空へ。
>「魔神の指輪よ!
> 我に貴様の持つ願いを叶える魔神の力を与えよ!」
これは、いけません。
その指輪が何をもたらすものかは分かりません。
しかし、良くない物だという事だけは分かります。
照っていたはずの空が、黒く染まって、彼へと集まっていきます。
過ぎたる力を求めし者の末路は、その全てが暗澹たるものでした。
私の半身の姿が頭の隅に微かに浮かんだ時。
>「セスシナング殿......といいましたか」
>「先程はああも言いましたが。
> このような状況であればあれこれ考えている暇はないでしょう。
> どうか、アティファ様を連れてお逃げください。
> さあ、早く......!」
「いいえ、それはできません」
私は即答しました。
「あの方と護衛の方2人、貴方だけで対処することが出来るのですか?
それに、この状況ではどこへ行っても安全とは言えないでしょう」
魔神の指輪でしたか。それの力がどれくらいかは分かりませんが、
あの方は宮殿を手に入れると言っていました。
この国一つ、掌握できるほどの力が有ると彼は確信しているのでしょう。
その力が発動した時、この街にどれ程の被害が出るのか...
ここは物語の世界ですが、ここに住む人々は確かにこの世界に息づいています。
止めなければいけません。
「アティファさん、申し訳ありません。
護衛は、ここまでです」
私は翼を広げると、ファッティさんの方へと飛びました。
少し毛の生えた私の翼は広げると少しだけ白い毛が飛び散ります。
「次会った時は、友達です。
アラジンさんとの馴れ初め、聞かせて下さいね」
ファッティさんの柔らかい体を掴み、そのまま空へ。
「ハフィーズさん、アティファさんをお願いします。
彼女はまだ若いです。色々なことをさせてあげてくださいね」
ファッティさんがどういう状態かは分かりません。
彼の状態を確認できるほどの余裕がありません。
それよりも、なるべく街から離れて、誰も居ない場所へ。
私は必死に翼を動かし続けました。
―――――――――――――
◯PL
私は2人を逃がして、ファッティとサシで戦うことを選びましょう。
ロボットアニメだったらこのまま自爆してそう。
風の翼発動で、ファッティを抱えて飛びます。
そのまま街から出て、なるべく街から離れた場所まで限界まで全力飛行します。
流石に200kgは超えていないと願いたい。
セスシナングは、
ファッティはそれなりの権力を持つ国賓みたいな方なのではないかと推測しており、
そんなファッティをハフィーズが殺しちゃったら、
ハフィーズの立場が危うくなるのではないかと考えています。
なので、この世界の人間でない自分が対処した方がいいだろうと考えたんですね。
また魔神の力がどのようなものかわからない以上、街から離した方が安心っていうのもあります。
PL的にはそんなセスシナングを絨毯に乗った皆様が見つけてくれないかなーと期待しています。
この行動が無理なようでしたら後ほど修正いたします。
その際は、全員で逃げます。