1-かしこい牝犬

 GM(あんみつ) [2016/05/07 01:42:50] 
 

「うん、着いたみたいだ。
 無事にコンチェルティアまで着けたのはシィノヴィアさんのおかげだよ。
 本当に助かっちゃったね」

太陽輝く朝のこと。
"花開く街"コンチェルティアの北門にシィノヴィアは立っていた。
隣にいる男性は今回の依頼人エリックである。
彼の依頼は複数回に及んでいることから......。
シィノヴィアにとってはお得意様と言えるだろうか。

依頼内容はルキスラからコンチェルティアまでの往路と復路の護衛だ。
往復だけでなくエリックが滞在する数日間も街に留まる必要があるため、長期間の依頼である。
ただ滞在費は主にエリック持ちであり、滞在中は基本的には自由に行動できる。
シィノヴィアにとってはちょっとした休暇と言えるかもしれない。

「僕と君の部屋は一つずつ、ここの3番街の宿にとってある。
 名前は――七色の調べ亭さ。
 大きな宿だから行けばわかると思うよ」

エリック曰くコンチェルティア滞在中の拠点となるのは七色の調べ亭という店らしい。
宿であると同時にコンチェルティア有数の冒険者の店である。
冒険者たちが集うという3番街の一角にあるそうだ。
有名な店らしいので迷うことはないだろう。

「帰りのことも含めてこの後の予定については宿で話すことにしよう。
 それまでは君も好きにこの街を見て回るといいんじゃないかな。
 音楽に美術、演劇に舞踊、それに文芸。
 この街は芸術の街だからね、シィノヴィアさんが気に入るものもあるんじゃないかな?」

そう言ってエリックは北門から街の中へと歩みを進めていく。
門から見えているメインストリートはヴォルディーク大通りと呼ばれている。
様々な土産物を売る店や軽い歌やダンスを味わえる観光客用の通りだ。
ザルツの人々とは少し違う雰囲気を漂わせる者たちの姿も多い。

「それじゃあ、またあとで。
 よろしく頼むね!」

エリックは大きく手を振ってから人並みに消えていく。
その姿はすぐに見えなくなってしまうことであろう。

   *   *   *

北門にはシィノヴィアが一人残された。
エリックを帰りに送る必要があるため、あまり遠くにはいけないが。
この街での過ごし方は概ねシィノヴィアの自由であろう。

「あら、すみませんが......。
 お姿を拝見したところ、そこの貴女は冒険者ではありませんか?」

ふと、シィノヴィアの後ろから声がかかる。
知的で大人びた喋り方だ。

振り向いてみれば、少し視線を下げたところに声の発生源を見つけることができるだろう。
まず気づくのは上にぴんと伸びた大きな耳だ。
そしてその下には眼鏡をかけた茶色い犬の顔がある。

シィノヴィアに声をかけたのはコボルドの女性だった。
茶色く短めのよく手入れされた毛並みだ。
服装はきりっとしたフォーマルなものである。

「もし冒険者で間違いないのでしたら、一つお頼みしたいことがあるのですが。
 少し話を聞いていただくことはできませんか?
 勿論、タダでとは言いませんよ」

コボルドの女性がシィノヴィアを呼び止めた理由。
それはシィノヴィアに依頼したいことがあったからだという。
きちんと報酬も支払うとのことであるが......その内容はというと。

「私の知り合いが街にいるはずなんですが、どこにいるのかわからないのです。
 まったく、あまり時間はないというのに。
 ......おほん、そこでもしよければ誰かに探すのを手伝っていただきたいと考えまして。
 見たところ貴女はこの街の方ではないようですね。
 もしそうでしたらその方がきっと都合が良いかと思われます。
 私たちもこの街に来たばかりでして......。
 似たような境遇の方だと、感覚的にどこにいそうか掴み易いかと思いますので。
 それで――報酬もお支払わせていただこうと思いますが、いかがかしら?」

――人探しのようであった。
話を聞く限り、彼女は冷静に見えるが結構焦ってはいるようだ。
来たばかりの人を探すのは多少骨が折れるかもしれないが。
街中で人を探すだけであれば、おそらく危険もほとんどないであろう。
報酬も支払われるとのことであるが、どうするかはシィノヴィア次第である。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

こちらシィノヴィア用のルートです。
シィノヴィアの投稿はこちらのカテゴリにお願い致します。

【NPC:男性】【エリック・ジュべ】を登録しておきます。
今回シィノヴィアはエリックの依頼でコンチェルティアを訪れております。
現時点ではエリックと別れ、自由時間の真っ最中ですね。

【分類:地名】【七色の調べ亭】を登録しておきます。
見識判定が可能です。目標値は14
成功すれば記載されていることを把握できます。
七色の調べ亭が今回シィノヴィアの拠点となります。

エリックと別れた後、シィノヴィアはコボルドの女性に話しかけられます。
人探しを依頼したいようですね。
話してみれば、意外とあせあせしていますね。

シィノヴィアは次の行動を選択してください。

具体的なものは以下の2つです。

・コボルドの依頼を受ける
・コボルドの依頼を受けない

他にも何かございましたらお好きにどうぞ!

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 シィノヴィア(紫乃) [2016/05/08 21:33:21] 
 

>「うん、着いたみたいだ。
> 無事にコンチェルティアまで着けたのはシィノヴィアさんのおかげだよ。
> 本当に助かっちゃったね」

「いえ」

シィノは同行しただけ。それが牽制になった可能性も否めないが。
護衛というものは、有事のための保険。
いずれにしても、何事もないに越したことはない。

エリック殿に雇われてたどり着いたのは、コンチェルティアという町。
ルキスラからさほど遠くはないが、初めて来た。

仕事は往復の道の護衛。
エリック殿が街で用を済ませるまでは、暇になる。
エリック殿を待つ間の滞在費は負担してもらえるうえに、すでに宿も手配してあるという。

「恐れ入ります」

>「帰りのことも含めてこの後の予定については宿で話すことにしよう。
> それまでは君も好きにこの街を見て回るといいんじゃないかな。
> 音楽に美術、演劇に舞踊、それに文芸。
> この街は芸術の街だからね、シィノヴィアさんが気に入るものもあるんじゃないかな?」

「そう、ですね」

芸術。
生きるために必要なものではない。
しかし、人が生きる中でつないで来たモノの形であり、人の心をとらえるモノ。

>「それじゃあ、またあとで。
> よろしく頼むね!」

エリック殿はすぐに人ごみにまぎれた。
夜に宿へ戻りさえすれば、あとは自由に過ごせるらしい。

どうする。特別したいことはないが。
目新しいものが多い街なので、歩いているだけでも楽しめそう。
何をするにしても、まずは何か食べたい。

>「あら、すみませんが......。
> お姿を拝見したところ、そこの貴女は冒険者ではありませんか?」

冒険者。
旅行客などきれいな身なりの人も多い中で声をかけられて、シィノのことかと振り向いた。

耳。

すぐに目の高さを修正すると、そこにはひとりのコボルドがいた。
健康そうな毛並みに、きれいな服装。
街でたまに見かけられる、普通の雇われコボルドとは少し雰囲気が違う。

>「もし冒険者で間違いないのでしたら、一つお頼みしたいことがあるのですが。
> 少し話を聞いていただくことはできませんか?
> 勿論、タダでとは言いませんよ」

お困りのようだ。
うなずいて、了承の意を示す。

内容は人探し。
シィノもこの町は初めてなので不案内なのだが、同じような立場のほうがいいと言われた。
そう言われたら、そういうものかもしれないと思う。

「シィノはシィノヴィア。
 別の方からの仕事を受けてこの町へ来ているので多少の制限はありますが、滞在中は暇です。
 それを了承していただけるなら、力になりましょう」

とりあえず、このコボルド嬢の探し人が夜までに見つかればそれでいい。
日をまたぐようなら、宿に戻ったときにエリック殿と話しあおう。

「お知り合いとは、いっしょにここへ来たのですか?
 それとも、別々に?」

いっしょに来ていてはぐれたのなら、はぐれた場所まで案内してもらう。
反対に、別々に来たのなら、どこかで待ち合わせる約束をしていたはず。

「探し人の容姿も教えてください。
 できれば、性格や好みも」

ほかに、必要な情報は。

「あなた方は、何をしにこの町へ?
 どこか目的の物や場所があるなら、その付近を探しましょう」


――――PL――――
GMさん、ラプンツェルに引き続きお世話になります。
よろしくお願いします!

一葉さんははじめまして。柑橘さんとキャスパーさんはお久しぶりです。
別ルートですが、いったいどこでつながるのか楽しみです!

さっそくわんわんお! コボルドちゃんだった!
いちおう人格あるわんこですので、問答無用でもふるわけにもいかぬ......。
なんか、こう、自然になでるチャンスを耽々と狙いましょうぞ。

 GM(あんみつ) [2016/05/10 22:39:37] 
 

コンチェルティアの北門で急に後ろから呼びかけられたシィノヴィア。
彼女が振り向いた先には綺麗な身なりのコボルドがいた。

>「シィノはシィノヴィア。
> 別の方からの仕事を受けてこの町へ来ているので多少の制限はありますが、滞在中は暇です。
> それを了承していただけるなら、力になりましょう」

そのコボルドに対してシィノヴィアは自らの名前と、力を貸すことができる旨を告げた。
それを聞いたコボルドの女性は嬉しそうにシィノヴィアの手を取った。
尻尾が少し揺れている。

「シィノヴィアさん......ですね。
 私はネージャ・アドミンと申します。
 ありがとうございます......勿論条件はそれで問題ありません。 
 本当に助かります」

このコボルドはネージャという名前のようだ。
そんなネージャの探している対象についてシィノヴィアは新しい情報を得ようと試みる。

>「お知り合いとは、いっしょにここへ来たのですか?
> それとも、別々に?」

まずはコンチェルティアを探している相手と訪れたかどうか。
どちらかによって、状況は結構変わってくるものだ。

「私は出発する前の街でやることがありましたので、先に行ってもらうことにしました。
 一応最終的な待ち合わせの場所と時間を決めてはいるのですが......。
 その前に幾らか伝えておきたいことがありますし。
 自由な思考の者ばかりで万が一ということも考えられますので声をかけさせていただきました。
 ――私共のような蛮族は信用が何よりも大事ですからね」

ネージャと探している対象は別々に街を訪れたようだ。
一応待ち合わせの予定はあるらしいが、念の為に先に見つけておきたいということらしい。
そして彼女の話によれば......どうやら探す相手は複数人なようではないか。

>「探し人の容姿も教えてください。
> できれば、性格や好みも」

>「あなた方は、何をしにこの町へ?
> どこか目的の物や場所があるなら、その付近を探しましょう」

そして今度は探す対象について。
それがわからなければ、探しても見つけようがない。

もう一つ目的もわかるのであれば聞いておきたくて当然だ。
何も知らないよりは効率的に探すことができる。

「実は私が探しているのは一人ではありません。
 全部合わせれば五人になりますね。
 彼らについて......ですが。
 貴女を私のようなコボルドの依頼を引き受けてくれた信用に足る人物として伝えますが。
 彼らも皆、私と同類......蛮族と呼ばれる者たちなのです」

正確な数としては、彼女の探している相手は五人になるらしい。
そして依頼人ネージャがコボルドであったことから推測できなかったことではないが......。
彼女の探している相手は全て蛮族であるようだ。

「まず一人目はソリッドという男です。
 シィノヴィアさんはライカンスロープという種をご存知でしょうか?
 彼らは基本的には人の姿をしておりますが......月の下では獣のようになるという。
 ソリッドはそれなのです、彼の場合は青い毛の人狼ですが。
 そういう種の者ですので彼は一見しただけでは他の人間の方たちと区別がつかないでしょう。
 ただ珍しい青い色の髪をしており、男性にしては比較的小さな身長ではありますね」

探している相手の一人目。
それはソリッドというライカンスロープの男性らしい。

「もう一人、プレイヤという名の女性がおります。
 彼女はラミアでして、勿論一般的な女性の姿をしております。
 故にソリッドと同じく見た目だけでは区別がつきづらいと思われますね。
 彼女はソリッドとは対照的に赤い色の長い髪をしており、女性としては高身長です。
 それに彼らはおそらく二人揃って行動をしているかと思われます。
 実に好対照の二人なので、そう言う意味では見つけやすいかもしれませんね。
 彼らは比較的常識的なタイプなので、待ち合わせ場所には現れるかと思いますが......。
 それまではこの街の観光を楽しんでいることでしょうね。
 ソリッドの方は真面目なタイプですから、勉強に勤しんでいるかもしれません」

そしてもう一人がプレイヤというラミアの女性。
ソリッドとプレイヤは全体的な印象が対照的であり、同行している可能性が高いという。

「三人目はリズム。
 蛮族の中では弱きものと言われるウィークリングの女性です。
 彼女の場合はミノタウロスのものなので......力自体は強いのですが。
 ミノタウロスというのは角が特徴の種族ですので、彼女は茶色い髪の上に大きく派手な帽子を被っています。
 服装自体は露出が大きなものですね、彼女の体はセールスポイントの一つでもありますし......。
 リズムは私たちの中では一番の武闘派でして......武器や体を動かすことが好きなタイプですね。
 もう少しプレイヤのように女性らしい方がいいと思うのですが、そういうところが好まれることも多くて。
 ――少し話が逸れましたね。
 これがリズムの大体の特徴です」

三人目はリズムという女性らしい。
ミノタウロスの血を引いているからか、ワイルドなタイプなようだ。

「四人目はスラップというラルヴァの男性ですね。
 彼の特徴としては、銀色の髪とやや青白く感じられる肌ですかね。
 ナイトメアと呼ばれる種に近いかもしれませんが、瞳は赤く鋭いです。
 スラップは男にしては長い髪をしていて、細い体格から遠目では女性のようにも見えますね。
 ただ彼は無類の女性好きでして、常に誰かを側に置いておかないとダメなタイプです。
 なので、可憐だったり魅力的だったりする方が多い場所にフラフラ立ち寄っているかと」

そして四人目はスラップ――ラルヴァの男性だ。

「最後の五人目はヴォイス。
 彼はドレイクなのです、尤も魔剣を持たないタイプではありますが。
 白い髪で街中ではゆったりとしたフードを身に着けていますね。
 正直彼は考え込み出すとフラフラと居なくなってしまうタイプで......。
 どこにいるかという検討はあまりつきません。
 ただどちらかというと静かな場所にいるのじゃないかと思います」

最後の五人目はヴォイスという人物。
ネージャ曰く、魔剣を持たないドレイクであるらしい。

「これまで、一通り探している五人について述べてきましたが......。
 私たちがこの街を訪れた目的を聞かれておりましたね。
 勿論この街で何か事件を起こそうなどとは考えておりません。
 私たちは言うなれば、音楽団なのです。
 ――私自身はどちらかというと裏方ですが。
 ですので、この度はしばらくこの街で厄介になろうかと訪れた次第です。
 ここは芸術の街として知られる場所でもありますので」

そして彼女たち六人がこの街を訪れたのは......。
音楽団である彼女たちにとっての巡業ということであるらしい。

「勿論、この街の方とは既にお話を通しております。
 お陰で2番街にある上等な宿を用意していただいたみたいでして。
 劇場の艶花亭という宿です。
 私はそこで待っていようと思いますので、もし見かけたら宿に来るように伝えていただけないでしょうか。
 最後の一人を見つけたときは一緒に来て頂ければ、お礼の方をさせていただきます。
 ――他に何か聞きたいことはございますか?」

そしてネージャたちの拠点は2番街にある劇場の艶花亭という宿であるらしい。
その宿に五人を連れてきて欲しいというのが簡単な依頼内容だ。

もしこれ以上ネージャに聞きたいことがなければ、
このままコンチェルティアの街に繰り出して人探しに出発できるだろう。
コンチェルティアの各区画の大体の特徴はエリックから聞かされている。
さて、まずシィノヴィアはどこへ行こうか。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

シィノヴィア進行です。
説明シーンなんで仕方ないんですが長くなりました。

【NPC:女性】【ネージャ・アドミン】を登録しておきます。
また【分類:地名】【劇場の艶花亭】を登録しておきます。
彼女からの依頼は五人の蛮族の仲間を探してきて欲しいというものです。
見つけたら艶花亭を訪ねるように告げて欲しいそうですね。
彼女に更になにか聞いておきたいことがあればどうぞ。

シィノヴィアは次の行動を選択してください。
具体的なものとしては【分類:コンチェルティア】にある各箇所から、
行きたいところ、調べたいところを一つピックアップしてください。

他にも何かございましたらお好きにどうぞ!

 シィノヴィア(紫乃) [2016/05/11 22:13:23] 
 

>「実は私が探しているのは一人ではありません。
> 全部合わせれば五人になりますね。
> 彼らについて......ですが。
> 貴女を私のようなコボルドの依頼を引き受けてくれた信用に足る人物として伝えますが。
> 彼らも皆、私と同類......蛮族と呼ばれる者たちなのです」

蛮族。それも、5人も。
これだけを聞くと、とても好ましい情報には思えない。
しかし、冷静になれ。
よからぬことを企んでいるのなら、わざわざシィノに声はかけまい。
この聡明そうなネージャ嬢なら、なおさら。
賢者が愚者を装うのは簡単だが、愚者が賢者のフリをするのは難しい。
とりあえず、心配はなさそうだ。

そうなると、次に問題になるのは......。
5人。
いや、1人だけだと思ったのは確かにシィノの早とちりかもしれないが。
5人。

「少し待ってください。......どうぞ」

5人分も覚えきれないので、メモを取りながら聞く。

1人目はソリッド殿。青い髪の小柄な男。
それに同行している可能性のある、背の高い赤毛のプレイヤ嬢。
リズム嬢は派手な帽子。活動的な性格らしい。
長い銀髪がスラップ殿。女性の多い場所を探すか。
最後に、フードをかぶっているヴォイス殿。おそらく静かな場所を好む。

どうせ5人とも、正体がばれないように人型をしているのだろうから、このさい種族は置いておく。
それにしても、よくこれだけ取りどりにそろったものだ。

>「これまで、一通り探している五人について述べてきましたが......。
> 私たちがこの街を訪れた目的を聞かれておりましたね。
> 勿論この街で何か事件を起こそうなどとは考えておりません。
> 私たちは言うなれば、音楽団なのです。
> ――私自身はどちらかというと裏方ですが。
> ですので、この度はしばらくこの街で厄介になろうかと訪れた次第です。
> ここは芸術の街として知られる場所でもありますので」

巡業か。
たしかに、これだけ蛮族のそろった一団がひと所に留まるのは難しいのだろう。
街の有力な者とも話はついているようだし、シィノが気にすることはなさそうだ。

ふむ。音楽団ということは、ソリッド殿はそれに関係する場所にいるかもしれない。
忘れないうちにメモに足しておく。

ネージャ嬢は宿で待機するという。
探している人たちと入れ違いになっても面倒なので、シィノもそれがいいと思う。

「さしあたっては、これでいいです。
 何かあれば、艶花亭を訪ねます。
 では、後ほど」

いま一度、メモを確かめる。
エリック殿が街の様子を話すのを、聞いていてよかった。

ソリッド殿が音楽を勉強するなら、4番街だろうか。
にぎやかな場所なら、おそらく3、4番街と大通り。
広場は......街の中心だから人は多いと思うが、どうだろう。
静かな場所へ行きたいなら、1番街あたりか。

1番街はここから近い。
まずは神殿や静かな路地をのぞきながら、ヴォイス殿を探すことに決めた。

 ―*―*―*―

各神殿を訪ねながら、ヴォイス殿と思われる人を探す。
しかし、神殿はローブ姿の人が多い。うかつだった。
"ゆったりとしたフード"が、見分けのつくものならいいのだが。


――――PL――――
1番街で、主にヴォイスっぽい人に気をつけながら探します。
まずは神殿と、その道中の静かげな道を。
神殿は中にいる人をぱっと見て回るだけですが、シーン神殿ではきちんとシーン様にごあいさつしていきます。