【C-1-1】遭遇後の敵対
壁を壊して進むルークとアメリアたち。
もし耳を澄ませていれば。
>「おーい!誰かいますかー!?」
僅かでも誰かの声を聞き取ることができたかもしれない。
そうして冒険者たちが遺跡を進んでいくと。
大きな扉があった。
向こう側にまた何らかの部屋があるのだろう。
――開いて見れば、そこには。
* * *
縦に高く続いている円柱状の部屋があった。
部屋の中央には魔神のように見える像がある。
とは言ってもその姿にどれだけ頭を捻ろうとも心当たりはない。
創作の魔神なのかもしれない。
魔神の像のあたりはライトが当たっているかのように仄かに明るくなっている。
その原因は、上だ。
まるで天窓のように遥か高いところにある天井に穴があり。
そこから陽の光が差し込んできているのだ。
極めて摩訶不思議な形状の遺跡である。
またこの部屋にあるのは魔神の像だけではない。
像のそばにいたのはグレース、そして謎の女性の姿だった。
* * *
「この指輪、見たことがある」
グレースの傍にいる女性、イスラは魔神の像の台座に描かれている絵を見ながら言う。
確かにそこには、指輪の絵が描かれていた。
そして説明文のようなものが少し。
「指輪には魔神が棲む。
魔神は一つだけどのような者のどのような願いも叶えてくれることだろう。
だが一度でも願えばその者の心は永久に魔神と指輪に囚われることとなる」
どうやら願いを叶えてくれる指輪という代物があるらしい。
だが、ただ願いを叶えてくれるだけのものではなさそうだが。
果たしてイスラはそれをどこで見たのだろうか。
「――何者?」
ふとグレースの横でイスラが振り向く。
グレースも振り向けば、ルークとアメリア、及びドルクーアⅢ世に。
初めて見る現地の青年らしき姿。
もしかすればグレースに心当たりがあるかもしれない。
「そ、それはオレたちのセリフだって。
あんたらこそ誰だよ?」
その青年がイスラの言葉に返す。
よく見れば彼は大事そうに金のランプを抱えているではないか。
あれは......魔法のランプなのだろうか。
グレースが認識するのと同時に。
「それ、ランプ。
魔法のランプか?」
イスラもランプに気がついたようだ。
「ランプ、持ち帰る。
それ、寄越せ」
そしてイスラはそのランプを青年――アラジンに要求する。
だが、ルークやアメリアとここまで乗り越えてきたアラジンは当然容易く手放すはずがない。
「ヤだね、つかなんであんたにあげなきゃいけないんだ?
これはオレが持ち帰るんだ。
オレが少しでもあいつと釣り合えるよう......もっと自信を持てるオレになるために」
このままだと会話は平行線になる。
となると手段は別のものになる。
「――力ずくでも、奪うだけ」
突然イスラは剣を抜く。
そしてその剣の刃先をアラジンへと向ける。
「ちょ、あ、荒事はやめようぜ、な?」
アラジンはランプを抱えながら数歩下がる。
ルークとアメリアがこの場を収めるにはランプをおとなしく渡すか。
それとも戦ってイスラを倒すか。
イスラになんとか納得させて諦めてもらうしかない。
そしてグレースもまた、己の取るべき選択を決めねばならない。
があるだろう。
だが、今この部屋にある財宝もまた欲求を掻き立てるかもしれない。
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あんみつ@GMより
こちらアメリアとルーク、そしてグレースのカテゴリです。
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ルークとアメリアは聞き耳判定で15以上を出せば、声が聞こえます。
遺跡の縦に長い部屋の中で合流できます。
どうやらイスラはアラジンの持っているランプを奪おうとしているようです。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の4つです。
・ランプをイスラに渡す
・戦ってイスラを倒す
・イスラを説得する
・ランプの力を使う
戦う場合はグレースはどちらの味方になることもできます。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
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