【プロローグ-2】ケットシーの誘い
四人の冒険者はそれぞれのタイミングでグラタンに案内される。
>「あぁ、グラタン。厩はあるか?」
途中でドルネシアはグラタンに厩について尋ねる。
するとグラタンはエイスの方を見ながら答えた。
「うん、あるよ。
でもそういう話は後にしようか。
ほかにもお客さんたちが来てるんだ、そこでボクが話をするよ」
* * *
グラタンに案内されたのは計四人。
まずは透き通る体を持つキルヒア神官――スロープ。
ついでフィーの妖精剣士――ウィステァリオ。
仲良くやってきた騎手と銃士――ドルネシアとミルマ。
グラタンは彼らにこの妖精郷を訪れた理由を訪ねた。
>「ふむ、質問に質問を返すようであるが、妖精郷とは通常どうやったら来ることができるのだ?
>私が来た理由はある少女を探していたのだ、それで山を歩いていれば......ここへ付いてしまったというわけだ
スロープの目的、それは人を探すことであったことを告げる。
「うーん、その人ってきっとお客さんたちの世界の人なんだよね。
だったら、残念だけどボクはしらないなあ。
でも、もしかしたらお客さんみたいにこの世界に迷い込んできたのかもしれないね。
だったら、この世界を歩き回ればいつか会えるかもしれない。
この世界はだいぶ危険になっちゃったから、お客さんが探している人も無事だといいんだけどね」
残念ながらグラタンはエマについて知らなさそうだ。
だが、世界を巡れば手がかりが見つかるかもしれないとアドバイスをくれる。
>ときにグラタン。人間界では妖精郷は消滅したことになっているのだが、それはこちらでも認識しているのか?
>で、まあ消滅したとあっては、こちらも色々困るので少し調べにきたのだ。
ついでドルネシアは妖精郷がラクシアから消えてしまったことについて調査しに来たのだと語る。
それに対してはグラタンも少し複雑そうな顔をする。
「ボクもどうして、アラマユ様が妖精郷を隔離したのかわからないんだ。
でも、妖精王ならもしかしてアラマユ様から何か聞いているかもしれない。
妖精王はお城と一緒に湖の底に沈んでいるから、お城の管理人であるラザニアの力を借りなきゃなね。
あ、ラザニアっていうのはボクの仲間の一人さ」
グラタンも妖精郷がラクシアから切り離され、地図上から消滅した理由がわからないそうだ。
もし知っている人物がいるとすれば妖精王だけだという。
彼にあるためにはまずラザニアというグラタンの仲間に会う必要があるそうだが。
>「オレ? オレは、あれだ。その......宝探し的な?」
最後にウィステァリオは宝探しに来た旨をグラタンに告げる。
「お宝、お宝かあ......。
そうだね、<妖精王の冠>なんかはすごいお宝なのかもしれないね。
でも、さっきと同じ、冠も湖の底に沈んでいるんだ。
だからやっぱりラザニアを探さなくちゃダメだね」
グラタンが一番に思い浮かんだお宝は<妖精王の冠>であったようだ。
だが<妖精王の冠>もまた湖底に沈んでいる。
ラザニアを探す必要があるのだそうだ。
「えっと、これで一通り聞き終えたかな。
そういえば、お客さんはお友達に付き合ってきたんだよね。
いいよね、お友達とか、仲間って。
ボクにも仲間がいたんだ、六人のケットシー。
施療院の管理人ペンネ、騎獣厩舎の管理人パスタ。
魔法工房の管理人ドリア、鋼の工房の管理人ニョッキ。
転移の魔法陣の管理人フィットチーネ、そして妖精王の城の管理人ラザニア。
でも、みんなどこかに行っちゃった。
それぞれの施設もみんな湖の底さ。
だから、ボクはたまにちょっとだけ寂しくなるんだ」
グラタンの声も顔もすごく淋しそうだ。
そんな淋しそうな目で四人を見つめながら彼は言った。
「お客さんたちの目的を果たすためにはね、この妖精郷を歩き回らなきゃいけない。
お客さんたちを連れてきた転移の魔法陣がね、最近蛮族やアンデッドなんかも連れてきてて。
この妖精郷は結構危険な場所になっちゃったんだ。
でも、お客さんたちがこの宿でずっと暮らしてくれるなら、ボクがお客さんたちのお世話をしっかりするよ。
どうかな?
この場所で僕と一緒にずっと、暮らさない?
それはとってもあったかくて、明るくて、幸せだと思うんだ」
ケットシーは言う。
この宿で全ての危険から離れた平穏な生活をしないかと。
冒険者たちが頷くならば、それは永遠に続く幸せの始まり。
冒険者たちがそれでも目的の達成を望むなら、それは妖精郷での冒険の始まりになる。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
投稿が揃ったので進行致しました。
本当はプロローグで語るべきことは倍くらいあるのですが流石にたるいのでちょいカット。
必要なところは後でバックアップします。
皆さんは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・<七色猫のおもてなし亭>で暮らす
・<七色猫のおもてなし亭>で暮らさず、妖精郷を探索する旨を告げる
<七色猫のおもてなし亭>で暮らすを選択する場合は、一生を安楽に暮らすことになり、
冒険はここで終わります(・∋・)
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
次からはようやく選択や行動の余地が生まれてくるはず。