立ち上がる事は難しいですが。
>「僕だけの力だと、残念ながらできないよ。
> 僕と魔神の力はほぼ同等だからね。
> でも、マスターが願ってくれるなら僕の力が魔神に勝る。
> そうすれば、僕は魔神の力を抑えることができると思うんだ。
> だけど、それでも......僕は100を10にすることはできても0にはできないかな」
「では、残りの10は私達で何とかすればいいのですね。
私達の力を合わせれば、10を0にするなんて簡単な事のはずです」
この世界に完全なるモノなんて存在はしません。
例え、それが創られた世界の中だろうと。
私達は決して弱くはありません。
力の封じられたファッティさんなら、勝ち目は十分にあるでしょう。
問題は、そこに至るまでの過程です。
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>「正直な話するとさ、魔神とかよくわかんねえけど怖いって思うぜ。
> オレなんて弱っちいし逃げたいって思うに決まってんじゃん。
> でも、こいつ――ナーゼルの力が役に立って。
> そのためにオレの力が必要だっつうなら、オレは逃げねえ。
> 絶対、アティファを助けてやるんだ、オレの手で。
> だって、オレはあいつのことが――好きだからさ」
「そう仰ると思っていました」
私はくすりと笑い、懐から髪飾りを取り出しました。
ただの髪飾りではなく、髪飾りを模した炎の投擲武器です。
残りの髪飾りは先程の戦闘で使ってしまいました。
これが最後の1つです。
「アラジンさん、これを貴方にお渡ししておきます。
これは投げると燃える、魔法の髪飾りです。
もしかすると、貴方の身を守るのに役立つかもしれません」
本当でしたら、貴方にはもっと素敵なものが贈られていたはずなのですけれど。
それももう少しの辛抱です。
貴方ならアティファさんを取り戻せるはず。
私達はアラジンさんを守りつつ、それを助けましょう。
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>「んで、どうするんだよ。
>このまままっすぐ行くのか?
>それとも、隠し通路から行くのか?
>早く決めないならオレは一人でも行くぜ。
>アティファに何があるかわかんねえからな」>「願いは叶える、だがそれには絶対にお前が生きているってのが前提だ、
>だから急ぐがお前の安全を優先させてもらうぜ
>だから....隠し通路があるならそこから行くべきだと思う」>「皆で同じ道を行きましょう。そうですね、
> 正面から行くのは色々とリスクはあるでしょうし。」
「そうですね、上手く行けば不意を付けるかもしれません」
皆で裏口から回ることになりました。
もしかすると、ハフィーズさんとも合流できるかもしれません。
彼は無事でしょうか。
そして、私はうなだれて呆然とした表情の女性に気が付きました。
彼女はイスラさんと言い、元々はファッティさんの従者の方だったとのことでした。
恐らく、ファッティさんと初めて会った時仕事が失敗したと怒っていたことと何か関係があるのでしょう。
>「認めたくないんだったら俺の手を取れ、お前と一緒に抗ってやるよ
>誰がどう言おうと、それもあのファッティとやらがなんと言おうと俺はお前の味方になってやる一緒に言いたいことを言いに行こうぜ
>仲間を俺は絶対に捨てねぇ、それだけは信じてくれるだろう?」>「差し出す手は多いに越したことありませんからね。」
ルークさん、グレースさんがそれぞれの言葉でイスラさんに手を差し伸べます。
私は彼女と会って間もないのですが、感じ入るものはあります。
「主が誤った道に進んでしまったら、それを引き止め、正しい道に戻すのも従者のお役目ですよ。
貴方はまだ、ファッティさんのお側にいたいのでしょう?」
自分を心から慕う人の存在、
それはあらゆる財宝や力よりも価値ある得難きものです。
ファッティさんは、それに気が付いていないのです。
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◯PL
皆で裏口行きましょう。
色々かき乱してしまって申し訳ありませんでした。
それと、アラジンに『火トカゲの髪飾り』を渡しておきます。
持ってれば少しは役に立つかなーと思っています。
セスシナングもイスラさんにお話をします。
お二人共いい感じに説得出来ていらっしゃるので軽めに二言だけ。