1-青の城の傍で
>『Curren』
そう登場人物の欄に名前を残したのは――ハイマンの乙女カレンであった。
彼女は確かに他の仲間たちと共に同じ欄に名を残し。
光の中へとその身を溶け込ませていったのだが......。
* * *
光から抜け出たとき......彼女はたった一人だった。
すぐ傍にはいくつかの木が生えていてちょっとした林のようになっているようだ。
ふと彼女は違和感を覚えるだろう。
彼女はいつの間にか桃色の栞を握り締めていたようだ。
栞には文字が描かれている。
見た覚えのない文字――強いて言えば魔法文明語に近い文字であるのだが。
何故かカレンには理解することができた。
本の世界の魔力だろうか。
とりあえず栞にはこうあった。
『物語の登場人物には各々の役割がある。
桃の栞を手にした者よ。
世界の中で愛の物語を紡げ......』
* * *
木と木の間から見えるところに――青い屋根と灰色の壁の建物があった。
なかなかの大きさをしたその建物は城と呼ぶことができるかもしれない。
ちょうど林は城の入口から見て右手の方にあるらしく。
カレンの位置からは城門の様子がよく見えることだろう。
カレンがその入口に気づく頃。
ゆっくりとその扉が開かれてひと組の男女が姿を現した。
一人は栗色の肩までかかる髪をしたまだ若い女性だ。
白いドレスを身に纏っているからかシルエットは清楚に見えないこともないが。
彼女の顔立ちはどちらかというと溌剌としたものだ。
そしてもう一人はというと――正直に言うといい感情は持ちにくい相手であった。
熊のように大きな体。
厳格そうな顔つき。
そして何より目立つのは青い髭。
彼こそが物語の主題となっている青髭と呼ばれる男であろうか。
そんな隣にいると噛み合わない歯車のように見える二人であるが。
カレンには聞こえないながらも微笑ましく会話をする二人の様子から。
それなりに睦まじい仲ではないかということも推測できる。
恐ろしい顔つきをしているように見えた青髭の男も。
よくよく見れば優しげな表情をしているではないか。
――少しの会話を終え、男は城から出て丘を降りていく。
そうだ......この青い屋根の城は丘の上に建っているのだ。
女の方はそんな彼を手を振って見送った後。
腕にかごを提げてカレンの方に向かってくる。
そういえばカレンの周りにある幾つかの木には美味しそうな実がなっている。
このまま林の中にいれば彼女と出会うことになるだろう。
いっそお先に彼女に声をかけてもいいかもしれない。
勿論彼女をやり過ごして青髭の男を追いかけることだってできるだろう。
斥候としての腕がカレンになくとも。
向かってくるのはどう見てもただの女性なのだから。
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あんみつ@GMより
カレンはお一人こちらのルートです。
物語的には主役たちのいるゾーンです。
神官一人だと狙いやすそうでいいよね、なんて(・∋・)
カレンは現在城の傍の林にいます。
林から見える景色は本編の通りです。
各PCに共通して【MQ:物語を完結させて外に出る】を課します。
セッション終了までになんらかの明確な終わりを迎えていないと失敗になります。
尤も終わり方についてはどんなパターンでも問題ございません。
応募時のダイスの出目はSQの決定に使用します。
カレンの出目は4だったので、【SQ4:ロマンス・オーサー(RPを5点以上取得する)】となります。
その他などは以下の通りです。
====================================
SQ1:ヒロイック・オーサー(HPを5点以上取得する)
SQ2:コメディ・オーサー(CPを5点以上取得する)
SQ3:トラジェディ・オーサー(TPを5点以上取得する)
SQ4:ロマンス・オーサー(RPを5点以上取得する)
SQ5:サポート・オーサー(SPを5点以上取得する)
SQ6:バランス・オーサー(各ポイントを1点以上取得する)
====================================
カレンはSQの証として【桃色の栞】を手にします。
【分類:道具】に【桃色の栞】を登録しておきます。
カレンは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の3つです。
・女性に対して能動的もしくは受動的アクションを取る
・青髭に対して能動的もしくは受動的アクションを取る
・両者ともやり過ごす
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
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「はい。ロセウスさんもエクセターちゃんもネスさんもフィンさんも。もちろんポチさんも。
きっとすぐでしょうけど、物語の中でお会いしましょう」
それぞれが、それぞれの名前を記し。光に包まれながらそんな言葉を交わした筈なのに‥。
「‥ひとり、ですか‥」
そう。光が去って、わたしの周囲は森‥いや、林と呼べるくらいでしょうか、木立の中です。
そして、少なくともわたしが感知できる範囲には、ロセウスさんもエクセターちゃんもネスさんもフィンさんもいません。
「‥てっきり、同じ所からスタートするのかと思ってましたけど‥」
まあ、そんな事を言っていても始まりません。
まずは自分に出来ることをしましょう。
とは言え、わたしに何が出来るでしょうね?
と途方に暮れかけた所で、左手に違和感を感じます。
これは栞‥?
覚えの無い持ち物ですが、わたしが握っていたという事はこの物語に何か関係のある物なのでしょう。
裏には愛の物語を紡げ、とあります。
「ふふ‥愛の物語、ですか。リルズ様はこんな所で試練を与えて下さるのですね」
それにしても、愛の物語だなんて。まだ少尉ともそんな事が何も無いのに‥いえ、それは今は関係無いですね。
良いでしょう、やりましょう。
栞に書かれた一文を読みながらそんな考え事をしていたら、木立の間から見えた向こうに変化がありました。
というか、何かお城の様な建物がありますね。あんなのにも気付かなかっただなんて、やはり多少なり動転していたのでしょうか?
そのお城の玄関‥とは言いませんか、城門がゆっくりと開き、中から一組の男女が現れます。
ここから見る限りでは、仲睦まじいご夫婦でしょうか?
女性の方は白いドレスを纏った溌剌とした感じですが。
男性の方は‥正直に申しまして、野獣、でしょうか?
体躯が大きいのは、まあロセウスさんみたいな方も身近におりますし良いのですが、厳格そうな顔と、何よりも青々とした髭。わたし、髭はちょっと苦手なんですよね‥。
まあわたしの個人的な好みは置くとしまして。
それでもその男女は微笑みを浮かべながら会話されてる様ですし、きっと外見で判断してはいけない魅力があるのですよね。
なんて思っていたら、男性の方はそのまま離れ、丘を下りて行きました。
‥ここ、丘の上なんですね‥。
そして女性の方も、城から離れてこちらへやって来ます。
バスケットを持っている所から、果物でも取るのでしょうか?
そう言えばわたしの周りの樹になっている木の実はなかなかに美味しそうですね。
さてどうしましょう。
1.男性を追いかける。
2.女性を待ち受ける。
3.どちらにも会わずに仲間を探す。
3番がとても魅力的ですね。ですが、何の手掛かりも無い現状ではいささか非現実的です。
1番は‥正直、ちょっと怖いですね。先程、女性の方と話されてた時は優しげな表情(かお)をされてた様にも見えましたけど、それがわたしにも向けられるとは限りません。
それに、今はわたし独り。万一の時の防衛手段がありません。
という事で2番ですね。待ち受けるよりは、こちらから話しかけましょうか。
「こんにちは。申し訳ありませんが、迷い込んでしまった様です。ここが何処なのか教えて頂けますか?
あ、わたしはリルズ様にお仕えしているカレンと申します」
様子を窺っていた場所から少しお城の方へと歩き、女性がわたしに気付く前に話しかけてみます。
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PL こるべっと
まさかのソロルート!・゚・(ノД`)・゚・
1人なのにセリフが多めなのは寂しさを紛らわせるためです。決して錯乱したんけではありません(
若干の惚気(にもなってない)を挟みつつ、女性に声を掛けます。
林の中で独りぼっちのカレン。
そんな彼女のもとへと向かってくる女性に対して。
>「こんにちは。申し訳ありませんが、迷い込んでしまった様です。ここが何処なのか教えて頂けますか?
>あ、わたしはリルズ様にお仕えしているカレンと申します」
自ら話しかけるという手段でカレンは応じた。
林の中から急に人が現れたことに相手側は驚いたようだが。
すぐにその顔に愛嬌のある笑顔を浮かべ言った。
「あらあら、迷ってしまったなんて大変。
ここは丘の上のお城よ。
リルズ様......聞いたことがない名前ね。
あなた、もしかして遠い海の向こうから来たの?」
彼女の雰囲気の通り、その声も実に朗らかだ。
「私はスール。
丘を下っていけばいずれは街に着くけれど......。
結構時間がかかっちゃうのよね。
迷い込んだっていうことはきっと歩き回って疲れているでしょう?
よかったら私の部屋で休んでいかない?
ちょっとしたお茶やお菓子ならご馳走するわ」
彼女の名前はスールというのだという。
そしてスールはカレンを城の中に招いてくれた。
迷い込んだというカレンのことを案じてくれているのだろう。
「本当はあの人の許可を取ったほうがいいのかもしれないんだけど。
男の人を連れ込むわけじゃないし問題ないわよね。
あ、でももし来るなら少しだけ......。
そうね、木の実をとり終わるまで待ってて」
* * *
そう話して彼女は木の実を摘みに行く。
カレンがスールの誘いに乗ろうと乗らなかろうとそれは変わらない。
もし手伝ってあげれば、彼女の用事は早く終わることだろう。
木々に成る果実にスールは手を伸ばしていく。
まんまるくそして艶やかな見た目。
赤い色をした木の実はなかなかに美味しそうだ。
......それはまるで血のような赤さにも見えなくはなかったが。
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あんみつ@GMより
カレンルート進行です。
【NPC:女性】に【スール・アジュール】を登録しておきます。
カレンはスールにお呼ばれしております。
カレンは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・スールの招待を受ける
・スールの招待を受けない
ここでの選択でメインNPCが定まります。
木の実採りを手伝ったりはお好きにどうぞ!
他にも何かございましたらご自由に(*´∀`*)
>「あらあら、迷ってしまったなんて大変。
> ここは丘の上のお城よ。
> リルズ様......聞いたことがない名前ね。
> あなた、もしかして遠い海の向こうから来たの?」
わたしの、咄嗟の嘘に対して親切に対応してくださいますね。少し心が痛みます。
それにしても、リルズ様をご存知ないだなんて・・あ、そういえばこの本の中は童話の世界。
もしかしたらまだリルズ様がお生まれになってないのかもしれません。
>「私はスール。
> 丘を下っていけばいずれは街に着くけれど......。
> 結構時間がかかっちゃうのよね。
> 迷い込んだっていうことはきっと歩き回って疲れているでしょう?
> よかったら私の部屋で休んでいかない?
> ちょっとしたお茶やお菓子ならご馳走するわ」
「スールさん、ですか。そうですね・・ではお言葉に甘えさせて頂きましょう」
何かある・・と決まったわけではないでしょうけど、外でいるよりはお城の中に居た方が物語は進みやすいでしょう。・・もっとちゃんとフィンさんの説明をしっかり聞いておくべきでしたね。
>「本当はあの人の許可を取ったほうがいいのかもしれないんだけど。
> 男の人を連れ込むわけじゃないし問題ないわよね。
> あ、でももし来るなら少しだけ......。
> そうね、木の実をとり終わるまで待ってて」
「あ、でしたらわたしも手伝いますよ。
ひとりでやられるよりは早く終わるでしょうし」
さてさて。赤い実ですけど・・赤いですね・・。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
PL こるべっと
お言葉に甘えましてお城へ突入なのです!
そのお礼じゃないけど、木の実とるの手伝いますよ!
* こるべっと@カレンさんが入室しました。
23:20:36 こるべっと@カレン 2d6+7 木の実 Dice:2D6[1,4]+7=12
* こるべっと@カレンさんが退出しました。
>「スールさん、ですか。そうですね・・ではお言葉に甘えさせて頂きましょう」
カレンはスールの誘いに乗ることにしたようだ。
「そう?
それならちょうど良かったわ。
一人だと退屈だなあって思ってたところなのよね。
よかったらあなたの暮らしていた場所のことでも聞かせてちょうだい」
カレンが誘いを承諾してくれたことでスールは嬉しそうだ。
確かに丘の上のこんな城に一人でいるのは退屈してしまうかもしれない。
また、スールが木の実を採り始めると......。
>「あ、でしたらわたしも手伝いますよ。
>ひとりでやられるよりは早く終わるでしょうし」
カレンは木の実採りの手伝いを申し出た。
当然スールから帰ってきた答えは。
「ありがとう!
カレンに手伝って貰えるなら助かるわ!」
とびっきりの笑顔で感謝してくれるだろう。
スールの傍でカレンが木の実を摘む。
真っ赤なその実は通称ブラッドフルーツと呼ばれるものだ。
口の中に含めば優しい甘みが広がり、栄養もある果実として知られている。
だが、この木の実にはひとつだけ不気味な噂もある。
――血の流れた場所にしか育たないというものだ。
* * *
それからちょっとの間二人は木の実を採り続けた。
と言っても二人がかりの作業なので大した時間はかからない。
「これくらいでいいかしら。
手伝ってくれたお陰で早く済んだわ。
じゃあ、城の中に入りましょう!」
木の実で詰まった籠を手にスールは城の方へと向かっていく。
カレンがその後へ続けば、彼女が扉の前で立ち止まるのが見えるだろう。
そこでゴソゴソと何かを探す仕草をするスールが手にしたのは......鍵束だった。
おそらく城の入口の扉を開けるための鍵だろう。
カレンが鍵束を眺めていると、一つの不思議な点を見つけるだろう。
鉄製の鍵の中、ひとつだけ赤黒い色をした鍵があるのだ。
スールはその鍵に特に気を留めず、扉の鍵を開き。
「よし、開けたわよ。
じゃあ、ほらほら早くこっちに......さあ!」
扉の前でカレンを手招きする。
スールの傍――城の正面から見つめてみると。
なんだか......青い屋根が少し陰鬱に見えたかもしれない。
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あんみつ@GMより
カレンのルート進行です。
カレンのメインNPCは【スール・アジュール】で確定しました。
【分類:生物】に【ブラッドフルーツ】を登録しておきます。
とりあえず次回からお城に入って本格的に内容が始まることでしょう。
その他は何かございましたらご自由に(*´∀`*)
>「そう?
> それならちょうど良かったわ。
> 一人だと退屈だなあって思ってたところなのよね。
> よかったらあなたの暮らしていた場所のことでも聞かせてちょうだい」
1人?さっき一緒にいた男性は・・ああそうか、今は出かけてますもんね。そういうことですよね?
「わたしの話もですけど、スールさんのお話しも聞きたいです。こんな立派なお城に住んでるんですもの、きっとわたしが知らない様な事ばかりなのでしょうね」
やんわりと自分の話を拒否しながら、この世界(童話の世界?)の情報を集めようとしてみましょう。
・・わたしなんかの話術で収集できるかわかりませんけど。
>「ありがとう!
> カレンに手伝って貰えるなら助かるわ!」
「・・あ、これブラッドフルーツですね。甘くて美味しいですよね」
樹からもぎ取り、手に取って少し観察する。実際に見たことはないけど、何かの本で読んだことがあったはず。
ちょっと良くない噂もありますけど、都市伝説程度のものでしょう。
色が鮮やかできれいだったりすると出てきそうな噂ですし。どこかの国では「死体の上に咲く桜はきれい」だとか言いますしね。
・・噂、ですよね?
籠いっぱいになるほどブラッドフルーツを取って、もうこれくらい、とその手を止め。スールさんの後をついてお城へと向かいます。
スールさんは扉の前で鍵の束を取り出し鍵を開けます。
・・
その束の中に、何か赤黒い鍵もあった様に見えましたけど・・きっと、古い鍵で錆びてるのでしょうね。
>「よし、開けたわよ。
> じゃあ、ほらほら早くこっちに......さあ!」
「はい、お邪魔します」
手招きしてくれるスールさんに応じ、わたしも続きます。
それにしても、他のみんなはどこにいるんでしょう?
わたしがここのお城で少し休んでいる間にここに来てくれると助かりますけど・・その可能性は低いでしょうか?
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PL こるべっと
自分の事は話さない方向でむしろ話を聞きに行くスタイルでありますっ
本文では具体的な事は書いてないですけども、世間話程度におおよその時代背景だとか生活のランク?(上流だとかそういうの)を聞き出したく。聞けない様ならそれで構わないですー。
あと、赤黒い鍵というのが、錆なのかそれとも他の要因でそんな色なのか調べれるようなら調べたいですけど、手に取って見るまではするつもりないので、ダメなら良いです。判定しても良いなら後程追記しますー。