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 GM(あんみつ) [2016/04/09 22:01:03] 
 

「やあ、暁の繭のみなさん。
 依頼を受けてくれてどうもありがとう。
 今回君たちに入ってもらいたい物語はこれさ」

沢山の本棚の中に囲まれたテーブルの上。
エリック五人の姿をざっと眺めてから一冊の本を広げた。
虹色の表紙が美しい魔法の童話本――七色の童話集。
今回始まるのはその中の一篇である。

――青髭という名の物語だ。

   *   *   *

事の始まりは毎度のこと、火竜の手羽先亭に一つの依頼が舞い込んだことであった。
依頼人の名はエリック・ジュべ。
童話作家として多少は名の知られている人物である。
彼は、所持している魔法の本絡みで幾度か手羽先亭への依頼を行ってきていた。
その名や依頼について耳にしたことがある者もいるかもしれない。

今回冒険者の面々が受けた依頼は、物語を紡ぐというものだった。
魔法の本の中には物語としての世界が存在している。
その世界で冒険者たちが動くことで、登場人物たちの運命が変わり。
最終的な物語が完成されることとなるだろう。
結果として生まれる物語を――エリックは見たいと思っているのだ。

今回の物語世界に挑むのはへオース・ヴォンヴィクスの面々だ。

強固な守りのリルドラケン――ロセウス。
小さくも強力な射撃兵――エクセター。
愛と癒しの伝道師――カレン。
鳥を連れた賢き魔道師――フィン。
流麗な魅力に溢れた踊り手――二ェストル。

種族も得意分野もバラバラなため、バランスのとれた彼らが物語の中に挑む。

   *   *   *

舞台をエリックの家に戻そう。

青髭と名が記されたページには、どことなく不安感を引き起こす挿絵があった。
二人の男女が描かれているだけの変哲のない絵であるものの。
どこか裏におどおどろしさを感じさせる。

そのページの隣には登場人物の名前を書く欄があり......。
そこには半端に空白の部分が広がっていた。
ちょうど五人程の名前を書けるような具合に。

「そのページに君たちの名前を描けば......。
 光の導きで本の世界へ入っていくことができるはずさ」

エリックの言葉によれば、自らの名前を書き記すことが物語へ至るための合図となるそうだ。
尤も特定の誰かが実際にサインするという行為こそが大事なのであって......。
どの言語の文字だとか、その名前が本名かだとかは一切関与しない。
七色の童話集は......記されたそのものを受け入れるのだ。

「気をつけておいて欲しいのは......一つだけ。
 一度名前を記したら、君たちは物語の結末が見えるまで外には出られない。
 でも、きっと君たちなら君たちらしい結末を導けると信じているよ」

もしペンがなければ、エリックは彼の仕事道具を貸してくれるだろう。
だが一度名前を記してしまったら、そう簡単には出られない。
何らかの入口から入ったのなら、何らかの出口から出ていかなければならない。
物語世界の出口こそ――お話の終着点なのである。

   *   *   *

それでも......きっとへオース・ヴォンヴィクスの面々はその名を記すだろう。
何よりも彼らは冒険者なのだから。
冒険が待ち構えているなら飛び込んでいかなければいけない性分なのだ。

最後の一人が自分の名前を書き終えたあと......。
待ち構えていたかのように勝手に物語の最初の一ページは捲られて。

――魔法の光が五人を包み込む。

いざ向かう先はとある丘の上の城を中心とする世界。

青髭の伯爵。
嫁いできたばかりの新婦。
彼女の二人の兄。
炎の中に佇む女性。
――そして今は見えざる影。

五人の来訪を待っている世界はどのような色をしているだろうか。


―――――――――――――――――――――――――――――――

あんみつ@GMより

それではセッションを開始させていただきます。
依頼を受けるに至るシーンはばっさりカットしました。
もちろんPCの側で好きに書いていただくのは構いません。

現在は本の世界に入る前のシーンです。
【エリック・ジュべ】『登場人物』に登録しておきます。

【七色の童話集】について見識判定が可能です。
目標値は13。成功すれば『用語目録』に記されたことがわかります。

登場人物に書く名前はどの言語で書いても構いませんし、
好きな名前を書いても構いません。
でも、よっぽど変な事情がない限り登録している名前を書く事を推奨します。

キャラクターシート作成期間は一週間後の4/16までとします。
PT内の資金の融通もご自由にどうぞ(*´∀`*)
ちなみに募集時に振っていただいた1D6は次回の進行で使用します。

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 ロセウス(りん) [2016/04/10 00:49:36] 
 

先だって、カレンと出会いパーティ結成へと至ることになったのは、ルキスラ帝国と対蛮族の最前線へと赴いたからであった。
その際帝国の兵士たちと共同戦線を張ることになり、蛮族どもに一矢報いることができた、と言ってもいいだろう。
まあ俺達が一矢報いているその裏で何やら慌ただしい動きがあったが、それはまた、別の物語だ。
戦場は鍛錬にはもってこいである。
新兵だって生きて帰れば経験者だ。


そして、綺麗な新品のままでは生きてなど帰れぬのが、最前線である。
俺は兵士ではないが、それくらいのことは分かっているつもりだ。


それはともかく、だ。
その最前線で出会った帝国の近衛兵から、銀鱗隊についての話を聞いた。
ルキスラ帝国の要人を護衛するために組織された兵団で、魔法からも仲間をかばえるという。
鍛錬は厳しいというが、うむ。
緩い鍛錬など鍛錬とは思わぬ性質なので、そこは一向に問題はない。


書いてもらった紹介状と、先の戦争で貰った剣を象った銀色の勲章とを持って、いそいそと詰所へと向かった。
それなりにこの街で冒険者としての経験も積んでいるし、それなりに俺を知る者もいるようだった。
だからかどうかは知らぬが、入隊を認められ、冒険者であることにも理解を示され、俺は彼等の仲間となった。


「というわけでな、見てくれこの綺麗な盾を!」


場所は仲間の一人、ネスの家の居間。
事情の説明とともに、銀鱗隊の象徴でもある<銀鱗の盾>を見せびらかす。
未だ銀鱗隊の秘伝――《銀鱗の誓い》も《銀鱗の矜持》も《銀鱗の魂》も、体得は出来ていないが、そう遠からぬうちに物して見せようという気概はある。
なるほど鍛錬は厳しい。
しかし、それに伴い強くなれるのであれば、俺は一向に構わぬというか、楽しいとすら思っている。


「すごいぞ、限定的ではあるが、魔法攻撃に耐性があるんだぞ!」


そう、魔法。魔法だ。
魔法な、あれはよくない。
この鱗も鎧も盾も役に立たない。


まあだからこそ、味方にいれば心強い訳だがな。


*****


PTを組んではじめての――いや、俺は先だってネスと二人で一つ仕事を終えたが、それでも、全員で一つの仕事を受けるのは初めてだ。
そのはじめての仕事は、


>「やあ、暁の繭のみなさん。
> 依頼を受けてくれてどうもありがとう。
> 今回君たちに入ってもらいたい物語はこれさ」


物語に入る、である。
そういう依頼がある、というのは聞いたことがあるような記憶がほんのりあるような気がしなくもない。
具体的にはよく覚えていない。
とりあえずいまいちよくわからんが、ネスとカレンとフィンがこの依頼を受けるというのだ、まあきっと問題あるまい。
エクセター? あいつは俺と同じ側だろう?


考えるのは、頭のいい奴の仕事だ。
俺がするのは、ただ、仲間たちを護ることだ。
仲間たちがうまく動けるように、護ることである。


>「そのページに君たちの名前を描けば......。
> 光の導きで本の世界へ入っていくことができるはずさ」


「あーすまんが、その名前を書くというのは、自分で書かなけりゃいけないのか?」


俺は字が汚い。
俺達リルドラケンは図体がでかく、他の人族サイズの紙と鉛筆だと、上手く操ることができないのだ。
いや勿論、そういうのが得手な仲間がいないわけではない。
同族にも、器用な者だっているのだ。
ただ、俺は器用ではない、というだけの話だ。


―――――
PL;


それでは皆様よろしくお願いします。


まずはGMの指定したシーンガン無視で、ネスのお家で流派装備を見せびらかしています。
ザルツ博物誌P40、<銀鱗の盾>です。
知名度はザルツ出身者が16、それ以外が19です。
魔法ダメージを減少する凄い盾です。頭のいい人たち知っていてくださいお願いします。

まあぶっちゃけこのシーンがしたいためだけの流派Ver.なので、大人しくいつもの習熟鎧ビルドにしろと言われたらしますが、あのね、流派ビルド、お金足りる。
凄い。盾お安い。
まあもう一つ上の盾にすると一気にお高くなる(5400G)んですがそっちは習熟S必要なんでもっとレベルが上です。


ロセウスの名前ですが、自分で書けよ、と言われたら(´・ω・`)って顔をしながら自分で書きます。
誰かに書いてもらっていいなら、字の綺麗な人にお願いします。


後まあたんにPLが本に書き込みするのが苦手っていうのもあってな!

 二ェストル(飛龍頭) [2016/04/10 02:21:10] 
 

連れ帰ったコボルド達が新しい場所での生活に少し、慣れた頃

なんとなく集まったリビングでロセウスが鼻息荒く、新品の盾を掲げ声をあげた。

>「見てくれこの綺麗な盾を!」

「ふむ 前にパレードでここの騎士が持っているのをみた事があるよ...
 しかし本当にきれいな盾だねぇ」

>すごいぞ、限定的ではあるが、魔法攻撃に耐性があるんだぞ!」

そういえば遺跡探しの後 衛兵の詰所に出かけていく姿をよく見かけたけれど
あれは銀鱗隊へ入門をしに行っていたのだと、今の話から合点がいった。

「そうかぁ...随分と珍しい物なんだねぇ」

確かに帝国の防衛隊に採用される盾ならば、魔法のひとつも防げないといけないのかもしれない。

「流派、ねぇ...。
 私も昔なじみに継承者がいたんだけれど...」

― 随分と人好きのする性格だったけれど、あの人はちゃんと家を継いだのだろうか?

   *   *   *

パーティーに舞い込んだ依頼。
【七色の童話集】売られているか、閲覧できる本であれば手に取った事くらいは
あるかもしれないが、生憎 くだんの本も、その作者の名前も記憶に 引っかかることがなかった。

「...有名な本なのだろうけど、よく分からないなぁ」

今回の依頼と、今までの本は関連がない。
と説明をされたのだけれど その辺りは依頼者から直接 話を聞くことにしよう。

>「やあ、暁の繭のみなさん。
bq. > 依頼を受けてくれてどうもありがとう。
bq. > 今回君たちに入ってもらいたい物語はこれさ」

『物語に入る』とは荒唐無稽だが、彼の持つ童話集は元々がそういうものであるらしいのだ。

>「そのページに君たちの名前を描けば......。
> 光の導きで本の世界へ入っていくことができるはずさ」

>「あーすまんが、その名前を書くというのは、自分で書かなけりゃいけないのか?」

「さて、どうなんだろう?  説明を聞く限りは自筆でないといけないようだけれど」
 エリックからペンを受け取り、反対側の手で登場人物欄の空白をなぞる。

>「気をつけておいて欲しいのは......一つだけ。
> 一度名前を記したら、君たちは物語の結末が見えるまで外には出られない。
> でも、きっと君たちなら君たちらしい結末を導けると信じているよ」

「決まり・・というか手順があるのだね?」

妖精使いが契約をする様に、物語に干渉するために必要な段取りがあるらしかった。

「...では、ここまで来て気後れする事もないからね」

空白に自身の名前、それが本名かどうかもわからないのだけれど を
書き入れて『物語の世界』へ招かれる時を待った。

―――――――――――――――――――――――――――――――
PL(飛龍頭)より:

みなさま よろしくおねがいいたしまするー!(しゃちほこ土下座
昔なじみ云々は本筋と一切関係なくって、単純に流派入門のため
フラグを立てているだけです。

エクセターへのおこずかいのお話とかは次で書けたらいいなぁ。

【判定ダイス】
 01:08:48 飛龍頭@ネス 2d6+4 見識:七色の童話集について Dice:2D6[4,1]+4=9
 01:09:17 飛龍頭@ネス 2d6+4 見識:銀鱗の盾について Dice:2D6[5,5]+4=14

どちらも分からなかった...。
いろいろと広く浅く読みすぎて記憶意に残ってないっぽい?出目でした。
でもでもロセウスの盾、頑張って思い出そうとしたYO!

 エクセター(あまとう) [2016/04/10 11:39:56] 
 

「というわけでな、見てくれこの綺麗な盾を!」

なにかと思ってお菓子を食べる手を止めると、ロセウスがピカピカを嬉しそうに抱えている。
どこかで見たことがあるような、無いような。でもそれがとても良いものである、事はなんとなくわかった。

「ロセウスー、そのピカピカはすごいの?」

素直な感想を言うと、あまり私自身は盾に関心はなかった。
どんな堅牢な盾であろうと銃で撃ちぬけないものはないと思っているからだ。
だが、ロセウスの返答に思わず目を丸くする事になる。

「すごいぞ、限定的ではあるが、魔法攻撃に耐性があるんだぞ!」

「えっ!?それって本当?ねぇねぇほんとほんとぉ?」

「そっかー魔法を防げるんだ...ロセウスすごいね!
 エクセター、魔法ってどうやって抵抗したらいいのかよくわかんないから羨ましいなぁ。
 ネスは神様が守ってくれてるんだっけ...うーん、みんないいなぁ」

リビングにある椅子にちょこんと座り直しつつも、羨ましそうにロセウスとネスを見つめる。
どうもルーンフォークという種族は、物理的な衝撃には強いのに対して魔法的なアプローチに弱い。
だから、私の戦い方は魔法に耐えるよりは...そもそも狙われない、やられるまえにやる。
といったものに特化している。攻撃が最大の防御という言葉は、誰の言葉だったろうか。

「うー、やっぱり防御も極めたら攻撃になるのかな。エクセターも防御を...うーん...
 あっ!ロセウスが防御を極めて、エクセターが攻撃を極めたら良いんだ!これなら無敵だね!
 ふふーん、矛盾はしないよ?エクセターは矛じゃなくて銃だもん」

上手いこと言った、みたいな顔をしながら最近購入した拳銃をくるくると手で遊ばせる。
ネスがくれたお小遣いで最近購入したこの銃も、そろそろ試してみたい。
...カレンにエクセターが銃を使える所見せてないから若干疑われてるってのもあるけど...。

----

「やあ、暁の繭のみなさん。
 依頼を受けてくれてどうもありがとう。
 今回君たちに入ってもらいたい物語はこれさ」

やはり世界はまだまだ広い。
最初はにわかには信じられなかったけど、なんと今度の依頼は本の中が舞台だというのだ。

机の上に並べられた、七色の童話集と呼ばれた一冊。
私達が向かうのは「青髭」と呼ばれる物語。

「...あおひげ?
 ねぇねぇ、フィンーあおひげってなに?おひげのお話なの?」

聞き覚えのない言葉に若干の困惑を覚えつつも隣のフィンを頼る。
フィンはすごく賢いしものしりだから、きっと知ってるという信頼があった。
ロセウス...?多分、エクセターと同じだと思う。

でも、青髭はなんというかちょっと不安になる。

「むぅ、挿絵がかわいくない...」

髭を蓄えた男のギョロとした瞳が妙な不安感を抱かせる。
強がってみるけど、夜中にお部屋において読みたいとは思えなかった。

でも依頼だし仕方がない、他のみんなも名前を記入し始めたのでエクセターも続く。

「えーと、え・く・せ・たー」

『Exeter』白紙部分にそう名前が記された。
昔はただの呼称の一つでしかなかった、けど今では違う。
この名前には今やただの言葉以上の何かがあるんだと感じた。

========================
PL・よろしくデース!

ついに始まりましたね!繭のみんなとそれなりに絡みつつ名前を記入。
ロセウスの銀鱗の盾にもタッチ。フィンに青髭のことを聞いてみたりでタッチ。
ネスからのお小遣いもソフトタッチ、お手伝いでもしたのかな?
カレンはあんまり絡めなかった!(

ちなみにエクセターは字がとても綺麗。器用度的に。

ダイス・
見識 七色の童話 2d6 Dice:2D6[1,2]=3
見識 銀鱗の盾 2d6 Dice:2D6[5,2]=7
よくよく考えたらスカウトだし、宝物鑑定ができるのでやってみるのです 銀鱗の盾鑑定 2d6+8 Dice:2D6[5,4]+8=17

指輪割ったら、19に届くよっ(割らないけど

 カレン(corbette) [2016/04/10 18:24:15] 
 
蛮族に対する反攻作戦から帰って来て。
ロセウスさんと話し合った結果、みんなと組んで行動をする事になって。これからの事をネスさんのお家で話してた時のことです。

>「というわけでな、見てくれこの綺麗な盾を!」

「‥?銀の、きれいな盾ですね。新調したんですか?」

新しい物を買った時って、それを周囲にみせたくなりますよね。ロセウスさんもそういうところがあるんだ、って微笑ましく思ってたら。

>「すごいぞ、限定的ではあるが、魔法攻撃に耐性があるんだぞ!」

との事。どうやら、普通の盾ではないようです。
普通、盾と言ったら物理的な‥剣とか槍とか、そういったものをふせぐ物だと思っていたのですけど、ロセウスさんのそれは、特別な物のようです。

「魔法も防げるだなんて、凄いですね!
でも、過信して大怪我したりとか、やめてくださいね?ただでさえロセウスさんは前に出て怪我する事も多いですし‥心配です」

あの蛮族との戦いの時もそうでした。前に出て、兵士さんやわたしを蛮族の攻撃からかばってくれて。 ‥まあ、ほとんど怪我らしい怪我はしてなかったですけど。



今回、初めて全員で同じお仕事をすることになったんです。

その依頼は、童話の中に入って物語を紡ぐこと。 とてもメルヘンですよね。童話の登場人物になれるなんて。

>「やあ、暁の繭のみなさん。
> 依頼を受けてくれてどうもありがとう。
> 今回君たちに入ってもらいたい物語はこれさ」



そう言って差し出された本は、七色の童話集の一編、青髭と言う本。



これに名前を書けば、その中に入って物語を紡ぐことが出来る。それが仕事なら、書くしかありませんね。

『Curren』

自分の字をきれいとは思わないけど、丁寧に名前を書いて。

さあ、童話の中へ参りましょう!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
PL こるべっと
よろしくお願いしますー!
そして盾も童話集もわからなかったですよ!・゚・(ノД`)・゚・
フィンに期待w

* こる@カレンさんが入室しました。 17:58:45 こる@カレン 2d6+7 銀鱗 Dice:2D6[2,5]+7=14 17:58:53 こる@カレン 知らなかったw 17:59:48 こる@カレン 2d6+7 七色の童話集 Dice:2D6[3,1]+7=11 * こる@カレンさんが退出しました。
 フィン(雪虫) [2016/04/11 00:44:09] 
 

>「というわけでな、見てくれこの綺麗な盾を!」

 だいぶダイジェストな事情説明と、振りかざされた銀色にかがやく鱗の盾。ええと、それは要するにつまり。

 ロセウスさんが、『ルキスラ銀鱗隊』に入隊した。

 僕は、ネスさんの家のリビングでのんびり飲んでいたお茶を、だーっとこぼしそうになった。
 居あわせた「暁の繭」のみんなは、それぞれがそれぞれの反応をかえしている。
 なんとなくみんな、ほんわりとのんびりした感想をのべているけれど。

 >「すごいぞ、限定的ではあるが、魔法攻撃に耐性があるんだぞ!」

 なにより、ロセウスさん本人がこんなかんじなんだけど。
 いや、魔法を防げる盾っていうのが、どれくらいすごいかくらい僕にも想像がつくけど、たぶんいちばんすごいのはそこじゃない気がする。
 だって......。

 「ろ、ロセウスさん、あの『シルバースケイルズ』に選抜されたんですか!?」

 聞くまでもない、その銀鱗の盾がその証だ。それでも聞かずにいられなかった。
 だって、彼らはルキスラ帝国軍の正規兵団だ。しかもものすごくエリート。実力主義で、ただ入隊を認められるのだって生半可なことじゃむずかしい。

 ロセウスさんの冒険者としての実績と、実力がみとめられたんだろう。これからは、要人警護の任務にもあたらなきゃならないから、いそがしくなるかもしれない。
 僕はびっくりしてしばらくぽかんと口をあけていた。
 それから、こぼすまえにカップをローテーブルに置いて、みんなに簡単に『銀鱗隊』について語った。

 「『シルバースケイルズ』といえば、表だった活動こそしませんが、ルキスラの要人警護を主にになうエリート兵団です。その証の盾を持っているっていうだけで、他国の兵士からだって一目おかれるくらいです」

 ふう、とひと息ついて、つづける。

 「ロセウスさん、これからちょっといそがしくなるかもしれないですけど、僕たちもフォローします。両立は大変でしょうけど、がんばってくださいね!」

※ ※ ※  


 >「やあ、暁の繭のみなさん。
   依頼を受けてくれてどうもありがとう。
   今回君たちに入ってもらいたい物語はこれさ」

 ちょっと薄暗い部屋のなか、膨大な本たちにかこまれて、僕たちは一冊の童話集をみつめる。

 「『七色の童話集』......」

 今回僕たちはこの本のなかのひとつの物語の世界に「入り込み」、物語をつむいでこなくてはならない。
 そういう依頼だった。

 「『青髭』か...」

 不気味なほどのひげをたくわえ、目をむいた男が、うつむく女性に一本の鍵を見せ、なにかを言いきかせている。
 異様な雰囲気の挿絵だった。

 >「...あおひげ?
   ねぇねぇ、フィンーあおひげってなに?おひげのお話なの?」

 となりのエクシーが、すこしだけ不安そうな面持ちでそう問いかける。

 「ええとね、『青髭』っていうのは、この男の呼び名でね......」

 挿絵をゆびさしながら、僕はかいつまんで自分の知る『青髭』のあらすじを語った。

 青髭とよばれる富豪がいたが、彼は何人もの妻をめとり、そのいずれもがつぎつぎに姿をくらましていた。
 あるとき若くうつくしい娘を再度めとったが、その妻に彼はこう言った。
 「お前にこの家の部屋の鍵束をあずける。どこに入ってもいいが、ただひとつ、このちいさな鍵のとびらの部屋だけには決して入ってはいけない」
 そう言って青髭は数日間家を留守にした。
 若い妻ははじめは青髭のいいつけをまもっていたが、やがて好奇心に勝てなくなり、ついにそのとびらを開いてしまった。
 その部屋のなかにあったものは...

 僕はエクシーの表情をうかがいながら、ちいさな声でつづけた。

 「部屋のなかには、いままで青髭がめとってきた奥さんたちの...死体があったんだ。床いちめん血だらけで」

 妻はおどろいて鍵を床に落としてしまった。そのときに鍵についた血は洗ってもぬぐっても取れず、やがてもどってきた青髭に禁じられた部屋へ入ったことを知られてしまう。

 「そして青髭は彼女をも殺そうとするんだけど、間一髪、彼女のふたりの兄さんたちがかけつけて青髭は殺され、彼女は助かるんだ」
 
 僕はちょっとほほえんで、こうしめくくった。

 「このお話の教訓は、『いっときの好奇心に負けて軽はずみなことをしてはいけない。とりかえしのつかない事態をまねくことだってあるから』。僕には、耳がいたいよ。けれどこれは、僕でも知ってる『青髭』の物語だ。きっと、僕たちが物語のなかに入り込んでいろんな可能性をひろげることで、まったくちがうお話ができていくんだと思う」

 依頼人のエリックさんが、自然とひらかれた本のページを指して、僕たちにうながした。


 >「そのページに君たちの名前を描けば......。
 光の導きで本の世界へ入っていくことができるはずさ」

 >「あーすまんが、その名前を書くというのは、自分で書かなけりゃいけないのか?」

 >「さて、どうなんだろう?  説明を聞く限りは自筆でないといけないようだけれど」

 すこししぶるロセウスさんに、ペンを手にしたネスさんが返す。
 僕もそっと言った。

 「きっと、本の世界に入る鍵が、『書きしるされた自分の名前』なんだと思います。この種類の魔法は...たぶんなんですけど、自分で自分の名を書いたほうが、うまく物語のなかに自分の存在を定着させられると思います」

 >「気をつけておいて欲しいのは......一つだけ。
  一度名前を記したら、君たちは物語の結末が見えるまで外には出られない。
  でも、きっと君たちなら君たちらしい結末を導けると信じているよ」

 僕はうなずいて、ページの余白にできるだけ丁寧に書いた。

 『フィン・ティモシー』

 これが僕の名。たとえ異なる世界におもむいたとしても、僕という存在をあらわすことができる、いちばん強い「まじないことば」だ。 
 準備はできた。さあ、でかけよう、物語の世界へ。 
 
――PL(雪虫)より―――

みなさま、よろしくおねがいします!


うわーんカレンさんとうまく絡めなかった!次、次にがんばる!
銀鱗の盾の見識に成功しました。買っててよかったひらめき眼鏡。もっててよかったザルツ博物誌。

『青髭』の物語はなかなかに血なまぐさいものですが、『暁の繭』がどんな物語を紡いでいけるのか、とても楽しみです!

【判定結果】
10:42:31 雪虫@フィン ≫ 見識判定 銀鱗の盾 2d6+9 <Dice:2D6[4,3]+9=16> ※フィンはルキスラ周辺地域出身です
10:41:49 雪虫@フィン ≫ 見識判定 七色の童話集 2d6+9 <Dice:2D6[5,2]+9=16>