【D-1-4】十を零にせよ

 GM(あんみつ) [2016/09/05 21:17:00] 
 

>「アラジンさん、ランプを使ってください!」

>「僕らじゃどうにも対処できません。
> ナーゼルさんに頑張ってもらうしかないです。
> アラジンさん、お願いします。」

>「使うしかねぇか、頼むアラジン、ナーゼル」

>「アラジンさん、今ならまだ間に合うはずです!」

四人の冒険者たちはアラジンに指輪を使うよう頼んだ。
彼はゆっくり頷いて、そして。

「具体的に何すればいいのかわかんないけどさ。
 オレは願うよ、ナーゼル。
 二つ目の願いだ......あの魔神を止めてくれ!」

アラジンが願う。
二つ目の願い、魔神の力を抑えること。

「二つ目の願い......受け取ったよ、マスター。
 任せて、できる限りやってみせるから......!」

ナーゼルは胸の前で手を組み、目を瞑る。
そして聞いたことのない言葉を紡ぎ出す。

するとそれは魔神の力を弱める光となり。
その光が巨大な魔人の力を包み込む。

「この力は......!?」

魔神は光に包まれたまま振り返り。
ナーゼルを、アラジンを、イスラを。
そして冒険者たちを捉える。

「貴様、ランプの精か!
 我の邪魔をしおって......。
 もう少しで全てを食らえるところだというのに」

魔神の話し方はファッティのさっきまでのそれから更に変わっていた。
それだけ侵食したということなのだろう。

「だって、それがマスターの願いだからね。
 誰かの願いを叶えるっていう本質はそっちだって一緒でしょ?」

ナーゼルは力を維持しながら言葉を返す。

「くだらぬ。
 願いなど我が永らえるための餌に過ぎぬ。
 お前のようなただの道具には分からぬだろうがな」

「こいつはただの道具じゃないぜ!」

そんなナーゼルの言葉を切り捨てようとした魔神を。
更にアラジンが遮った。

「確かにナーゼルの力はすごくて便利だ。
 でもそれだけじゃない。
 ナーゼルはオレが幸せになれるように考えてくれてる。
 それがたとえ使命だからでも、オレはそれが嬉しかった。
 ナーゼルにはそんな心があるし、生きてるんだ。
 ......だから、ただの道具なんかじゃない、だろ?」

「ありがとう......マスター」

アラジンはナーゼルの頭の上にぽんと手を置きながら言う。

「ナーゼルと、他のみんながいるから、オレはここまで来れた。
 そこで待ってろよ、アティファ!
 絶対助け出してやるからな」

そして、魔神の傍に囚えられたアティファに声をかける。

「たいして強くないくせに......こんなところまで無理して来て。
 本当に無駄に自由で、馬鹿なんだから。
 でも......」

「――嬉しい」

   *   *   *

「つっても、オレじゃまず勝てないんだけどさ。
 オレじゃナーゼルに願うことしかできない。 
 アティファを助けたいって思ってもあの魔神をボコボコにしたりできないなんて情けないよな。
 でも、オレは今独りじゃないだろ?
 ――あんたたちに託したいんだ」

アティファに声をかけた後。
アラジンは冒険者たちに話しかける。
彼は確かに強くはない。
でも、そんな彼の願いを叶える力が冒険者たちにはある。

「あいつ、ファッティ様、違う。
 ただの、魔神。 
 ――だから、戦える」

イスラは剣を構える。
果たして魔神にファッティの意識があったなら、彼女は剣を取れただろうか。
だが、今目の前にいるのはただの魔神。
むしろファッティを救うには彼を喰らおうとする魔神を払う必要があるのだ。

「私も、戦う。
 ファッティ様の、ため。
 ――そして、お前たちの」

だから、イスラは共に戦ってくれるという。
それにもしかしたらセスシナングと別れたハフィーズもそろそろ向かってくるかもしれない。

「言ったよね、僕は100を10に抑えることはできても0にはできないって。
 その残った10を0にするのが君たちの力さ。
 だから、マスターの願いを叶えるための最後の一ピースはみんなに任せるよ。
 僕の集中が途切れたり、マスターが倒れたりすることがないうちに。
 あの指輪の魔神を止めて!」

冒険者に課された指名は二つ。
一つは魔神の力を抑えておくためにアラジンとナーゼルを守ること。
もう一つは抑えられているうちに指輪の魔神の力をゼロにすることだ。


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あんみつ@GMより

お待たせしました。
進行です。

予備ダイスは魔物知識判定に使用しました。
結果として正体は見破っています。
【魔物データ】指輪の魔神(弱体化)を登録しておきます。

距離関係については以下のようになっております。

アラ・ナゼ・後衛 5m 中衛 5m 前衛・イス 20m 指魔( 15m ハフ)

戦闘の発生に際し、皆様は必ず以下の4つを行ってください。

・PCの位置が前衛か後衛かの決定
・先制判定用ダイス(目標値15)
・6つの戦闘スタイルから1つの選択
・2D6の戦闘処理用ダイスを5~15個

カスタム行動で以下のようなものをご記述いただいても構いません。

・敵キャラクターを狙う順番
・状況毎の詳細な行動宣言(選択したスタイルより優先します)
・PCの行動順
・移動距離
・MPや魔晶石、各種消費アイテムなどの使用度合い

イスラは《攻撃》を選択します。
カスタム行動として以下の5つを設定します。

・1R目に指輪の魔神に接敵して攻撃します。
・練技は1R目から魔晶石を中心に使用します。
・2R目以降は《マルチアクション》で攻撃魔法を使用しつつ、武器で攻撃します。
・攻撃対象はもっと命中しやすい部位とします。
・魔法による攻撃と武器よる攻撃は基本的に同一の部位を狙います。

アラジンは《強化》を選択します。
カスタム行動として以下の2つを設定します。

・可能な限り指輪の魔神から離れます。
・必要に応じて【指輪の魔神の力を抑える】願いを使います。
・チャンスがあれば【火トカゲの髪飾り】を使います。

ナーゼルは《妨害》を選択します。
カスタム行動として以下の3を設定します。

・アラジンが願いを使用した場合、魔神の弱体化を再開します。
・可能な限りアラジンの傍に移動します。

・可能な限り魔神から30m以内を維持します。

ナーゼルが指輪の魔神を抑えるためには4つの条件があります。

・アラジンが気絶・死亡していない
・ナーゼルが累積30点以上のダメージを受けていない(回復した分は累積から減少します)
・ナーゼルが魔神から30mの範囲にいる
・ナーゼルが【閉じ込める】の効果を受けていない

どれか一つの条件でも満たせなくなると、ナーゼルの力の効果が途切れます。
ナーゼルは防護点は0として扱い、一部を除いた行為判定に自動失敗します。
その場合、アラジンが三つ目の願いを消費してかけ直す必要があります。
かけ直しの際はナーゼルは判定に自動成功します。

またセスシナングは1D6+1のダイスをお振りください。
1D6+1目のRの開始時にハフィーズが指輪の魔神から右手に15mの地点に姿を現します。
ハフィーズはHPが半減し、全ての魔晶石を使用しています。

ハフィーズは《攻撃》を選択します。
カスタム行動として以下の2を設定します。

・HPの一番少ない部位を《斬り返しⅡ》で攻撃します。
・HPが30以下になった場合はポーションインジェクターを使います。
・登場したRから練技をMPから使用します。

他にも何かございましたらどうぞ!