【C-1-3】ランプの精と魔法の絨毯
ランプを持ち帰る際の目的についてふんわり語るアラジン。
>「僕はかつて身分の高いお相手と恋仲になったことがありましたけど、
> 色々ありまして諦めたことがあります。
> 貴方も意中のお相手がいらっしゃって
> 相応の立場になるためにランプが必要だったわけなんですね。
> お答えくださり、ありがとうございました。」
グレースはそんなアラジンの言葉から推測して。
自分の話を交えつつ、彼に向けて語ってみる。
「......へ?
な、なんでアティファが王女だって知ってんだよ!
じゃ、じゃないや!
違うからな、今の違わないけど、違うんだからな!」
急に言い当てられたことにすっかり驚いて。
アラジンはうっかり相手の情報について漏らしてしまう。
どうやらアラジンの想う相手はアティファという名の王女だそうだ。
現実なら貧民と王女が結ばれることなどまずありえないだろうが。
現実よりもオーバーな物語の世界ならあるいは、ありえることなのだろうか。
* * *
一方、イスラはファッティにとって不要との宣告をされたのか崩れ落ちる。
>「ちょっとその依頼主は....イラつくな」
契約を重んじるシャドウたるルークはそんな横暴に腹が立ち。
>「わかりました?彼は自分のことしか考えてないんです。
> 自分の利益のためになる人は大事にするけど、
> 利益にならないと解ると簡単に捨ててしまう。
> 彼のことはお忘れになったほうが貴女のためですよ。
> 貴女の人生は貴女のものなんですからね。」
グレースはイスラのことを言葉によって慰めた。
>「‥‥あ、あれ?」
>「ごめんなさい、もう少し‥‥」
彼女のことを心配する気持ちもアメリアには確かにあったのだが。
悲しくも彼女の想いは奇跡の形を成すことはできなかった。
「私、不要......」
イスラがまだ立ち直れない様子を見せていたその時。
異変は起こった。
遺跡が少しずつ、しかし確実に崩落を始めたのだ。
>「とにかくここから出ることが先決です。逃げましょう。」
その最中、グレースはイスラの手を引いて逃げようとする。
イスラの体に力はなく、引きずろうと思えばできなくもないだろう。
>「そうか、頼む」
一方ルークはアラジンのランプの力に頼むことにした。
ルークほどの実力があれば抜け出せないとは限らないが。
皆が無事に抜けられる手段に懸けたのだ。
これにはアメリアも同意する。
「わ、わかった!
......ていうか、オレまだ初めて使うし。
本当に叶えてくれるのかもわかんねーけど、やってみるぞ。
力を貸してくれよ、魔法のランプ!」
アラジンはランプをこする。
するとランプの口から金や銀、白にと燦めく煙が溢れ出て。
「はじめまして、マスター。
砂漠の神に愛されし偉大なる子よ。
慈愛に満ちた神の恩寵。
マスターの願いを三つまで叶えて差し上げましょう」
太陽のような金色の髪と。
砂の大地のような褐色の肌を露わにした少年が煙の中から姿を現した。
その見た目だけだとまだ成人を迎えていない子供のようでもある。
「僕は、ランプの精ナーゼル。
よろしくお願いします、マスター。
それと、マスターのお友達の皆さん」
彼、ナーゼルは空中で綺麗にお辞儀してみせる。
そう――彼が普通の子供と違うところを挙げるとすれば。
今のように煙の中でぷかぷか浮かんでいることだ。
むしろ下半身の方は煙と合わさってよくわからなくなっている。
「お前が本当にランプの精か?
......あんまりすごそうじゃないな」
そんなナーゼルの姿を見ながら。
アラジンはぽつり感想を漏らす。
ナーゼルは彼の様子にむっとした顔をして。
「マスターのお言葉とはいえ、少し失礼じゃないかな?
じゃあ少し僕の力を見せてあげよう」
ちょうどその時。
天井で何かが崩れるような音がした。
上部にあった巨大な石の柱が折れて落ちてくるではないか。
それはアメリアのいる辺りを目掛けて落ちてくる。
ルークが体を張ってアメリアを逃せば、彼女への直撃を防ぐことができるだろう。
だが、ルークがもし動かなくとも。
ナーゼルがパチンと一つ指を鳴らせば、光を放ち石の柱は中で砕け。
さらさらとした砂だけが宙を舞う。
「今のはサービスだよ。
どうかな、マスターにお友達の皆さん。
僕の力......信じてくれるかな?
信じてくれるなら、さあさあ、僕に向かって一つ目の願いをどうぞ、マスター!」
得意げにニヤリと笑うナーゼル。
どこかぽかんとした顔で口を開けていたアラジンだったが。
「そ、そうだったな。
ていうか、こんなことしてる場合じゃねえっての。
えっと、ナーゼル?
お前の力が嘘でも本当でもいいからさ。
オレたちのことここから出してくれよ!」
そう、一つ目の願いを告げる。
この遺跡から出して欲しい。
それがアラジンの最初の願いだ。
「はいはい、ここから出して欲しいだね。
マスターの一つ目の願い、受領しました。
うーん、そうだなあ......脱出の方法はいっぱいあるんだけど。
どうせなら、面白い脱出法のほうがいいよね。
じゃあ、行くよ......そーれ!」
うんうんといろいろ考えている様子のナーゼルだったが。
何やら思いついたらしく、先ほどのように指をパチンと鳴らす。
すると、現れたのは一つのアンティークな雰囲気漂う絨毯であった。
「絨毯、これがなんなのさ?」
見てすぐ反応を返すアラジンに対して、待ったというポーズを取りながら。
「これはただの絨毯じゃないさ。
空飛ぶ絨毯だよ!
マスターたちが上に乗って飛んでいけば。
上に空いてる穴から遺跡の外へとひとっ飛び?
どう、スリルがあって楽しいと思わない?」
ナーゼル曰く、これはただの絨毯ではなく。
魔法の絨毯であるのだそうだ。
これに乗って、遺跡の穴から外へ飛んで脱出してしまおうというのが彼のアイディアらしい。
「さあさあ、早く乗った乗った!
遺跡は待っちゃくれないよ!」
ナーゼルが急かすが彼の言葉も嘘ではない。
この間もどこかで何かが崩れているのだから。
助かりたければ絨毯の方に乗るしかないだろう。
アラジンはきっと自分から乗るだろうが。
イスラについては、どうであろうか。
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あんみつ@GMより
3人のルート進行です。
アメリアが読み通り自動失敗したので、TPを1点差し上げます。
グレースはもっと頑張れる気がするので、今回はCPあげません。
【NPC:男性】に【ナーゼル】を登録しておきます。
アラジンは『遺跡から出して欲しい』と一つ目の願いを使ったため。
魔法のランプに使える願いはあと二つになりました。
【分類:道具】に【空飛ぶ絨毯】を登録しておきます。
くっつけば騎獣も含めて全員なんとか乗れるでしょう。
とりあえず現時点では絨毯に乗らないと危険な状況です。
どうしても乗りたくないのならそれもまた自由ですが。
アラジンは乗ってくれるでしょうが、
イスラについてはアクションを起こさないと乗らないかもしれません。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!