランプの力を借りるしかねーのかよ?」
水流の勢いで少しずつまた天井が崩れ、穴が広がるのか。
水嵩の上昇度合いも時間が経つほどに上がっていく。
閉じ込められたこの空間が水で満たされるまで一分というところ。
とすると、その前に壁を壊す必要があるか。
目の前と後ろには煉瓦の壁。
ちなみに左右は石の壁。
ランプの力を借りるか。
己の力で乗り切るか。
そう迷う時間はないだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ルークとアメリア進行となります。
二人にとってのメインNPCはアラジンで確定かな。
ランプの台座にはちょっとだけ文字が書かれていました。
その後進んでいくと、皆さんはアラジンと一緒に閉じ込められます。
前後の壁はレンガの壁、左右の通路自体の壁は石の壁相当です。
構造物の破壊ルールに概ね従います。
自由に動けるのは5Rほどです。
5Rを超えると良くない展開になるでしょう、きっと。
おふたりは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・前の壁を壊す
・後ろの壁を壊す
・ランプの力に頼る
壁を壊すを選択した場合は、5R目までの行動ダイスを振っておいてください。
命中や行使は1ゾロでなければ成功します。