不意な憤り
「......ここは?」
光から抜け出た先は石造りの部屋、光源が少ないのに妙に明るい所でした。
それもそのはずで、少ない明かりを反射し明るくするだけの金銀財宝のある、いわゆる宝物庫だったからです。
大きい宝物もある所為か、部屋そのものが大きい造りになっているようです。
>「うわすげぇなこれ、全部宝か....いくらするんだろう」
「ええ、これだけの財宝だとドラゴンが守護していても不思議は無いでしょうね」
周りに人の気配は無く、私とルークさんだけのようです。
グレースさん、セスシナングさんとは違った場所に出て来てしまったみたいですね。
ふと、手に何かを持っている事に気が付きました。これは......栞でしょうか?
取りあえず、彫像にしていたドルクーアを元に戻してから、その栞を改めて確認します。
ルークさんも私の持っていた物とは色違いの赤い栞を持っていて"英雄の物語を紡げ"とあり
そして私の持っていた栞にはこう書かれていました。
『物語の登場人物には各々の役割がある。
青の栞を手にした者よ。
世界の中で涙の物語を紡げ......』
寄りにも寄って"涙の物語を紡げ"と来ましたか。
出来れば悲しい出来事は起こって欲しく無いのに。
それに"各々の役割"ですって?
誰かが辛い思いをする事が決められているだなんて、そんな......
>「うわああああああ!」
突如の叫び声に重たい思考を中断させられて、栞を凝視していた顔をそちらに向ける
その時にはもうルークさんが動き出す寸前でした。
>「っち!こっからだと見えねぇ!
> なにがあったか様子を確認してくる!」
そのまま返事や制止をする間も無く、走って行ってしまいました。
早く追いかけないと......
『ドルクーア、ライトをお願いします。って何してるんですか?』
レッサーマンティコアであるドルクーアⅢ世は、魔法の使い手でもある頼れる相棒です。
その彼は今、まるで雑貨屋で品物を物色するかのように辺りの財宝を漁っている最中でした。
『ム?見れば分かるだろう。主(仮)よ?あとしっかりⅢ世を付けて呼んで欲しいものだの』
『まぁそう慌てず暫し待て。小僧が行ったのだ、そう大事には成るまい。
......ふむ、これが良さそうだの』
そう言ってドルクーアは、見つけた財宝(豪奢な意匠を凝らした錫杖で先端に大きな宝石の付いた物)にライトの魔法を掛け私に持つよう促します。
『儂は持てんからの』だそうです。まったくもう......
ドルクーアが物色中に、改めて辺りを見回して気が付いたことがあります。
あの台座、何かが乗っていた跡があるのですよね......
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PLより ダイスは振った順です(31日~1日に掛けて)
23:36:33 甲子 幸 2D6 向かって見に行くダイス Dice:2D6[6,2]=8
00:19:31 甲子 幸 2D6+4 見識判定 栞について 目標値14 Dice:2D6[4,1]+4=9
02:36:49 甲子 幸 2D6+11 探索判定(騎獣) Dice:2D6[3,5]+11=19
03:32:49 甲子 幸@アメリア 魔法指示でライトを行使 2D6+8 真語魔法 行使判定 Dice:2D6[1,3]+8=12
探索の基準値は10の間違いです 18×500G=9000Gですね
騎獣で探索判定が出来る事をすっかり忘れていました
後でルークの持って行ってしまった物と取り替えるRPを挟みたい所です
因みに『』内は妖精語です。