【B-3-2】双剣の侍女
賢そうなグレースに対し、遺跡から物を持ち出せば報酬をやると語る男。
>「報酬は頂いても意味がありませんからねぇ。今の僕は。
> お断りしますよ。」
だが、グレースはそんな彼の依頼を拒んだ。
彼のことがちょっと気に入らなかったのかしれない。
――いや、ちょっとどころではなさそうだ。
この男の行い、言葉、思想どれも好ましくないようで。
>「貴方のされていることは雇用主として最低だと思いますよ。
> お金で何でも解決しようとしている。
> 労働者を使い捨てにしているわけですからね。
> 最初からもっと確実に仕事がこなせる業者を雇うとか思いつかなかったのですか?」
グレースは面と向かって彼を酷評する。
「好きに言わせておけば、勝手なことを......!
世の中は金と名誉が全てだろうが。
そのためにはちょっとやそっとの犠牲など取るに足らん。
そもそもあんな掃き溜めに住んでるクズが死んだところで誰も悲しんだりしねえんだ。
むしろゴミ掃除が出来て喜ばれるかもしれねえな、ははっ」
グレースの読み解いた通り。
彼は先に送り出した者がどうなろうと知ったことではないのだろう。
そういうタイプの人間なのだ。
>「貴方が見捨てた男性だって一人の人間です。
> こんなことで命を落としても、貴方は全然痛みを感じないでしょうね。
> 彼を救いに行ってきます。
> 改めて言いますが、貴方の依頼は請けませんので、そのおつもりで。」
そんな男に見切りをつけ、グレースは進む。
「はっ、勝手にするがいい。
俺も俺の好きにやらせてもらうだけさ」
後ろで吐き捨てるように言う男を背にグレースは進む。
ずんずんと進む。
遺跡の中で助けを待っているかもしれない者を救うために。
更に進む。
そして、急にこけた。
ちょっとだけ恥ずかしい。
* * *
遺跡の入口は二体の獅子の像の向こうにある。
どうやら下に潜っていく階段があるようだ。
グレースが近づいていくと、不思議なことに明かりが入口から奥へと流れるように灯っていく。
まるでグレースをその奥へと誘うように。
明かりとなるのは左右の両壁と天井に備えられた蝋燭。
それらは皆真っ赤な炎を燃やしている。
コツコツ。
コツ。
コツコツ。
コツ。
石の階段を歩く音が反響する。
扉が見える。
石でできた重そうな扉だ。
その時グレースは背後に気配を感じたかもしれない。
感じなかったかもしれない。
だが――彼女は現れた。
「この扉の奥が、遺跡」
彼女は、先ほどあの男の傍にいた。
布でその身を覆い隠していた謎の女性。
いつの間にかグレースの跡をつけていたようだ。
「私はファッティ様のため、動くだけ。
お前とは、関係ない。
お前は、勝手にしろ......私も、好きにする」
石の扉を軽く調べた後。
彼女はグレースの方へ振り向いた。
「それとも私の邪魔、するか?
ならば、戦うだけ」
彼女は布の中に隠れていた鞘から二対の剣を引き抜く。
首に付けられた宝石飾りが揺れる。
彼女の動きで顔を覆っていた布が見えて。
そこから覗いたのは第三の瞳だった。
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あんみつ@GMより
こちらグレースのルート進行です。
転んだグレースにCPを1点差し上げましょう。
遺跡の入口はこんな感じです。
入口の方へは女性がついてきました。
グレースは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・謎の女性と戦う
・謎の女性と戦わず進む
戦うを選択した場合は2D6の予備ダイスをお振りください。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!