抗え
正面以外の道とやらは実際にあるようだ、聞いた価値はあった。
早く向かうべきなのだろう
だが、正直に言うと―――怖い
こんな感情はちょうど...一年前だったか、死にかけたのが久しく感じる
今は物語の中だから死んでどうなるのかはよくわかっていない、でも今から強大な敵に死力を尽くして戦うのだ
怖くないはずがない
「....いや、もう未熟な俺ではない
全員守って敵を倒す」
小声で自分を鼓舞するように呟く
そうやって俺が自分自身に勇気づけているとアラジンの方も決心をつけたようだった
>「正直な話するとさ、魔神とかよくわかんねえけど怖いって思うぜ。
> オレなんて弱っちいし逃げたいって思うに決まってんじゃん。
> でも、こいつ――ナーゼルの力が役に立って。
> そのためにオレの力が必要だっつうなら、オレは逃げねえ。
> 絶対、アティファを助けてやるんだ、オレの手で。
> だって、オレはあいつのことが――好きだからさ」
「好きな奴のために体を張る、か
いいと思うぜそういうの、だがな....それも実力が伴っているのなら、だ」
自身を過信してすすめば先には死という終わりが待っている、そんなところに俺は仲間を連れて行きたくない
だから鍛練をする、だから剣技を磨く
>「んで、どうするんだよ。
> このまままっすぐ行くのか?
> それとも、隠し通路から行くのか?
> 早く決めないならオレは一人でも行くぜ。
> アティファに何があるかわかんねえからな」
焦る気持ちもわかる、手遅れで人が死ぬことは辛いからな
顔も合わせたことがないやつが死んでも辛いんだ、それがもし好きな奴だったら....なんて思うと、実際にそれが起きれば絶対に俺は後悔する
「.....一人でなんか行かせねぇよ、俺もついて行く
それに言っただろう?俺がお前の願いを叶えてやるってな」
本当に願いを叶えることができるナーゼルからしたら俺は傲慢なのかもしれない
だが仲間の願いはできるだけ叶えてやりたいと思うし、こうやって断言してやらないと不安になることがあるのかもしれない
だから俺は断言する、絶対に叶えてやるってな
「願いは叶える、だがそれには絶対にお前が生きているってのが前提だ、だから急ぐがお前の安全を優先させてもらうぜ
だから....隠し通路があるならそこから行くべきだと思う」
「うまくいけばファッティとやらの不意を突いてお前の好きな奴を取り返すチャンスだってできるかもしれないぞ?」
なぁ、と問いかけるようにみんなの顔を見渡す.....
ふと見ればイスラが呆然と立っている
俺もアラジンに言いたいことはいった、その場を離れイスラに近づく
もう心ここにあらずといった体だ
「なぁイスラ、考えることををやめるな」
考えを止めればそこですべてが止まる、生きる意味もなくなる
今のイスラはそれに近づいているように見えた
「今はファッティ....お前の主人が暴走してこんな事態になっている
それにお前はその主人に捨てられた、そうだろう?」
現実を見せる、ここで折れるようじゃ連れて行ったところで認めたくない現実に直面して壊れるだけだ
そんなことになるくらいだったらここで...死なないここで壊れないように折れてもらったほうがいい
「実際に何があってお前が主人に仕えていたかは知らない、なんで仕えていたのかも聞かない
だがな、なんで反故にされたかくらいの理由はお前だって知りたいだろう?いや、知っていたとしても納得なんてできないだろう?」
今のイスラの様子は認めたくないから考えていないって感じだ
「認めたくない、だったらその理不尽に抗ってみないか?俺たちと一緒によ」
頭をポンポンと撫でてこちらの目を向かせる、身長は...俺のほうが高いかな?
目を向かせたあとに俺は手を差し出す
「認めたくないんだったら俺の手を取れ、お前と一緒に抗ってやるよ
誰がどう言おうと、それもあのファッティとやらがなんと言おうと俺はお前の味方になってやる一緒に言いたいことを言いに行こうぜ
仲間を俺は絶対に捨てねぇ、それだけは信じてくれるだろう?」
仲間を絶対に捨てない、その証明は洞窟の出来事を思い出してくれたのならば信じてくれるはずだ
この手をとるかはイスラ次第だ、とったのならば俺は....最後まで、勝つまで戦い抜いてやる
そんな意思を目に、俺はイスラの返事を待った
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PLより
ちょっとイスラを口説くの頑張った、格好良いこと言えたかな(書いてて楽しかったです)
いやぁ私の言いたいことランキング上位をこれでいうことができたかもしれませんね、夜中のテンションなので後から見直して後悔するかもですが、とても楽しかったので後のことは考えないこととします
それと実際イスラは27歳、ルークは17歳で10歳差もあるんですよね~
アラサーを口説く高校生、こう言えばわかるでしょうか?かなり年の差があります
では皆さんで隠し通路GOですかね