【D-1-1】大通りで集合を
>「じゃあ貴方ががもし重度の病気になったら、
> マスターにそれをお願いしてもらわないと治らないってことですか?」
「さあ、僕は怪我をすることも病気になることも死ぬこともないから......。
そんなこと想像もつかないな。
勿論、僕の力が封じられるようなことになったらどうなるかわからないけど」
グレースの問いかけに対してナーゼルは実感が湧かないようだ。
何しろ、彼は怪我や病気はおろか、死ぬことすらないのだという。
また、ルークがふとイスラが笑ったことについて。
>「イスラ、無表情よりも笑ったほうがいいぜ、断然そっちのほうがいい」
もっと笑ったほうがいいとアドバイスをしてみると。
彼女は不思議そうな顔をする。
「笑う、いい?
――わからない」
きっとほとんど笑うことのなかった彼女はまだルークの言う意味がわからないようだ。
でも、きっとルークたちのおかげで少しは彼女も和らいでいる。
そんな気がする。
* * *
楽しげな絨毯の空中散歩は街の異変に気づいたところで終わる。
街が、そして王女が心配だとアラジンは街に降りることを望み。
ナーゼルはそんなマスターの願いを受け止めつつ、その他の操縦者に問いかけた。
行くか、戻るか。
>「ナーゼルさんは今の現象にお心当たりがあるようですが、
> それが何か仰っていただけますか?
> もしかして...ですけど...」>「ブラックホールとか言わないでしょうね!?」
グレースは何か察したようなナーゼルに聞く。
「ブラックホール......?
それはよくわからないけど。
僕は昔あれと同じ力を見たきがするんだ。
砂漠の摂理から外れた外法の力。
欲望を喰らう指輪に宿る魔神の力だと思う」
どうやらナーゼルの心当たりは魔神のようだ。
それは先ほどイスラが漏らした魔神の像と共にあった指輪のことなのだろうか。
だとすれば、どうなるだろうか。
――どちらにせよ、冒険者たちの覚悟は決まっていた。
>「僕らはこの国に平和をもたらすためにやってきたんです。
> もちろん、僕らは PERFECT HUMAN ではありませんけど。
> でも、街が、ましてやお城が危機的な状況とあれば放置はできません。
> アラジンさんが助かっても国が滅亡する可能性はあり得ます。
> それに、僕らにはまだここにはいない仲間がもう一人います。
> 彼女がもう乗り込んでいるかもしれませんからね。」>「‥‥きっとどちらを選択しても私は相応の後悔をすると思います。
> ならば自身の心に従うまでです。街に向かいましょう。放っておける状況ではありません」>「その願い、ランプの精が叶えなくとも俺が叶えよう
>それにちょっと俺にもあの街に用ができたからな」
思い、理由、目的。
それぞれがそれぞれに異なるであろうが。
冒険者たちの答えは一つだった。
街へ向かう――それが彼らの選択だ。
「マスターもみんなもそう言うなら。
きっとこの絨毯が街まで連れて行ってくれるはずだよ。
でも、気をつけて、きっと大変なことが待っているから。
もし危なくなったら僕に願うんだ。
マスターたちの幸せが、僕の幸せなんだもの」
ナーゼルの言う通り、魔法の絨毯は街の方へと向かっていった。
より速く、さらに速く、速度を上げて。
* * *
冒険者たちを乗せた魔法の絨毯が降り立ったのは。
砂漠の街の大通りだった。
本来は活気に溢れた場所なのであろうが。
今は見事に人の姿はない――いや、ひとつだけあった。
それは魔神と相対する白竜の姿。
竜が炎の魔法を魔神に向けて弾き飛ばし。
その魔神は地面に身を倒す。
――彼女は、セスシナングであった。
「みんな、どこ行っちゃったんだよ!
アティファ......宮殿にいるのか?
オレも、オレも行かねえと......!」
アラジンはランプを持って宮殿の方へと走り出す。
「待って、マスター!」
ナーゼルもその後を宙に浮かびながら追いかけていく。
残されたのは冒険者たちとどことなく呆然とした様子のイスラ。
アラジンは何もしなければ、このまま宮殿まで駆けていくことだろう。
追いかければ追いつくことはできるだろうし。
声をかければ、足を止めてくれるかもしれない。
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あんみつ@GMより
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グレースの積み重ねにCPを1点差し上げましょう。
これでグレースはSQの達成になります。
魔法の絨毯に乗ってきた三人+αとセスシナングは合流できます。
アラジンは宮殿に向かって走っていくようです。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・アラジンを止める
・アラジンを追いかける
・アラジンを無視する
情報交換などは走りながらでもなんでもやって構いません。
他にも何かございましたらご自由にどうぞ!
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