ここが天の及ぶところ(略)妖精郷
「ここは、こうか?
ここの模様、ちょっと違ってないか?
これを填めるんだな?填めるぞ?」
!!
急速に薄桃色の靄が立ち込めてきた。
「ミルマ!離れるな!」
一迅の風が吹き、そこはもう元の遺跡ではなかった。
壮大な断崖と白い滝と青い湖。書物にあった通りだ。
「胡散臭い露天商だったが、その書物は本物だったようだな。」
もっとも、ここが妖精郷とは限らんが。
荷物から馬の彫像を取り出し、契約証を剥がす。軽い音を立てて、愛馬(借り物)が元の姿を取り戻す。
「窮屈だったね。エイス。」
ひとしきり首筋を撫でたあと、荷物袋を括り付ける。
「ミルマ。乗って良いぞ。」
手綱を引き、湖に吸い寄せられるように歩き出す。
「ふむ。どうやら、やはりここが妖精郷のようだな。ミルマ、あそこ。」
「おやや? もしかして、お客さんかな?」
帽子を被り二本足で立つ猫。おお、正しく、古代種妖精。
「これは、ボクからのプレゼントさ。
ほらほら、遠慮せずにかけてみて!」
言葉の意味は分からないが、このメガネは貰えるのだろうか。ケットシーに促されるままメガネを掛ける。
「ようこそ、
おお、言葉が分かる!
「そうか!ここが<天の及ぶところその悉くに並ぶ者なき叡智と、地上のありとあらゆる財宝にもってしても代え難い美貌とを兼ね備えたる偉大なる魔術師、すべての妖精たちにとっての妹にして姉、神々に愛されし者、"妖精女王"アラマユ・ハメスタガラス様が、この世に生み出した至宝、荘厳にして優美なる妖精たちのための永遠の楽園――妖精郷>なのだな!
ふむ。やはり滅んではなかったのだ!
よろしくな。グラタン。」
「あれが、妖精郷自慢の宿屋<七色猫のおもてなし亭だよ。
石橋を渡ると猫の形の看板がある。何と書いてあるかは分からない。
「あぁ、グラタン。厩はあるか?」
*** *** *** *** ***
宿には先客がいたようだ。と、思ったが石像のよ...!! う、動いた。
もう一人の客はフヨフヨしている。現地の人だろうか。
「わ、私はリーゼンの騎士ドルネシアだ。こちらは友のミルマ。以後お見知り置きを。」
お茶を入れたグラタンが戻ってきた。
「さて、何から話そうかな」
「そうだ、まずは、お客さんのことを教えてよ。
お客さんはどうしてこの妖精郷へ?」
「ふむ!実は私は騎士として世直しの旅をしているのだが、ある日、妖精郷の話を聞いたのだ。
ときにグラタン。人間界では妖精郷は消滅したことになっているのだが、それはこちらでも認識しているのか?
で、まあ消滅したとあっては、こちらも色々困るので少し調べにきたのだ。
うん?いや、あるでしょ。騎士が妖精郷で聖なる力を得るとかそういうの。
世直しに行き詰まったときパワーアップする場所がなくなると困るのよ...のだ」
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PL
改めまして、よろしくお願いします。
紫乃さんとニアミスしかけて修正して投稿。おかしな所があっても気にしない。
0:38:59 平賀@ドルネシア 導入ダイス 1d6 Dice:1D6[3]=3
1:39:04 平賀@ドルネシア 魔物知識 2d6+2 Dice:2D6[6,3]+2=11