1-ようこそ花の庭へ
>「大丈夫です。あなた方で最後なので」
もしよければ他のメンバーの搜索に協力すると言った二人に対し。
シィノヴィアは彼らで最後であることを告げた。
「あ、そうだったんですね。
それなら......ますます申し訳ありませんでした。
僕たちが最初から戻ってればもう終わりでしたのに」
ソリッドは再度その青い頭を深々と下げる。
やはり真面目なタイプの青年らしい。
>「あとはネージャ嬢に報告するだけです。
> 艶花亭まで、ごいっしょさせていただきます。
> 中央の広場を通って行ってもいいですか」
二人が最後であるため、シィノヴィアは共に艷花亭まで向かう旨を告げる。
途中で広場に寄るのは笛を吹くためだ。
「艷花亭は2番街でしたよね。
はい、僕は構いませんよ。
プレイヤさんはいかがですか?」
「私は......ぶっちゃけどうでもいい」
二人もシィノヴィアと一緒に向かうことに異論はないようだ。
* * *
シィノヴィアの希望通り、三人はまず奏での広場に向かうことにした。
そこでシィノヴィアが笛を吹いて少し待てば。
「笛の音......届いたから来た。
ソリッドとプレイヤも一緒だったんだな」
広場の反対側からヴォイスが歩いてくる。
ちゃんとシィノヴィアの音に応えてくれたようだ。
「あ、ヴォイスさん。
僕たちと一緒に向かいます?」
「......というかそうしないとまずいでしょ。
いつもフラフラしてるんだし......」
「心配されなくても俺も一緒に行く。
シィノヴィアと......約束したからな」
三人で軽く会話を交わす。
掴みどころのないヴォイスも二人に対してはまともに関わっているように見える。
これが仲間という奴だろうか。
「お待たせして済みません。
じゃあ、艷花亭まで向かいましょうか?」
会話が終わると、ソリッドがシィノヴィアに話しかけてくる。
彼女がうんと肯けば、そのまま2番街へと向かうことだろう。
* * *
――2番街。
そこは気品溢れる花の庭。
貴族や上流階級の者たちの家が建ち並ぶ。
「艷花亭はここですね」
一つの建物の前でソリッドが立ち止まる。
プレイヤとヴォイスもそれに続く。
目の前にあるのは白を基調とした美しい建物だ。
周囲にある花壇には色とりどりの花々が咲いており、優美だ。
「とりあえず僕たちはネージャさんを呼んできます。
シィノヴィアさんは中に入って待ちますか?
それとも外で待たれますでしょうか?」
ソリッドは宿の中にいるであろうネージャを呼びに行くようだ。
プレイヤとヴォイスは彼についていくつもりだろうが。
シィノヴィアはどうするとしようか。
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あんみつ@GMより
シィノヴィアは新しいカテゴリに移動します。
ここからはこちらのカテゴリに投稿してください。
広場で笛を吹けばヴォイスと合流できます。
最終的に2番街に到着します。
【分類:地名】に【劇場の艷花亭】を登録しておきます。
シィノヴィアは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・ソリッドについて行く
・2番街で少し待つ
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
あとのところについてはおまかせします。
このカテゴリに記事を投稿する際は、
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2番街......そういえば、この区画にはまだ来ていなかったかもしれない。
たしか、貴族などが住むところ。
街の様子は1番街に似ているけれど、もっと華やかで生活感がある。
>「艷花亭はここですね」
ソリッド殿が立ち止まったのは、白い建物の前だった。
その名のとおり、花が溢れる美しい宿。
>「とりあえず僕たちはネージャさんを呼んできます。
> シィノヴィアさんは中に入って待ちますか?
> それとも外で待たれますでしょうか?」
そう聞くということは、一緒に行っても問題ないのだろう。
どうせ報告に行くのだし、それならわざわざ出てきてもらうのも申し訳ない。
もし不都合があるなら、打ち合わせが始まってから席を外せばいい。
「差しつかえなけでば、中で」
>「差しつかえなけでば、中で」
シィノヴィアは艷花亭の中で待つことにしたようだ。
ソリッドらに続いて、シィノヴィアは宿の入口から通っていく。
* * *
室内も外観に劣らず豪奢であった。
宿屋というよりはまるで劇場の中のよう。
赤い絨毯が敷かれており、エントランスには綺麗なシャンデリアが吊られている。
「待ってたぜ、シィノヴィア!」
向こう側から声がかかる。
長い銀色のシルエット。
4番街で出会ったメンバーの一人、スラップである。
「もういつ会えるかここでずっと待ってたんだ。
うるさい奴しかいねーしさ。
こんなとこ面白くもなんともないから......二人でショッピングでもどうだ?」
スラップは遠慮なくシィノヴィアに近づいていき。
回り込んでそ彼女の肩に手をやろうとしたところを......。
逆にスラップの肩が誰かに掴まれる。
「うるさい奴って誰のことかな?
あたし言ったよね、シィノに迷惑かけたらぶん殴るって。
......マジで行くよ?」
スラップを睨むリズムの顔は間違いなく本気だ。
「わ、わかってるっての。
でも正直暴力ばっかじゃ女の子として扱ってもらえないぜ?
オレもお前だけは冗談抜きでパスだから」
減らず口を叩きながらもスラップはそろりそろりと後ずさり。
代わりに前に歩みだしてくるのはリズムである。
「ごめんね、シィノ。
あんたも強いんだからウザかったらぶっ飛ばしていいんだからね。
ヴォイスたちもおかえり。
あまりフラフラしてないでね、特にヴォイスは」
「俺は行きたい時に行きたい場所へ行っているだけだ。
別に......フラフラしてるつもりはないな」
そんな感じで話していると。
宿屋の向こう側からピンと立った耳が見える。
どうやらネージャがこちらに向かってきているのだ。
「シィノヴィアさん。
無事全員見つけてきていただき、ありがとうございました。
向こう側に私たちが借りている部屋があります。
そちらまでご案内させていただきますね」
ぺこりとシィノヴィアの前でお辞儀をしたネージャ。
彼女は部屋まで案内してくれるという。
まあ、フロア自体は広々としているとはいえど。
入口に集団で溜まるのはよくないだろうか。
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あんみつ@GMより
シィノヴィアルート進行です。
ぞろぞろと全員出てきます。
とりあえず次の進行で部屋の方まで通されます。
ネージャの依頼についてのまとめはそこで。
これまた、豪華な。
貴人の用心棒をしたとき、1度だけこのような宿に泊まったことがある。
寝具が柔らかすぎて落ちつかず、けっきょく部屋の隅でシーツにくるまって寝た。
>「待ってたぜ、シィノヴィア!」
さっそく。
>「もういつ会えるかここでずっと待ってたんだ。
> うるさい奴しかいねーしさ。
> こんなとこ面白くもなんともないから......二人でショッピングでもどうだ?」
きちんとここへ来ていたことには感心するが、打ち合わせはこれからだろうに。
だが、シィノが物を言う間はなかった。
>「うるさい奴って誰のことかな?
> あたし言ったよね、シィノに迷惑かけたらぶん殴るって。
> ......マジで行くよ?」
リズム嬢もスラップ殿もにぎやかな人だが、そろうとさらに増す。
楽しそうだ。
彼らの掛け合いを眺めていると、耳が見えた。
「お待たせしました、ネージャ嬢」
>「シィノヴィアさん。
> 無事全員見つけてきていただき、ありがとうございました。
> 向こう側に私たちが借りている部屋があります。
> そちらまでご案内させていただきますね」
ふむ。
宿の入り口にこれだけいれば邪魔にもなる。
それに、仕事の話ならば落ち着いて話せるところがいい。
楽団のメンバーの後ろについて、シィノも部屋へ向かった。
シィノヴィアが案内されたのは女性用の部屋であった。
ということでスラップとヴォイス、ソリッドはお留守番である。
スラップは悲しそうな目でシィノヴィアを眺めていたような気がする。
リズム曰く。
「あいつがいたら、話うまく進まないでしょ?」
とのことであったが......仕方ないといえば仕方ないだろうか。
「シィノヴィアさん。
まずはお礼を言わせてください。
貴女のおかげで早くにメンバーを集めることができました。
お陰で話だけでなく、準備の方もしっかり進められそうです」
ネージャは一つの椅子にシィノヴィアが座るよう促したあと。
自分もデスクの向こう側に腰掛ける。
リズムはベッドの上にどすんと座り。
プレイヤは興味なさげに窓際に立ち、外の景色を眺めていた。
「さて、シィノヴィアさんの働きに対してお礼をせねばなりませんね。
まずはこちらを受け取ってください。
あまり多くはありませんが......どうぞ」
ネージャは今回の依頼に対して報酬を支払ってくれるようだ。
彼女が差し出したのは革袋である。
開けば800ガメル程入っているだろうか。
「それと、こちらはお礼に相当するかわかりませんが。
私たちの本日の公演のチケットです。
もしよければ受け取ってください」
次にネージャから手渡されたのは一枚の紙切れ。
トゥルー・ソウルズという一団が行う本日分の公演のチケットだ。
「もし、シィノに時間があったら来て欲しいな。
来て損はさせないよ!」
ベッドに腰掛け足をぶらつかせながらリズムは語る。
プレイヤはというとちらりとシィノヴィアの方を眺めたかと思えば、すぐに外の景色を眺め始める。
「私たちもまだこの街に来たばかりという手前。
これ以上のお礼を差し上げるのは難しいのですが......。
嘘偽りなく感謝しております。
シィノヴィアさんのお陰で今日の公演はより良いものにできるはずです」
報酬となる分を渡し終えた後、ネージャは椅子から立ち上がり。
また一つ、お辞儀で感謝の気持ちを示した。
「それでは私たちは軽くミーティングを済ませてから、リハーサルに向かおうと思います。
シィノヴィアさんが今日のステージにいらしてくれること心待ちにしております。
――それでは、また」
ネージャが声をかければリズムとプレイヤは頷く。
このまま男性陣にも声をかけるつもりだろう。
シィノヴィアの手には一枚のチケット。
特に用事がなければ行ってもいいだろうし。
興味がわかなければ行かなくてもいいだろう。
その分空いた時間で観光してもいいかもしれない。
ちなみにエリックとの約束の時間は公演とは上手いことかぶらないようだ。
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あんみつ@GMより
シィノヴィアルート進行です。
ネージャから女性陣が泊まる部屋に案内されました。
ネージャから報酬として以下の二つを受け取れます。
・800ガメル入りの袋
・トゥルー・ソウルズのチケット
シィノヴィアは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・トゥルー・ソウルズの公演に行く
・トゥルー・ソウルズの公演に行かない
公演に向かう場合は時間を進ませますので、
それまでにやりたいことがもしございましたら行っておいてください。
他にも何かございましたらお好きにどうぞ!
部屋に入ったのは、女性たちだけ。
ここは女性用の部屋で、男性は入れてもらえないようだ。
>「シィノヴィアさん。
> まずはお礼を言わせてください。
> 貴女のおかげで早くにメンバーを集めることができました。
> お陰で話だけでなく、準備の方もしっかり進められそうです」
「それはよかった」
すすめられた椅子に腰かけ、ネージャ嬢と向き合う。
>「さて、シィノヴィアさんの働きに対してお礼をせねばなりませんね。
> まずはこちらを受け取ってください。
> あまり多くはありませんが......どうぞ」
さし出された革袋を受け取って、少し戸惑った。
「多過ぎはしませんか?」
念のために金額をネージャ嬢に確認する。
もらい過ぎでないのなら、ありがたく懐に納めるが。
>「それと、こちらはお礼に相当するかわかりませんが。
> 私たちの本日の公演のチケットです。
> もしよければ受け取ってください」
なんと。
>「もし、シィノに時間があったら来て欲しいな。
> 来て損はさせないよ!」
時間は。
チケットを見てみると、エリック殿の待ち合わせとはうまくずれいているようだ。
>「私たちもまだこの街に来たばかりという手前。
> これ以上のお礼を差し上げるのは難しいのですが......。
> 嘘偽りなく感謝しております。
> シィノヴィアさんのお陰で今日の公演はより良いものにできるはずです」
「充分です。公演、ぜひ拝聴したい」
>「それでは私たちは軽くミーティングを済ませてから、リハーサルに向かおうと思います。
> シィノヴィアさんが今日のステージにいらしてくれること心待ちにしております。
> ――それでは、また」
「はい、また」
――――PL――――
公演行きます!
あと、公演の前にちっちゃい花束買います。
>「多過ぎはしませんか?」
シィノヴィアはネージャからの報酬が過多ではないかと気になったようだ。
「いえ、そんなことはありません。
今日のステージはこの街での私たちの初公演。
何事も最初が肝心だというものですし」
だが、ネージャはそれが適正だと語る。
トゥルー・ソウルズにとっては今回が初舞台。
彼らが蛮族であることもあり、第一印象は極めて重要なファクターとなりうる。
だからシィノヴィアの働きは非常に助けになったということだろう。
* * *
ネージャたちと別れたあと、シィノヴィアが訪ねたのはある花屋だ。
小さな花束を買うために彼女はここにやってきた。
白い花束。
赤い花束。
黄色い花束。
色とりどりの花束。
花束といっても種類はある。
果たしてシィノヴィアが気に入るのはどんな色合いだろうか。
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あんみつ@GMより
シィノヴィアルートちょっとだけ進行です。
花屋さんで花束を買うことができます。
値段は払うガメルが高ければ高いほど良いものが買えます。
色合いなどはお好みで。
本進行は新しいカテゴリにて用意します。