怪しい商人さんの登場です。
>「とはいえ、失礼ながらよく知らない相手に護衛を任せるのには不安が......」
やはり、無理がありましたか。
では一体どうしましょう。
>「それに、そもそもアティファ様がここの住人のような者と......」>「ハフィーズ、さっきの言葉忘れたの?」
私はまたおろおろしていました。
このままでは埒があきません。
埒...拉致...そうだわ、と。
あまりよくない考えを閃きかけた頃、また人がやってきました。
>「おや、王女殿下に近衛兵長殿ではありませんか。
> こんなところで珍しいことですな」
ハフィーズさんとは全く雰囲気が違い、お腹の大きな方です。
服装も豪奢なもので、どうやらかなりの資産家さんのようです。
彼は二人の護衛を引き連れていました。お二人とも中々お強いようです。
>「ファッティさん、あなたもどうしてこんなところに?」
この商人さんはファッティさんと言うらしいです。大変分かりやすい名前ですね。
ではどこかにスレンダさんという方もいらっしゃるのかしら...?
しばらくはそんな事を考えていましたが、
彼の話を聞いている内に私は気が付いてしまいました。
彼は話し方こそ丁寧ですが、腹に一物を抱えています。体型の事ではありません。
あの笑みには何か良からぬものを感じます。
>「ところで、私は富で解決できるならばそれが一番だと考えていますが。
> 実力行使が必要であれば、それも仕方ないことと考えているのですよ」>「何が、言いたいのですか?」
>「私は、価値のあるものや美しいものを愛しているのです。
> 例えば、そう......宮殿に眠る宝物の数々や。
> 見目麗しきアティファ様のようなね」
そして、隠していた物が少しずつ、正体を現してきました。
私はハフィーズさんと共にアティファさんの前に立ちました。
つまり、このファッティさんはアティファさんを狙っている。
その為には実力行使も厭わない、という事です。
危険な、方です。
ですがこの状況で私たちの方から手を出す訳には行きません。
私は一つ、試すことにしました。
『パックさん、パックさん、ちょっと出てきてくださいますか』
耳飾りに付いている、碧の宝石に呼びかけます。
宝石の輝きが増していきます。
『呼ばれてー飛び出てーじゃじゃじゃじゃーん!』
するとこの状況には不相応な、楽しげな声と共に、帽子をかぶった小さな男の子が輝きの中から現れました。
彼が風の妖精パックさんです。
パックさんは私の周りをふわふわと回りながら浮かんでいます。
時々尻尾を引っ張ろうとしてくるので、振って追い返します。
『やっとこっちに出られたぜー。
ずっと見てたけどさー、楽しそうなことしてんじゃん。オイラも混ぜてくれよなー』
パックさんは、私の契約している風の妖精では最高位です。
いつもいたずらばかりしている子ですが、実力は確かです。
今はマナの力を少し分け与えて、実体のみをここに保っている状態ですが、
より多くの力を使えばこちらの世界に完全に召喚することも可能です。
「自己紹介が遅れてしまいました。
初めまして、私妖精使いのセスシナングと申します。
そして―」
ファッティさんに自己紹介をします。
自己紹介は基本です。
「こちらはお友達のパックさんです。
彼はとても声が大きいんですよ。
どれくらいかと言いますと、例えば―」
私は、裏路地から微かに見える立派な宮殿を見上げました。
「そうですね。
『姫様を狙う不埒な方がいる』と向こうの宮殿まで伝えられる位、ですね」
パックさんが微妙に戸惑った顔をしている気がします。
本当にやってくださいとお願いするような事態にはなりませんから、大丈夫ですよ。
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○PL
ファッティのせいでお姫様をさらって逃避行する予定が狂ってしまいました。おのれい。
という訳で、いつ使おうか迷っていたフェアリーウィッシュを使って、パックを召喚します。
(MP-1)
正直妖精の描写の仕方があんまりわかっていません。
変なことするようなら、パックのウィンドボイスで宮殿に通報しますよって感じで牽制します。
こんな事言ってなんですが、正直ウィンドボイスで宮殿に声を届けるのは無理だと思っています。
なので、セスの言ってる事は出まかせもいい所です。
でも妖精使いってあまり一般的に浸透してないみたいですし、ファッティさんがいい感じに真に受けてくれる事を願います。
でもイスラさんフェアリーテイマー持ちでしたっけ。だったらある程度知識があってもおかしくないですねー。
ファッティさんとイスラさんは共鳴の指輪を持っているのでしょう。
さすがに10万ガメル近くの価値がある物を放置したりはしないと思いますので、
多分ファッティさんはイスラさんから指輪を回収するために、この後皆さんの所に行くと思います。
そのついでにこちらに護衛をけしかけていく感じかしら。
魔物知識はぎりぎり成功。
ニカ 魔物知識 2d6 Dice:2D6[3,1]=4 +6=10
※フェアリーウィッシュの行使ダイスを忘れていたので追記します。
発動しました。
ニカ へありーういっしゅ 2d6
Dice:2D6[6,5]=11