幸先......いいのか?

 ウィステァリオ(紫乃2) [2016/08/04 21:40:56] 
 

「お宝、お宝かあ......。
 そうだね、<妖精王の冠>なんかはすごいお宝なのかもしれないね。
 でも、さっきと同じ、冠も湖の底に沈んでいるんだ。
 だからやっぱりラザニアを探さなくちゃダメだね」

うは、〈妖精の冠〉なんてピンポイントな単語が出てきて、どきっとした。
なんだ。見つけたら持っていってもよさそうな雰囲気だな?

だが、それにはグラタンの仲間を探さなきゃならんらしい。

どうかな?
この場所で僕と一緒にずっと、暮らさない?
それはとってもあったかくて、明るくて、幸せだと思うんだ」

「え、いいのか!?」

もとはといえば、みんなで住めるところを探して旅に出たんだ。
妖精たちが住むのに、妖精郷以上の場所があるか?

フロウライトのやドルネシアは断ってるみたいだが、妖精じゃないやつらからしたら、
そんなに魅力的でもねーのかな。
だが、オレはフィーだ!

「賢神と名高いキルヒア様の神官をしている
皆の回復なら任せたまえ、安心してくれたまえ、治癒は何回でも行使できる」

「へぇ、さながら歩く魔晶石だな」

「リオ殿はどうする?見たところ、貴方も妖精の系譜に連なる者のようだが、ここで暮らされるか?
もし、お宝とやらを探すのなら、危険もあるそうだし一緒に行動したほうが良いと思うが」

「あー、うん。お宝なー」

お宝も気になるけど。

「なあ、グラタン。その、ここで暮らすのって、大勢でも大丈夫か?
 いや、宿じゃなくても、近くの森とかでいいんだ。
 実はオレ、家族たちと住めるところ探しててよ」

オレってすっげーツいてる!
よし、さっそくあいつらを呼んで......って、あれ?

「なあ、ここからもとの場所まで、どうやって帰るんだ?」

そういえば、さっきグラタンの仲間がどうとか、施設がこうとか言ってたな。
ま、まさか......。

はぁ~。帰るにしろお宝探すにしろ、この妖精郷を歩き回らなきゃならねーようだ。

「し、仕方ねーからいっしょに行ってやるよ」


――――PL――――
家族を連れてくるためにはフィットチーネさんを探さねばならぬというね。