【D-1-3】魔神化の進行
>「ナーゼルさん、どれくらいで完全に同化してしまうものなのでしょう?」
グレースはナーゼルで追加で質問する。
それはファッティがいつ魔神に同化してしまうかの確認だ。
「うーん、そこら辺までは詳しく知らないんだけど。
おそらく願いが叶って満足する瞬間じゃないかなあ。
魔神って性格悪い生き物だからね」
ナーゼルの推測だと願いが叶った瞬間に魔神に化してしまうということらしい。
>「その...それはマスターにもよるお話なのでしょうか?
> 例えばですね、ファッティさんを本当に思っている人が願ったとしても
> アラジンさんが願ったとしても、威力は一緒なのでしょうか?」
またその後のグレースの質問については。
「マスターが誰だろうと、変わらないよ。
願いの強さで変わったりする話じゃないんだ」
こんな答えが返ってきた。
* * *
アティファを救おうと気を逸らせるアラジンに対して。
>「.....一人でなんか行かせねぇよ、俺もついて行く
>それに言っただろう?俺がお前の願いを叶えてやるってな」
ルークは一人では行かせないと声をかける。
それは彼の仲間を守りたいという気持ちの表れだ。
「つってもよぉ......」
若干不満そうなアラジンに続けてルークは提案する。
>「願いは叶える、だがそれには絶対にお前が生きているってのが前提だ、だから急ぐがお前の安全を優先させてもらうぜ
>だから....隠し通路があるならそこから行くべきだと思う」>「うまくいけばファッティとやらの不意を突いてお前の好きな奴を取り返すチャンスだってできるかもしれないぞ?」
ルークの提案は隠し通路から向かうというものであった。
それを使えば、指輪の魔神の裏をかくことができるかもしれない。
>「皆で同じ道を行きましょう。そうですね、
> 正面から行くのは色々とリスクはあるでしょうし。」>「そうですね、上手く行けば不意を付けるかもしれません」
ルークの提案には皆、賛同したようだ。
アラジンもルークの話を聞いて。
「わかった、ルークのことを信じるぜ。
アティファのこと......絶対に助けような!」
セスシナングから髪飾りを受け取りつつ。
アラジンは心に決めたようだ。
そしてルークたちは決してアラジンにだけ声をかけたわけではなかった。
信じていた主にいきなり捨てられ、更にその主が魔神に変貌して王国を襲っている。
そんな状況に放り投げられたイスラのこともまた、見捨てなかったのだ。
>「認めたくないんだったら俺の手を取れ、お前と一緒に抗ってやるよ
>誰がどう言おうと、それもあのファッティとやらがなんと言おうと俺はお前の味方になってやる一緒に言いたいことを言いに行こうぜ
>仲間を俺は絶対に捨てねぇ、それだけは信じてくれるだろう?」
ルークは正面からイスラに真っ直ぐな言葉を投げかけて。
>「貴女が、仲間という存在、
> お金で買えない大切なものの存在をぼんやりとでも理解できたように、
> 彼もまた、お金や名誉ではなく、もっと大事なものの存在が
> 解っていないだけなんだと思います。
> 僕は、彼を救いたいんです。一緒に行きましょう、というか来て欲しいんです。」
グレースは自分がファッティを救いたいと考えている旨を告げる。
>「主が誤った道に進んでしまったら、それを引き止め、正しい道に戻すのも従者のお役目ですよ。
> 貴方はまだ、ファッティさんのお側にいたいのでしょう?」
セスシナングもかつての自らの経験から、主に対する心構えを語る。
それぞれの言葉を聞いたイスラは。
「容易く、男の手、取るな。
――そう、教えられた」
そう言ってどちらの手も自ずから取ることはなかった。
「でも、気持ち、受け取った。
私、信じる」
ただ彼女は心を決めたようだ。
それはグレースが最初にイスラとあった時と同じ。
いや、それ以上に強い瞳の煌めきを浮かべて。
「私、ファッティ様......救う、必ず。
だから、行く。
――共に」
イスラはどうやら同行してくれることになったようだ。
ファッティを救うために。
「おっし、じゃあ話は決まりだな。
城まで通じる隠し通路はこっちだ!
急いでついてこいよ!」
話がまとまるのを確認すると、アラジンは街のバザーの方にダッシュで向かう。
そこに隠し通路があるのだ。
* * *
隠し通路には仄かに明かりがあった。
万全とは言わないが、魔法の明かりなしでもなんとか進むことができるだろう。
「ここから城の廊下に出られるんだ」
アラジンの言う通り、石壁を押すと。
どうやら隠し扉になっていたらしく、そこから外へ出ることができる。
外に出るとそこは城の廊下の一角だった。
異国風で煌びやかな内装は美しいものではあったが。
世界を覆う影に囚われた現況では、魅力半減というところだろうか。
「あ、あいつは......!」
「あれが、ファッティ様?」
廊下から庭園の様子を伺えば。
中央に巨大な魔神の姿があった。
その魔神の周囲には倒れた兵の姿が幾つかある。
ひどい傷を負っている様子で動きすらしない。
――死んでいるのだろうか。
そして魔神は周囲に漆黒の球を三つ浮かせていた。
一つはセスシナングの知るアティファが。
残りの二つには見たことのない男性と女性の姿だ。
ただ立派な身なりをしていることからそれなりの人物だろう。
「王と女王。
二人を消せば、この国の全ての宝もアティファ王女も俺のものだ!
消えるがいい!」
魔神の胸部あたりが強く発光し。
王と女王だという二人を閉じ込めた球を吸い込み、そして完全に吸収する。
その黒き輝きはセスシナングにも見覚えがある。
指輪が発していた輝きだ。
「あいつ、何をしやがったんだ?」
こっそり魔神のもとへ向かいつつ、アラジンは問う。
「たぶん、指輪の中に閉じ込めたんだ。
あの中は本来魔神が封じられているんだけど。
今は見た通り、魔神は外にいるからね」
ナーゼルが語るには指輪の中に吸収してしまったのかもしれないという。
であれば、少なくとも命は今は無事なのだろうか。
「やった、やったぞ......!
これで邪魔者は全ていなくなった。
これで......俺は全てをを手に入れることができる。
俺の願いが叶ったのだ!」
魔神と化したファッティは漆黒の球に捕らえた状態のアティファを掴もうとして。
動きを止める。
そして、そのまま頭を抑えて苦しみだした。
「マズい、マズいよ。
あのままじゃ魔神に完全に同化しちゃう!」
ナーゼルが声を上げる。
「そんな......!」
イスラのスピードが上がる。
庭園が目前に近づく。
「だいぶ近づいてきたから、マスターが願えば僕が魔神に抵抗できるかもしれない。
そうすれば魔神の力を弱めながら、魔神化を少しでも抑えられる。
マスター、願うなら早く願って!」
行動を決めるのは、今だ。
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あんみつ@GMより
進行になります。
イスラは皆さんの言葉により同行を決めたようです。
どちらの手も取ることはありませんでしたが。
ルークにはHPを1点差し上げましょう。
CPはどうかな、欲しいのでしたらあげましょう。
また隠し通路を通ったことにより、時間が幾らか経過します。
それにより、以下の3つのイベントが起こります。
・数人の兵たちの死亡
・王と女王の指輪への吸収
・ファッティの魔神化進行
メインのキャラクターではない兵たちが死んだことにより、
TPを1点獲得できます。
代わりにノーリスクでランプの効果を使用可能です。
現在は庭園へ降りられる位置に降りますが、
魔神化の進行の最中のため、気づかれておりません。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ランプの効果を使ってもらう
・ランプの効果を使ってもらわない
どちらを選んでも構いません。
使ってもらうを選択する場合は2D6の予備ダイスを1つ振っておいてください。
他の部分についてもご自由に!