幸先......いいのか?
「お宝、お宝かあ......。
そうだね、<妖精王の冠>なんかはすごいお宝なのかもしれないね。
でも、さっきと同じ、冠も湖の底に沈んでいるんだ。
だからやっぱりラザニアを探さなくちゃダメだね」
うは、〈妖精の冠〉なんてピンポイントな単語が出てきて、どきっとした。
なんだ。見つけたら持っていってもよさそうな雰囲気だな?
だが、それにはグラタンの仲間を探さなきゃならんらしい。
どうかな?
この場所で僕と一緒にずっと、暮らさない?
それはとってもあったかくて、明るくて、幸せだと思うんだ」
「え、いいのか!?」
もとはといえば、みんなで住めるところを探して旅に出たんだ。
妖精たちが住むのに、妖精郷以上の場所があるか?
フロウライトのやドルネシアは断ってるみたいだが、妖精じゃないやつらからしたら、
そんなに魅力的でもねーのかな。
だが、オレはフィーだ!
「賢神と名高いキルヒア様の神官をしている
皆の回復なら任せたまえ、安心してくれたまえ、治癒は何回でも行使できる」
「へぇ、さながら歩く魔晶石だな」
「リオ殿はどうする?見たところ、貴方も妖精の系譜に連なる者のようだが、ここで暮らされるか?
もし、お宝とやらを探すのなら、危険もあるそうだし一緒に行動したほうが良いと思うが」
「あー、うん。お宝なー」
お宝も気になるけど。
「なあ、グラタン。その、ここで暮らすのって、大勢でも大丈夫か?
いや、宿じゃなくても、近くの森とかでいいんだ。
実はオレ、家族たちと住めるところ探しててよ」
オレってすっげーツいてる!
よし、さっそくあいつらを呼んで......って、あれ?
「なあ、ここからもとの場所まで、どうやって帰るんだ?」
そういえば、さっきグラタンの仲間がどうとか、施設がこうとか言ってたな。
ま、まさか......。
はぁ~。帰るにしろお宝探すにしろ、この妖精郷を歩き回らなきゃならねーようだ。
「し、仕方ねーからいっしょに行ってやるよ」
――――PL――――
家族を連れてくるためにはフィットチーネさんを探さねばならぬというね。