【D-1-4】魔神への変貌
ハフィーズはセスシナングにアティファを連れて逃げるように頼む。
だが、彼女が出した答えは。
>「いいえ、それはできません」
――決して二人で逃げることではなかった。
セスシナングは言う、ハフィーズ一人ではどうしようもないことを。
そして、どこへ逃げても意味がないだろうことを。
「だとしても、ここでこのまま......!」
ハフィーズは何か続けて言おうとしたが。
セスシナングの心は固まっていた。
>「アティファさん、申し訳ありません。
> 護衛は、ここまでです」
翼を広げながらアティファに言う。
「セス、どういうこと......?」
アティファは不安げな表情でセスシナングの姿を見あげていた。
>「次会った時は、友達です。
> アラジンさんとの馴れ初め、聞かせて下さいね」
そう言うとセスシナングはファッティの姿をつかみ、空へと舞い上がる。
今この瞬間にも影の力が集まっていることがわかるだろう。
>「ハフィーズさん、アティファさんをお願いします。
> 彼女はまだ若いです。色々なことをさせてあげてくださいね」
「まさか......!」
ハフィーズがセスシナングに声をかける。
最初の10秒。
ファッティを掴んで全力で離れていく。
背後にあるアティファたちの姿が遠くなる。
――その距離約75m。
次の10秒。
贅肉で柔らかったはずのファッティを掴む手の感触が変わる。
それはまるで徐々に硬く、大きく、重く。
重さと大きさで先程のように上手く運べない。
ハフィーズの姿が少し小さくなる。
――その距離約100m。
その次の10秒。
もはやさっきまでのファッティはそこにはいなかった。
重さも大きさもセスシナングが運べる限度を超えている。
「愚かな女め。
その程度で俺を止められると思ったか?」
ファッティは巨大な魔神へとその姿を変えていた。
もはや人であった彼の姿はそこにはない。
「小賢しい真似をしてくれる。
そんなに飛びたいなら彼方まで吹き飛んでしまうがいい!」
ファッティの言葉の後。
セスシナングは強烈な勢いで吹き飛ばされる。
この勢い自体にダメージはない。
だが、どこかに追突してしまった場合は話が別だ。
ダメージを受けないためには、上手く宙で体を翻す必要があるだろう。
「ははは、これが俺の力か!
今の俺ならば容易に全てを手に入れることができよう。
まずは、そこからだ!」
魔神が笑い声を上げたかと思うと。
「きゃあ!」
アティファの悲鳴が上がる。
見れば彼女は宙に黒い球に閉じ込められていた。
「アティファ様!」
ハフィーズが手を伸ばそうとするも。
その球は宙を飛び、魔神の手元に収まってしまう。
「貴様......王女殿下を返せ!」
ハフィーズが魔神のもとへ向かおうとするが。
それを阻むのは二人の護衛だ。
彼らに道を阻まれ、ハフィーズは向かうことができない。
「貴様はそこでそいつらと遊んでいるがいい。
俺は今から宮殿を、全てを手に入れに行くとしよう」
魔神となったファッティはアティファを奪ったまま宮殿に向かっていく。
「くっ......邪魔だ!
――セスシナング殿、貴女に頼みがあります。
あの魔神を追ってください、すぐに!
貴女の命を危険に晒すかもしれませんが、それ以外......ないのです」
魔神の背中を追いながらハフィーズはセスシナングに言う。
今すぐアティファを攫った魔神を追いかけて欲しいと。
だが、一人で追いかけるということはハフィーズの言う通り危険かもしれない。
ハフィーズも目の前の二人を片付けたら追いかけるつもりなのだろう。
彼は護衛共よりは幾らか手練であるが......敵はその分数が多い。
セスシナングはハフィーズに加勢するか。
それとも彼の願い通りにファッティを追いかけるか。
今、選択を委ねられている。
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あんみつ@GMより
こちらセスシナングのルート進行です。
少しの間のみファッティを運ぶことができましたが、
その代わりセスシナングは吹き飛ばされます。
セスシナングは【風の翼】を3R分消費します。
魔神の姿のファッティに魔物知識判定が可能です。目標値は13。
成功すれば今のファッティは『無敵』『不死身』な感じであることがわかります。
距離決定用2D6のダイスを1回お振りください。
ダイスの出目*10mがセスシナングの吹き飛ばされる距離です。
同時にダイスの出目*3点の物理ダメージを受けます。
このダメージは受身判定もしくは防護点で軽減可能です。
【風の翼】を再度使用するならば、ダメージを0に変更可能です。
アティファを奪った魔神のファッティは宮殿に向かい、
ハフィーズの行動は護衛二人に阻まれました。
セスシナングは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ファッティを追いかける
・ハフィーズに加勢する
ファッティを追いかけるを選択した場合は2D6の予備ダイスを1つお振りください。
ハフィーズに加勢するを選択した場合は戦闘になります。
戦闘についてはオート戦闘形式(ver3)で処理します。
詳細は【3-著者解説】の該当欄をご確認ください。
位置は以下のようになっております。
② 10m ③ 10m ④ 10m ⑤ 10m ⑥ 10m ⑦ 10m ⑧ 10m ⑨ 10m ⑩・ハフ・正A・正B 10m ⑪ 10m ⑫
セスシナングの距離は決定ダイスの出目と同じ数字の位置から始まります。
戦闘の発生に対し、皆様は必ず以下の3つを行ってください。
・先制判定用ダイス(目標値14)
・6つの戦闘スタイルから1つの選択
・2D6の戦闘処理用ダイスを5~15個
カスタム行動で以下のようなものをご記述いただいても構いません。
・敵キャラクターを狙う順番
・状況毎の詳細な行動宣言(選択したスタイルより優先します)
・PCの行動順
・移動距離
・MPや魔晶石、各種消費アイテムなどの使用度合い
などなど
【2-登場人物】に【NPCデータ:ハフィーズ】について登録しておきます。
ハフィーズは《攻撃》を選択します。
カスタム行動として以下の4つを設定します。
・基本的にセスシナングの後に行動します。
・HPの一番少ない敵を《斬り返しⅡ》で攻撃します。
・HPが30以下になった場合はポーションインジェクターを使います。
・練技は魔晶石から使います。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!