E1-薔薇と……

 GM(あんみつ) [2016/01/23 22:33:55] 
 

エレミアの奮起の魔法はシオン、そしてキリエの心を燃え上がらせた。

>「ルガアァァッ!」

シオンは内に流れるドラゴンの血を沸き立たせて、猛攻を加える。

>「さて、我々の技芸、お楽しみいただけたでしょうか。
> 御代はモノマニア様のお命一つで十分故、どうぞこの一撃を御見納めになりました暁には・・・」

そしてもうフラフラと倒れそうなその頭部をキリエの銃弾が撃ち貫いて。
――モノマニアは完全にその意識を閉ざした。

   *   *   *

「あたし......ううん。
 あたしたち、勝ったのよね?
 ――父さんに......勝ったのね」

そう漏らしてエレミアは絨毯の上にへなへなと座り込んだ。
目の前にいるのは気絶したバジリスク。
エレミアの父としてのかつてのモノマニアの姿はそこにない。
ただ血で絨毯を染めた獣が横たわっているだけ。

>「さ、エレミア、後はあんたの役目だ。
> ・・・親父さんと、決着付けてきなよ。」

キリエはそう言ってエレミアの肩をポンと叩きながら煙草に火をつける。
ここからは、エレミアに任せるというところだろうか。

「うん、そうね......」

エレミアはゴーレムを後ろに下がらせて。
モノマニアの目の前へと歩み寄った。
ゆっくりとそこでしゃがみこんで――その手を伸ばす。

「父さん......痛かったかしら。
 当然よね、あんだけいろいろやったんだから。
 もう許してなんてもらえないでしょうね」

白い手で蜥蜴の硬い鱗を撫でる。
彼女の手を汚す紅はエレミアにも流れているものだ。

「ねえ、キリエ......シオン。
 もしあたしが父さんを殺さないって言ったら怒る?」

エレミアはぼんやりと立ち上がり。
ゆっくりと後ろを振り返り。
二人に向けて問いかけた。

――屋敷の中は再び静かだ。
振りかぶる音、発砲音、はじけ飛ぶ魔法。
少し前まで......あれだけ荒れていたのが嘘のように。

「――ふふ、聞いてみただけよ。
 わかってるから......何をすべきか」

そう言ってエレミアが取り出したのは短刀だった。
生きている相手に傷をつけるのは難しいだろうが。
気絶した相手に止めだけであれば十分であろう。


―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより

戦闘終了です!
思ったより時間がかかって申し訳ない。

戦闘終了を踏まえ、カテゴリの移動を行いました。

イベントボスの能力でモノマニアは気絶状態となります。

なのでモノマニアの処遇をどうするか決めてください。

具体的に例を挙げれば。

・エレミアに止めを刺させる
・キリエがモノマニアの止めを刺す
・シオンがモノマニアの止めを刺す
・モノマニアの止めを刺させない(縛るなど動きの制限は可能)
・むしろモノマニアの傷を治す(縛るなど動きの制限は可能)

あたりでございましょうか。

何もしたり、言わなければエレミアはモノマニアにトドメをさします。
ここが最後の物語の分岐点。
行動によって次かその次、少なくとも3進行以内にエンディングになるかと思われます。
最後までどうかお付き合いくださいませ。

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 キリエ(シイナ) [2016/01/24 08:02:48] 
 

「父さん......痛かったかしら。
 当然よね、あんだけいろいろやったんだから。
 もう許してなんてもらえないでしょうね」

動かないモノマニアにエレミアは語る。
さっきまで命のやり取りをしていた相手に向けるとは思えない口調でだ。

「ねえ、キリエ......シオン。
 もしあたしが父さんを殺さないって言ったら怒る?」

ゆっくりと振り返ったエレミアに問いかけられた。
まだ悩んでいるのか、それともただの冗談か、本心は分からない。

「・・・怒りゃしないよ。
 さっきも言ったけど、こっから先はあんたの役目だ、生かすも殺すも、好きにすりゃあいい。
おれはそれを見届けるだけだよ。
 ただな・・・」 

煙草の煙を一息に吐き出し、続ける。

「あんたの大切な人・・・ティム・ルーヴルの所に行こうなんて考えるなよ?」

一言だけ、釘を刺しておく。

ここから先は少し憶測、というか完全に勘だけど。
依頼を受けたときにエレミアが口走ったティムという名前。
それとエレミアの部屋に飾ってあった、エレミア自身の肖像画に書かれていたT・ルーヴルという名前。
おそらくこいつは同一人物で、エレミアの大切な人・・・恋人か何かだったんだろう。
ティムは本名なのか愛称なのかは分からないけど、それはとりあえず置いておいて。

復讐が成されたら。
成し遂げた本人はどうするのか、考えていた。
復讐を成し遂げた先にあるのは、喜びか、満足感か、それとも別の何かなのか。
人によって違いはあるんだと思う。
けど、もし、私だったら、後に残るのは『虚無感』だ。

殺してしまいたいほどに憎んで、自分を突き動かした相手はもう居ない。
周囲の人々に褒められ、称えられるような事でもない。
ましてや、奪われた大切な人が喜んでくれるか、それとも怒るのかなんて分かるわけがない

一時の満足感が去った後に残る埋められない虚無感。
その虚無感や寂しさに耐えかねて・・・ってヤツだ。

「おれに止める権利は無いけど、な。
 まだ悩んでるなら思いっ切り悩むといいさ。
 ・・・一度きりの人生だ、後悔だけはしたくない、だろ?」

その感情に身を委ねろ、お前だけの物だ。決して手放すな。人生で1度切りのチャンスだ。
ふとそんな言葉が思い浮かんだ。
私が冒険者になるきっかけになった本。
私が憧れた、かつての英雄(自称)が遺した言葉。

少し違うような気もするけど、エレミアも今、その『人生で一度きりのチャンス』ってやつが目の前にあって、そいつをどうしたいか、身を委ねる何かを必死に探してるんじゃないかなって、そう思った。

------PL

戦闘おつかれさまでした!
いやあ一時はどうなる事かと思いました。

平山さん、壁役お疲れ様です。
おかげで安心して行動できました。本当にありがとうございます。

さて、今回のキリエの行動ですが、エレミアに任せる、もっと細かく言うと、エレミアに本当に後悔のない選択をさせる、で行こうと思います。
これ以上はこっちから手は出しません。

後追いを止めるのは本心だと思います。
あと依頼人に死なれたら報酬g(黙れ

何はともあれ、お疲れ様でした。
エンディングまであと少し、精一杯楽しんで行こうと思います。

 シオン(平山) [2016/01/24 11:26:28] 
 

 キリエさんの銃撃を受け、ようやくモノマニアが倒れた。

>「あたし......ううん。
> あたしたち、勝ったのよね?
> ――父さんに......勝ったのね」

 念のために、ベク・ド・コルバンで軽く突いて反応を見る。

 うん。間違えなく、気絶している。

「グヴゥゥ」

 死ぬかと思った。一度座ってから仰向けに倒れる。

 出来ることなら、もう二度とバジリスクとは戦いたくない。しかも普通はこれに手下もいるんだよぁ......

>「さ、エレミア、後はあんたの役目だ。
> ・・・親父さんと、決着付けてきなよ。」

 タバコの匂い......キリエさんが火を付けたらしい。あんな物の何がいいのか......

>「うん、そうね......」

 エレミアさんがモノマニアに近付くのを横目で見送る。

>「父さん......痛かったかしら。
> 当然よね、あんだけいろいろやったんだから。
> もう許してなんてもらえないでしょうね」


>「ねえ、キリエ......シオン。
> もしあたしが父さんを殺さないって言ったら怒る?」

「グァ?」

>「――ふふ、聞いてみただけ。
> わかってるから」

 顔を上げると、エレミアさんは短剣を取り出していた。

 戦闘には向かないが、止めを刺すのは充分だろう。


>「・・・怒りゃしないよ。
> さっきも言ったけど、こっから先はあんたの役目だ、生かすも殺すも、好きにすりゃあいい。
> おれはそれを見届けるだけだよ。
> ただな・・・」 


>「あんたの大切な人・・・ティム・ルーヴルの所に行こうなんて考えるなよ?」

 ......それについては全く考えていなかった。

>「おれに止める権利は無いけど、な。
> まだ悩んでるなら思いっ切り悩むといいさ。
> ・・・一度きりの人生だ、後悔だけはしたくない、だろ?」


「ガゥ。グル......」

 ......。あれ? 何でドラゴン語で会話を......

「失礼......怒るも何も、個人的には人族に危害を加えないのなら、殺す理由も無いんですが......」

 それに僕はモノマニアの真意も何も判っていないのだ。

 それに、親殺し何て、させたいとは思えない。

 傷は大丈夫だが、妙に身体が重いが、立ち上がる。

「まだ、引っ掛かるなら、モノマニアとイネスさん、でしたか、そちらの部屋を見てみるのはどうですか?
 モノマニアの意図が見えるかも知れませんよ」

 しばらくは起きないとは思う。万一、起きたとしても、ここまで弱れば何とでもなるだろう。

 生かしたとして、約束を守るか、その点が少し不安だが......

「すぐに起きられる怪我では無いですし、拘束できそうな長さのロープも有りますし」

 正直、そのままで使う予定など無かったが、40メートルのロープを取り出す。
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平山です。

予想はしてたけど、バジリスクの手数が多い。

タフパワー無ければ、もっと大変だったんだろうなぁ......

モノマニアはエレミアさんに丸投げ、PL的には仲直りして欲しい。PC的も心情は仲直りして欲しいけど、人族への脅威もあるから、微妙なところ。

......しかし、記憶が正しければ、ピンゾロが4回に対して6ゾロ1回......ピンゾロはカバー出来るか悪影響が出ない部分だからよかったけど、数字的には酷い。

 GM(あんみつ) [2016/01/25 21:13:45] 
 

>「あんたの大切な人・・・ティム・ルーヴルの所に行こうなんて考えるなよ?」

もし父を殺さないといえば怒るかどうか。
そんな質問をしたエレミアに返ってきたのは――予想以上の言葉だった。

「......え、どうしてティムのことを?」

エレミアはぽかんと口を開いたまま、動きを止めた。
まるで力の抜けたその手から短剣がすり抜けて、床にぶつかる音がする。

>「おれに止める権利は無いけど、な。
> まだ悩んでるなら思いっ切り悩むといいさ。
> ・・・一度きりの人生だ、後悔だけはしたくない、だろ?」

「ありがとう......キリエ」

エレミアはキリエに感謝の言葉を述べつつも。
床に落ちた凶器を拾い上げる。
しかし、その動きはさっき以上に鈍く、緩やかだ。
頭で考えつつ動いているからであろうか。

>「まだ、引っ掛かるなら、モノマニアとイネスさん、でしたか、そちらの部屋を見てみるのはどうですか?
> モノマニアの意図が見えるかも知れませんよ」

動けない彼女にもう一つの道筋を与えたのはシオンの言葉だ。
どうしても悩んでしまうのならば......いっそ決断を先送りにしてしまえばいい。
時間はまだあるのだから。
外はちょうど月が昇り出した頃のことである。

――キリエとシオンの言葉に耳を傾けたエレミアは。
そっと短刀を再び仕舞いこんだ。

「シオンの言う通りね......。
 あたし、もう少しこの家を回って考えてみたい。
 一度きりの人生だもの――後悔だけはしたくないから」

   *   *   *

未だ目覚めぬモノマニアを一度その場に残して、三人は謁見の間を抜ける。
誰も動いていない廊下は薄暗く寂しげで――寒い。

「ねえ、どっちの部屋に行けばいいと思う?
 ――父さんか、母さんか」

モノマニアの部屋もイネスの部屋も。
どちらも一度シオンがバルレに入らないよう言われた部屋である。
だが当のバルレはエレミアの魔法により就寝中であり。
モノマニアもまたしばらく気絶から目覚めることはないであろう。

今ならどちらの部屋も自由に入れるはずだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

キリエとシオンの言葉を受けて、エレミアはもう少し考えてみることにしました。
モノマニアは縛るなりするならばご自由にどうぞ。
何もしなくても起きることはありません。

また、次回おそらくエンディングになるかと思われますので。
今のうちに剣のかけらの処理をしておきましょう。
モノマニアが生きていようと死のうと何らかの理由で相応量の名誉点を獲得できます。
今回は9個分です。お好きに振り分けをどうぞ(*´∀`*)

また最後の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。

・モノマニアの部屋へ行く
・イネスの部屋へ行く

他にも何かあればご自由に行動ください(*´∀`*)

 キリエ(シイナ) [2016/01/27 10:08:53] 
 

砂漠の夜は寒い。

屋敷の中は何かしらの魔動機械が動いているのか、震えるほどの寒さを感じるわけではないけれど。
それでも、生活の音もなく、薄ら寒さを感じていた屋敷の廊下は余計に、寂しく、薄暗い。

「・・・駄目だな、どうも落ち着ないや・・・静かすぎて、さ。」

モノマニアに止めを刺す前に、エレミアの両親の部屋を見てみようと、シオン君が提案した。
エレミアもそれに賛成して、まずはモノマニアの部屋を見てみようという事で、屋敷の廊下を歩いている訳だが・・・

戦闘が終わってから、余計にこの屋敷が静かになったような、そんな感じがする。
元々このだだっ広い屋敷には2人だけで、片方は重傷で気絶。
もう片方はエレミアの魔法でお休み中と、見事に動き回る存在が私達だけになってしまった訳で。

そんな屋敷の寂しさというか、息苦しさというか、そんなものにソワソワしながら廊下を歩いた先。
他より豪華な装飾と、屋敷の門にあったものと同じ魔動機。

・・・ここがモノマニアの部屋か。
確か、誰も入るなって言われてたんだっけ。

「私が空けるよ。シオン君は後ろを見ててくれ。
 ・・・無理はするなよ、まだあちこち痛むんじゃないの?」

弾丸の残った銃を片手にモノマニアの部屋のドアを開け放った。

------PL

剣のかけら4つ分振らせていただきましたー。
平山さん残りの5つ分お願いします。

モノマニアは倒したけど一応まだ警戒。
何があるか分かりませんからね!

10:18:00 シイナ@キリエ 剣のかけら 4dDice:4D6[1,2,3,5]=11

 シオン(平山) [2016/01/27 21:13:31] 
 

 モノマニアをどのように縛るか考えていると、ふと思い出した。

「......そう言えば、この姿で縛っても、戻れば抜けられますか、このままの方が安全か」

 今のモノマニアは人間の姿になれば抜け出せる。そもそも、すぐに気が付くような怪我でもないし、人の姿に戻っても怪我はそのままなので返って危ない。

 なら、放置でいい。ロープを背負い袋にしまい、異貌から元の姿に戻る。

 取り敢えず、行き先はモノマニアも部屋に決まった。

 

 モノマニアの部屋、魔動機が備え付けられているが、モノマニアが気絶しているので、問題は無いだろう。

>「私が空けるよ。シオン君は後ろを見ててくれ。
> ・・・無理はするなよ、まだあちこち痛むんじゃないの?」

「毒やら魔法やら散々な目に遭いましたが、痛みは一応は大丈夫です。
 問題は、自分が開けて、何か仕掛けがあったら作動してから気が付くと思うので、キリエさんが適任かと」

 自慢できることでは無いが、素直に申告しておく。

 モノマニアの部屋、何らかのいい切っ掛けが在ると良いのだが、僕が何を思おうが、最終的にどうするかを決めるのはエレミアさんなのだ。

 誰もいないとは判っているが、形だけでも周辺の警戒だけはしておく。

 ......しかし、バジリスクの部屋か、何かお宝がありそう。
__________________
平山です。

バジリスクの部屋、お宝の匂いがする。

持ち越せないので、PL的には興味ないけど、PC的には興味津々です。

21:11:14 平山@シオン 剣の欠片(5個) 5d6Dice:5D6[6,6,1,2,3]=18