取り敢えずは情報共有です。

 セスシナング(ニカ) [2016/08/27 00:58:15] 
 

私の声に答え、パックさんの姿が現れました。
今度は透けていない、実体のある姿です。

 
『呼ばれて飛び出てー...ってこれさっきもやったっけ?
 てか、おいらこれ、実体持ってる感じ?戦う感じ?』

 
『さっきぶりですね、パックさん。
 ここにいられる間、目の前の魔神をひたすら吹き飛ばして下さい。徹底的に。
 あと、魔神たちの目も引きつけておいて下さい』

 
『りょうかーい、結構妖精使い荒いよね、セス様。
 ま、オイラの風の力、見せてやろうじゃん』

 
パックさんの両手に風の流れが集まって行きます。
私も少しでも早く、ファッティさんに追いつけるようにお手伝いしましょう。
髪飾りを手に取ります。

 
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魔神達はこちらを攻撃することはせず、ひたすら守りに徹していました。
戦いは思っていた以上に長引きましたし、思っていた以上に消耗もしました。

パックさんが消えて、私の放った炎が最後の魔神を打ち倒した時には、
ファッティさんの姿は完全に見えなくなっていました。宮殿に入ったのでしょうか。

 
そして、その代わりに姿を現したのは。
だらりと垂れ下がっていた尻尾がピン、と無意識に立ちました。

 
「あら、皆さん。お久しぶりです。お元気でしたか?」

 

ああ、ちゃんと合流出来てよかったです。本当に。
絨毯に乗って現れたのは、一緒に物語の中に入った、見知った方々でした。
その中には、知らない方も何人かいらっしゃいました。
出来れば自己紹介をしたい所なのですが、今はそうも言っていられません。


>「みんな、どこ行っちゃったんだよ!
> アティファ......宮殿にいるのか?
> オレも、オレも行かねえと......!」

>「待って、マスター!」

 
宮殿へと走っていく男性、そしてそれを追う小さな男の子。
恐らく彼がアラジンなのでしょう。
小さな男の子は人ならざるものなのでしょうか、ちょっと浮かんでいます。
ここで私は、この物語のタイトルを思い出しました。
『アラジンと魔法のランプ』。
アラジンさんの持っているランプが、本当に魔法のランプだとすれば。
あの状況を打破することが出来るかもしれません。

  
「待ってください、アラジンさん。
 宮殿にいるのはアティファさんだけではありません」

 

逆に私が冷静になってきました。
ファッティさんに対抗する手段があるかも知れないと知り、落ち着いてきたのでしょう。

 
「皆さん、ファッティさんという方をご存知でしょうか?
 彼が黒い指輪を使った途端、彼はおぞましい魔神へと姿を変え、
 アティファさんを攫って行きました。ファッティさんは今、あの宮殿にいます。
 アティファさんだけでなくこの国そのものを手に入れるつもりです」

 
一瞬、ハフィーズさんの姿が思い浮かびました。
彼は無事でしょうか。

 
「今のファッティさんには、あらゆる攻撃も効果を成さないでしょう。
 ですが。そのランプなら、ファッティさんを元に戻すことが出来るかもしれない」

 

 
えっと、ナーゼルさんだったでしょうか。
私はランプの魔神さんに声を掛けました。

 
「ナーゼルさん、
 貴方の力でファッティさんを元の姿に戻すことは可能ですか?」

 
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◯PL
セスシナングが最初に書いたほうが皆様書きやすいかと思ったので、先に投稿します。
どの選択肢を選ぶにしても情報交換はすると思いますので、
こちらの知ってることをかいつまんで説明します。
ナーゼルの名前は途中で聞いた感じで書いています。

 
私としましては止めて一旦情報交換に一票です。
ファッティがセスシナング以外の追っ手の存在をまだ知らないのは、
アドバンテージになりえるかもしれません。