道は決まった

 グレース(コルチョネーラ) [2016/08/31 21:14:54] 
 

ナーゼルさんは、同族なだけあって指輪の魔神のことをよく知っていた。
指輪の魔神に願いをかけると、心を囚われて、
元々棲んでいた魔神と同化――それが「食われる」ということのようだ。
結局、そうしないと魔神は生きて行けない。そういうことでもあるのだろう。


そして、ファッティさんがその指輪に願い、魔神に姿を変えた。
もう取り込まれてしまったのかまではわからないが、
宮殿に行くという意志があり、また野望もあるということは、
まだ完全に同化していないだろうと思う。


 「ナーゼルさん、どれくらいで完全に同化してしまうものなのでしょう?」

それによっては説得する意味もなくなってしまうだろう。
ファッティさんが別人格になったら何も通じない。


>「あのデブ野郎......ふざけやがって。
>許せねえ、アティファに手を出しやがったら、絶対に」

ファッティさんは、ちゃんと人として扱っているだろうか。
お金持ちの男性は、魅力ある女性を「所有物」のように扱うことがある。
人とのつながりの本当の意味を知らない人が野望を持つとありがちな話だ。


僕が王位についてアラジンさんに尋ねると、彼はこう答える。


>「アティファじゃないか、確か。
>そういうルールはオレ、よくわかんねえけどさ」

王女が次世代の王位に着くことは間違いないようだ。
ファッティさんには好都合である。


セスさんは僕が質問したかったことをナーゼルさんに尋ねた。

>「ナーゼルさん、
>貴方の力でファッティさんを元の姿に戻すことは可能ですか?」


>「僕だけの力だと、残念ながらできないよ。
>僕と魔神の力はほぼ同等だからね。
>でも、マスターが願ってくれるなら僕の力が魔神に勝る。 
>そうすれば、僕は魔神の力を抑えることができると思うんだ。
>だけど、それでも......僕は100を10にすることはできても0にはできないかな」


マスターの願いというのは大きな力になるものらしい。

 「その...それはマスターにもよるお話なのでしょうか?
  例えばですね、ファッティさんを本当に思っている人が願ったとしても
  アラジンさんが願ったとしても、威力は一緒なのでしょうか?」


ファッティさんを本当に救えるとしたら、
イスラさんしかいないのではないかと僕は思った。
ただ、イスラさんがランプを使える資格を満たしているかどうかはまだ確認していない。


ルークさんとセスさんは正面以外からの宮殿に侵入する経路について
アラジンさんに尋ねたところ、抜け道の存在を教えてくれた。

それからセスさんがアラジンさんに、アティファ王女を助ける覚悟について問う。


>「正直な話するとさ、魔神とかよくわかんねえけど怖いって思うぜ。
>オレなんて弱っちいし逃げたいって思うに決まってんじゃん。
>でも、こいつ――ナーゼルの力が役に立って。 
>そのためにオレの力が必要だっつうなら、オレは逃げねえ。
>絶対、アティファを助けてやるんだ、オレの手で。
>だって、オレはあいつのことが――好きだからさ」

>「.....一人でなんか行かせねぇよ、俺もついて行く
> それに言っただろう?俺がお前の願いを叶えてやるってな」

ルークさんの力強い言葉は、アラジンさんに勇気を与えるだろう。


 「僕らも一緒です。ナーゼルさんもいるんですから、どうにかなりますよ。
  それに、まだ王女にちゃんと好意はお伝えしていないんですよね?
  事件が解決したら、言うべきことは言わないと。」

僕はファッティさんを倒す、という解決はあまり望んでいない。
ファッティさんも救いたいからだ。

>「んで、どうするんだよ。
>このまままっすぐ行くのか?
>それとも、隠し通路から行くのか?
>早く決めないならオレは一人でも行くぜ。
>アティファに何があるかわかんねえからな」

アラジンさんは冒険者たちに選択を求める。

>「願いは叶える、だがそれには絶対にお前が生きているってのが前提だ、
>だから急ぐがお前の安全を優先させてもらうぜ
>だから....隠し通路があるならそこから行くべきだと思う」


 「皆で同じ道を行きましょう。そうですね、
  正面から行くのは色々とリスクはあるでしょうし。」


ルークさんはイスラさんにも声をかける。
ルークさんは、彼女に現実から目を背けず、直視し思考を止めないこと。
自分は仲間であり、味方であることを力強く伝える。
そして手を差し出した。
僕も、それは同じだ。


 「ファッティさんが大変なことになっていますが、
  彼を救うことができるのは貴女にしかできません。

  僕は正直、彼にはあまりいい印象は持っていませんでした。
  あまりにも、人の扱いが軽く、名誉とお金に拘りすぎていたためです。
  たぶん、どういう経緯かはわかりませんが、
  幼少期によほど苦労されていたのかもしれません。
  その反動もあるのでしょう。どちらにしても心が貧しいことに変わりはないです。」


僕はルークさんのように情で話すのは下手だ。
どちらかと言えば理論で押してくるほうである。

 
 「貴女が、仲間という存在、
  お金で買えない大切なものの存在をぼんやりとでも理解できたように、
  彼もまた、お金や名誉ではなく、もっと大事なものの存在が
  解っていないだけなんだと思います。
  僕は、彼を救いたいんです。一緒に行きましょう、というか来て欲しいんです。」

それから、ルークさんと同じく、手を差し出した。

 「差し出す手は多いに越したことありませんからね。」

ルークさんに向いてそう笑む。
どちらの手を取ろうが、来てくれるのであれば僕としては有難い。
少し集団見合いっぽくなってしまったけど。まあいいか。

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コルチョネーラです。

んなで裏ルートで決まりですよね。

ファッティさんは倒したいというより救いたいんです。
倒すよりも確実に難しそうなんですが。

ねるとんモードでCP狙いです。
もちろん、「選んでもらえない」ほうを狙ってますよw

イスラさんはできれば全員で誘いたいです。それくらいの難易度かもしれないので。
(※もちろんリアルは第一ですよ。そこは無理なさらず。)

ハッピーエンドのランクに影響するんじゃないかなぁなんて気がしますし。


日常でもあったんですが、ルークさんとは真逆のタイプなので
張り合い甲斐があるんですよね。
ツーショットでイラスト依頼しようか冗談抜きで考えてたりします。
月に冠する二つ名持ちですしね。