2-短かな小夜曲
>「それじゃあグレイ、ごきげんよう!
> 縁があればまた、白雪の花が萌ゆる頃に!」
カプリはグレイに手を振って別れを告げる。
「なんやようわからんけど......またな、カプリちゃん!」
グレイは現状をよく理解していないようであるが。
流石にカプリが一人でどこかに行こうとしていることはわかったらしく。
別れの挨拶として手を振り返した。
そのままグレイは2番街のある北東へ歩き出す。
逆にカプリは西側の大通りを目指していく。
* * *
カプリが4番街の劇場方面に向けてふらふら歩いていくと。
微かに耳元に届く言葉があった。
カプリには微かな音に耳を傾ける技術もあるのだ。
「......今回の作戦は中止だそうだ。
どうやら思ったより一般人の数が多くなりすぎたらしい」
「そいつは残念だな。
ひと暴れしてやろうって思ってたのにさ。
でも何もやんなくていいのかい?」
「ああ......必要ない。
奴らが蛮族である以上機会や方法は幾らでもある。
無理せず、狙える時を狙うっていう話だろうな」
「あー、俺はその辺はよくわからねえや。
蛮族が気に入らないって気持ちはよくわかるけどさ」
「俺が聞いてる限りだと......ただ気に入らないとかの問題でない気もするが。
まあいい、現時点では俺たちが動く必要がなくなったってことだ。
お前も好きにすればいい」
「そっか、俺の好きにしていいんだな。
だったら、せっかくチケットはあるんだし聞きに行くだけ言ってみようかな。
なんだかんだ言って面白そうじゃん」
「......お前、自分が何を言っているのかわからないのか?
相手はどんだけ猫を被ろうと穢れた蛮族の連中だぞ。
馬鹿なことは言うな」
「わ、悪かったって......ただの冗談だから」
そんな会話を繰り広げた後。
彼らは街の向こう側へ繰り出していった。
――ちょうどこの場から消えようとする彼らと入れ違いにカプリは出会った。
「どっちかっていうと物事を素直に楽しめない人間の方が......。
ただの馬鹿だと思わない?」
いつの間にかカプリの隣には金色の髪の女性が立っていた。
シックなドレスを身につけている彼女の耳は細く長い。
おそらく彼女はエルフなのであろう。
「私は相手が蛮族だろうが何だろうが。
面白い見世物には行くべきだって思うわ。
だって楽しいことを多く見て、楽しいことを多く聞いて、
楽しいことを多くした人こそが人生における勝者だもの。
だから私も持ってるのよ、ほら」
彼女がカプリに示してみせたのは間違いなく、トゥルー・ソウルズのチケットであった。
「ねえ、もしあなたも聞きに行くつもりなら一緒に向かってみない?
どうかしら、かわいくて白い子猫ちゃん?」
どうやら彼女はカプリに提案したいことがあったらしい。
一人で聞きに行くのではなくて、一緒に演奏を聴きに行かないかと。
謎のエルフの女性は誘う。
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あんみつ@GMより
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場合によっては今回のみの可能性がありますが。
公演場所を目指して歩いていくと、話声が聞こえます。
聞き耳判定を行わずとも、聞こえているものとして構いません。
彼らが去ったあと入れ違いにやってきた女性に、
一緒に聞かないか誘われているようですね。
カプリは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・エルフの女性と一緒に公演に行く
・誘いは断るが公演には行く
・そもそも公演にはいかない
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
あとのところについてはおまかせします。
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よんばんがいへと進むみちのりで、耳にはいってきた会話があった。
> 「......今回の作戦は中止だそうだ。
> どうやら思ったより一般人の数が多くなりすぎたらしい」
> ......
> 「わ、悪かったって......ただの冗談だから」
しかいがうすくぼやけ、すぐにクリアになる。
水面がひっくり返るように、移した景色がそのまま反転する。
こちらには気付いていないようだったので、マフラーをくいと上げて目を細めた。
そのキナ臭さが私の琴線に、少しだけだけれど触れる。
とはいえ、私自身がトゥルー・ソウルズと関わりがある訳じゃない。
良い香りがしたからと見境なく食器を手に取るのは、些か品に欠ける。
彼らの事はひとまず追求せず、マフラーで口元を隠したまま歩を進める。
と、そこに声がかかる。
> 「どっちかっていうと物事を素直に楽しめない人間の方が......。
> ただの馬鹿だと思わない?」
くると振り返り、ドレスを纏ったエルフに目を細めて嗤いかける。
どうしてかしら、どこか懐かしさすら感じるのだけれど。
> 「私は相手が蛮族だろうが何だろうが。
> 面白い見世物には行くべきだって思うわ。
> だって楽しいことを多く見て、楽しいことを多く聞いて、
> 楽しいことを多くした人こそが人生における勝者だもの。
> だから私も持ってるのよ、ほら」
「否定しないけれど、悪食は美容に良くないんじゃないかしら。
それとも、エルフにはそんな事は関係ないの?
こんばんは、スィニョリーナ。奇遇ね。それ、私も持っているの」
ひらとチケットを取り出して見せる。
> 「ねえ、もしあなたも聞きに行くつもりなら一緒に向かってみない?
> どうかしら、かわいくて白い子猫ちゃん?」
「素敵。願ってもないお誘いだわ。きっと忘れられない夜になるでしょう。
私はカプリッチオーソ。スィニョリーナ、貴女のお名前を伺っても?」
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PL@一葉より:
ただようデイジーさんのふんいき(・∋・)
ひゅるっと公演してめでたしかと思いきや、わたしワクワクしてきましたのよ。
【エルフの女性と一緒に公演に行く】でお願いします。
カプリが4番街を目指し歩いていると。
路地裏で少々裏の有りそうな話を耳にした。
カプリがそんな彼らを無視して歩き去ろうとしたところ。
ドレスを身に纏う金髪のエルフに声をかけられた。
楽しいことは楽しんでこそ勝ち。
どうやらそれが彼女の主義であるらしい。
>「否定しないけれど、悪食は美容に良くないんじゃないかしら。
> それとも、エルフにはそんな事は関係ないの?
> こんばんは、スィニョリーナ。奇遇ね。それ、私も持っているの」
そんな彼女の台詞にカプリは言葉を返す。
ついでにチケットを見えるようにひらつかせながら。
「そうね、あなたの意見は正しい。
確かに食べ過ぎは女の敵だわ。
でも、私......生憎ただの女じゃないの。
わかるかしら、これでもそれなりの踊り手なのよ」
ステップを踏むように流麗な動き。
目の前の女性が踊り手であるのは強ち嘘ではないだろう。
ただ、決してそれだけではない雰囲気も漂わせているが。
そして彼女はカプリをステージに誘う。
理由はきっと、なんとなく気に入ったからだろう。
>「素敵。願ってもないお誘いだわ。きっと忘れられない夜になるでしょう。
> 私はカプリッチオーソ。スィニョリーナ、貴女のお名前を伺っても?」
カプリはエルフの女性の誘いを拒まなかった。
自らの名前を明かしてから、彼女の名前を聞く。
「私はデイジー・セレナディア。
あなたのことは知ってるわ。
チケットなかなか売れたみたいね。
おかげで、この街の状況がひとつ変わった。
良い方に向いたか悪くなったかはわからない......でも面白くなった気はするの」
彼女はデイジーという名らしい。
そして、彼女はカプリたちがチケットを売っていることを知っていたようだ。
もしかしたらどこかでたまたま見ていたのだろうか、それとも。
「なんて、長話をしていたらせっかくの舞台を見逃しちゃうわね。
行きましょう、荒々しい彼らの歌を聞きに」
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あんみつ@GMより
カプリルートちょっとだけ進行です。
【NPC:女性】に【デイジー・セレナディア】を登録しておきます。
本進行は新しいカテゴリにて用意します。