3-心の事実
>「んなもんどうだっていい。全部片付けるぞ」
そう言って戦闘態勢を取るデニッシュたちだったが。
思ったよりもアンデッドたちの動きは素早かった。
三体のアンデッド共は前に立つデニッシュにまとわりついてくる。
ただその動きは不死者らしく緩慢で気を抜かなければデニッシュが攻撃を受けることはない。
攻めに回ったデニッシュは一度は外してしまうものの残りの二つの拳はシンの身体に叩き込む。
ベーグルの弓の力もあり、確実にシンにダメージを与えていたはずだったが......。
「ぐ......おおお......!」
二体のグールによる攻撃を回避して気が抜けたのか。
続くシンによる全力を込めた攻撃がデニッシュにヒットし、軽くは無い傷を負う。
それにしてもアンデッドたちは執拗にデニッシュばかり狙ってくる。
まるで彼のことを憎んでいるかのように。
「デニッシュ、今治すぜ!」
ベーグルの薬品に痛みを癒されつつ。
デニッシュはアンデッドをひとつ、ふたつ、そしてみっつと打ち倒していった。
* * *
アンデッドたちが崩れ去り。
部屋に残るは謎の窯一つ。
「怪我してるなら治すから言ってくれよ」
ベーグルはデニッシュに声をかけてから。
窯のそばまで歩み寄っていく。
「にしても、こいつはどういう原理なんだろうな。
なんか変な球みたいなのもあるし」
ベーグルが釜を見ている間。
デニッシュはシンの傍に紙が落ちていることに気づくだろう。
大半は読めなくなっていたものの一部だけ読むことができる。
都合のいいことに使用されていた言語は共通語だった。
書かれていたのは、こんな感じだ。
「無限の...窯は...大なエネ.........を必.........る。
...の一つは生命......ルギーであ...。
例......自然そ.........の......」
ベーグルの傍に寄って窯を見てみれば。
デニッシュに似た像が不敵な笑みを浮かべている。
彼の手元には不思議に光る球がある。
それはどことなく太陽のような暖かさ。
木々のような静けさ。
水のような清らかさ。
獣たちのような活力を湛えているような気がした。
デニッシュにも窯の使用法は容易にわからないだろう。
だが複雑な魔術的な動力を使用しているからか、理由まではわからないが。
少なくとも一つだけ分かることがある。
この魔法の釜は見た目よりは繊細、つまり脆い。
デニッシュの力で壊そうと思えば壊せそうだ。
―――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
デニッシュルート進行となります。
シーンの進行でカテゴリを進めました。
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戦闘後の状態は以下になります。
デニッシュ 【HP】29/33 【MP】0/12 1ゾロ*1
ベーグル 【HP】27/27 【MP】9/12 矢2本消費・ヒルポボール1消費
とりあえずひとまずアンデッドとの戦闘は収まります。
戦利品を剥ぎ取るならば行っていただいて構いません。
またベーグルに頼めば、もう少しHPを回復してもらえます。
またデニッシュは紙束を拾います。
読めるのは本文中にあることくらいです。
魔法の装置については見識判定で20以上を出せば、
装置の全てがわかります。
失敗した場合も壊そうと思えば壊せることがわかります。
もし壊す場合は判定は必要なくぶっ壊せます。
デニッシュは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・魔法の窯を壊す
・魔法の窯を壊さない
他にも何かあればご自由に行動ください。
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カテゴリ『3-心の事実』にチェックを入れて投稿してください。
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グA・グB・シン 10m デニッシュ 3m ベーグル
先制判定が8だったため、魔物側の先攻。
○1R先攻
グールAは10m前進。
グB・シン 10m グA・デニッシュ 3m ベーグル
グールAはデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(5)+8=13で回避成功。効果消滅。
グールAは【2回攻撃】の効果でデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(3)+8=11で回避成功。効果消滅。
グールBは10m前進。
シン 10m グA・グB・デニッシュ 3m ベーグル
グールBはデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(8)+8=16で回避成功。効果消滅。
グールBは【2回攻撃】の効果でデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(3)+8=11で回避成功。効果消滅。
シンは10m前進。
グA・グB・シン・デニッシュ 3m ベーグル
シンは《全力攻撃》を宣言して武器で攻撃。目標値13。
回避判定:(6)+8=14で回避成功。効果消滅。
○1R後攻
デニッシュは補助動作で【キャッツアイ】と【マッスルベアー】を宣言。消費MP6。
デニッシュはシンにハードノッカーで攻撃。命中目標値11。
命中判定:(2)+9+1=*で自動失敗。
デニッシュ 【HP】33/33 【MP】0/12
デニッシュは《二刀流》でシンにハードノッカーで攻撃。命中目標値11。
命中判定:(6)+9+1=16で成功。
ダメージ:(R10,8)=4+8+2=14。14点物理ダメージ。
シンは防護点5なので9点のダメージ。
シン 【HP】34/43 【MP】-
デニッシュは《追加攻撃》でシンにハードノッカーで攻撃。命中目標値11。
命中判定:(8)+9+1=18で成功。
ダメージ:(R10,3)=3+8+2=13。13点物理ダメージ。
シンは防護点5なので8点のダメージ。
シン 【HP】26/43 【MP】-
手番開始時にベーグルは乱戦状態に以降。
グA・グB・シン・デニッシュ・ベーグル
ベーグルは補助動作で【キャッツアイ】を宣言。消費MP3。
ベーグルはシンにファストボウで攻撃。命中目標値11。
命中判定:23:05:11 あんみつ@GM ベーグル命中判定 2d6+8+1 Dice:2D6[1,6]+8+1=16で成功。
ダメージ:23:06:34 あんみつ@GM ベーグルダメージ r35@10+8+1 Dice:R35@10[1,2:3]+8+1=12。
12点物理ダメージ。
シンは防護点5なので7点のダメージ。
ベーグル 【HP】27/27 【MP】9/12 矢1本消費
シン 【HP】19/43 【MP】-
○2R先攻
グールAはデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(3)+8=11で回避成功。効果消滅。
グールAは【2回攻撃】の効果でデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(9)+8=17で回避成功。効果消滅。
グールBはデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(5)+8=13で回避成功。効果消滅。
グールBは【2回攻撃】の効果でデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(5)+8=13で回避成功。効果消滅。
シンは《全力攻撃》を宣言して武器で攻撃。目標値13。
回避判定:(4)+8=12で回避失敗。17点物理ダメージ。
デニッシュは防護点3なので14点のダメージ。
【再生】の効果でシンは5点回復。
シン 【HP】24/43 【MP】-
デニッシュ 【HP】19/33 【MP】0/12
○2R後攻
デニッシュはシンにハードノッカーで攻撃。命中目標値11。
命中判定:(7)+9+1=17で成功。
ダメージ:(R10,5)=2+8+2=12。12点物理ダメージ。
シンは防護点5なので7点のダメージ。
シン 【HP】17/43 【MP】-
デニッシュは《二刀流》でシンにハードノッカーで攻撃。命中目標値11。
命中判定:(8)+9+1=18で成功。
ダメージ:(R10,9)=5+8+2=15。15点物理ダメージ。
シンは防護点5なので10点のダメージ。
シン 【HP】7/43 【MP】-
デニッシュは《追加攻撃》でシンにハードノッカーで攻撃。命中目標値11。
命中判定:(4)+9+1=14で成功。
ダメージ:(R10,8)=4+8+2=14。14点物理ダメージ。
シンは防護点5なので9点のダメージ。
シン 【HP】-2/43 【MP】-
シンは倒れる。
グA・グB・デニッシュ・ベーグル
ベーグルは《スローイング》でポーションボール[ヒーリングポーション]をデニッシュに使用。
命中判定:23:21:51 あんみつ@GM ベーグルヒルポボール命中 2d6 Dice:2D6[6,5]=11。1ゾロでないので成功。
回復量:23:22:21 あんみつ@GM ベーグル回復量 r20+4 Dice:R20[3,5:6]+4=10。10点回復。
ベーグル 【HP】27/27 【MP】9/12 矢1本消費・ヒルポボール1消費
デニッシュ 【HP】29/33 【MP】0/12
○3R先攻
グールAはデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(7)+8=15で回避成功。効果消滅。
グールAは【2回攻撃】の効果でデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(6)+8=14で回避成功。効果消滅。
グールBはデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(6)+8=14で回避成功。効果消滅。
グールBは【2回攻撃】の効果でデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(7)+8=15で回避成功。効果消滅。
○3R後攻
デニッシュはグールAにハードノッカーで攻撃。命中目標値12。
命中判定:(8)+9+1=18で成功。
ダメージ:(R10,11,6)=6+3+8+2=19。19点物理ダメージ。
グールAは防護点0なので19点のダメージ。
グールA 【HP】11/30 【MP】-
デニッシュは《二刀流》でグールAにハードノッカーで攻撃。命中目標値12。
命中判定:(4)+9+1=14で成功。
ダメージ:(R10,6)=3+8+2=13。13点物理ダメージ。
グールAは防護点0なので13点のダメージ。
グールA 【HP】-2/30 【MP】-
グールAは倒れる。
グB・デニッシュ・ベーグル
ベーグルはグールBにファストボウで攻撃。命中目標値11。
命中判定:23:34:45 あんみつ@GM ベーグル命中判定 2d6+8+1 Dice:2D6[6,1]+8+1=16で成功。
ダメージ:23:34:54 あんみつ@GM ベーグルダメージ r35@10+8+1 Dice:R35@10[3,4:8]+8+1=17。
17点物理ダメージ。
グールBは防護点0なので17点のダメージ。
ベーグル 【HP】27/27 【MP】9/12 矢2本消費・ヒルポボール1消費
グールB 【HP】13/30 【MP】-
○4R先攻
グールBはデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(12)+8=#で自動成功。効果消滅。
グールBは【2回攻撃】の効果でデニッシュを爪で攻撃。目標値11。
回避判定:(12)+8=#で自動成功。効果消滅。
○4R後攻
練技効果消滅。
デニッシュはグールBにハードノッカーで攻撃。命中目標値12。
命中判定:(7)+9=18で成功。
ダメージ:(R10,5)=5+8=13。13点物理ダメージ。
グールAは防護点0なので13点のダメージ。
グールB 【HP】0/30 【MP】-
グールBは倒れる。戦闘終了。
あのパン焼きもどきアンデッドは他の二匹よりは少しばかり手強く、浅くはない怪我を負わされたが、ベーグルの支援のおかげで危なげ無く片付いた。
>「怪我してるなら治すから言ってくれよ」
「...悪い、頼むわ」
喰らったのはたった一発だったが、ポーションによる回復一回では治しきれなかった。これから先に更に手強い敵が出てくると、一層慎重にならざるを得ない。
>「にしても、こいつはどういう原理なんだろうな。
なんか変な球みたいなのもあるし」
「知るかよ。考えたくもねぇ」
ここに来る前は、どんな風に作っているのかとワクワクしていたが、そんな期待は一瞬で吹き飛んでしまった。パン作りというものを冒涜している『これ』に対して、俺の奥からフツフツと熱いものが沸き上がって来る。動かなくなったアンデッドの傍らに落ちていた紙に、御丁寧に共通語で説明らしきものが書いている。
>「無限の...窯は...大なエネ.........を必.........る。
...の一つは生命......ルギーであ...。
例......自然そ.........の......」
「くそったれが...!!」
まあ、そんな気はしていた。
植物も動物も何も無い砂漠でどうやってパンを作り出していたのか。
それは夢だからと片付けてしまえばそれまでだが、そういうわけじゃなかった。
順番が逆だったんだ。
『こいつ』がパンを作っていたから、植物も動物も何も無くなってやがったんだ!
ふざけやがって!
「おいベーグル、どけ」
ベーグルを押し退け、窯に向かう。
「後でとびきり美味いパン食わせてやるからよ」
右肩をグルリと回す。
「邪魔すんなよ」
左肩をグルリと回す。
「邪魔したら殺す...!」
両拳を撃ち合わせ、気合いを入れる。
俺の奥から沸き上がってくるものを、もう押さえようとも思わない。
『これ』は、あってはならない物だ。
たとえ、この世界に住む奴らが必要としてようと、(元)パン職人の端くれである俺が存在を許さねぇ!
「オラァアアアアア!!!!」
原型も残さないつもりで、両の拳を力の限り叩き込んだ。
―――――――――PL
見識判定は当然失敗!
でも関係無く
『窯を破壊する』一択で!
グラップラーは鎧が薄いから、一回喰らっただけでヤバいですな...
ベーグルの回復お願いします。
18:55:18 ヨ太郎@デニッシュ 魔法の装置見識判定 2d Dice:2D6[4,4]=8
戦いには問題なく勝利したデニッシュであったが。
彼が負った傷は決して浅くはなかった。
一度はベーグルの薬品で治癒されたものの、まだ痛みは残る。
>「...悪い、頼むわ」
「任せな、ちゃちゃっと治してやるぜ」
デニッシュは万全の状態で備えるべく。
残った痛みもベーグルの薬師の技術で癒してもらうこととした。
――すっかり痛みも引いたデニッシュが見つけたのは紙束。
そこに書いてあったのはこの窯の、そして世界の真実。
>「くそったれが...!!」
気がついてしまったデニッシュはもはやその拳を――抑えられなかった。
>「おいベーグル、どけ」
「っちょ、どうしたんだよ?」
デニッシュはベーグルをぐいっと押しのけ。
窯の前へと向かう。
目の前の窯は今もパンを焼く準備ができているのだろう。
世界のエネルギーを犠牲にしながらも。
この世界の命を繋ぐパンを作る装置は。
この世界の人たちをパンで縛る装置でもあった。
生も死も犠牲にしてパンを作り続ける魔法の窯。
デニッシュは見過ごすことはできなかった。
例えベーグルが彼のことを止めようとも構わずに。
>「オラァアアアアア!!!!」
デニッシュが両手を叩き込めば、その衝撃で何かが壊れる音がする。
それと同時に釜の脆い部分がボロボロと溢れ出した。
「おい、デニッシュ!
......何やってんだよ!
お前、自分が何やったか理解してんのか!?
この装置が壊れたら俺たち全員飢え死になんだぞ......!」
ベーグルはわけもわからない様子でデニッシュに掴みかかろうとする。
その時の衝撃か。
はたまた避けた時の偶然だったか。
二人の動きの影響で、像が抱えていた輝く球が床へと転がり落ちて。
割れた。
「うわっ」
球の割れ目から光が飛び交う。
赤・青・緑・茶色。
どことなく暖かい色味を帯びた光が周囲を包み、広がっていく。
最初の異変は二人の足元だった。
柔らかい感触。
気がつけば足元には青々と草が茂り、ところどころには花が咲いている。
「え、なんだ......どういうことだ?
草に花――まさか......本物なのか?
......うお、地震だ!」
すぐそこに突如咲いた花を調べようとしゃがみこんだベーグルはそのまま倒れこんでしまう。
デニッシュもしっかりと立ってはいられないだろう。
足元が揺れている、いや突き上がってきているような感覚がある。
自然が戻ったことで地形まで変わっていっているのかもしれない。
ふと先ほどまで動いていた装置の方に目を遣ると、草や蔦に覆われて原型を失くした様が見え
た。
* * *
振動が収まり工房だった場所から外へ出てみれば。
世界はまさに一変していた。
頭上に広がるのは美しい青。
きらめく太陽と爽やかな風。
工房だった場所は小高い丘になっているらしく。
木々や種々の緑色で溢れている。
態々耳をすませなくとも、虫や鳥の鳴き声も聞こえてくるだろう。
あの灰色の街は丘を囲むように広がっている。
建物から出てきた者たちは皆驚きと感銘に満ちた表情をしているような気がした。
そしてどこまでも続いているような灰色の砂漠はというと。
命の煌めきに満ちた黄金の海へと変わっていた。
そう、雄大に広がる小麦畑である。
「オレ、やっと思い出したぜ。
今までどうして忘れてたんだろう。
オレとデニッシュが今こうして見てる景色がさ。
......オレたちがずっと生きてきた場所の姿だったんだ」
共に工房跡から出てきたベーグルは感慨深そうに麦畑を見つめていた。
「そういや、これでデニッシュもパン作れるな。
オレ、今の今までずっと動きっぱなしで腹減っちゃったよ。
さっき美味いパン食わせてくれるって言っただろ?
残念ながらオレは忘れる気はないぜ」
木々が戻ったことで薪を集めるのも難しくはないだろう。
今ならば、デニッシュはパンを焼くことができるかもしれない。
装置が作るような美味しくとも何もないようなパンではなく。
人が手で作るからこそ、味があるパンを。
―――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
デニッシュルート進行です。
HPはベーグルが全快させてくれますね。
掴みかかってるベーグルに対してはそのまま捕まっても、躱しても殴り返しても構いません。
ベーグルは接近戦能力はありませんからデニッシュの思うがままです。
魔法の装置を破壊したことで世界に自然がカムバックします。
自然が戻ったことで木の枝を拾ったりして、
色々と薪を集めることができるでしょう。
薪が集まればパンを焼くことだってできますね。
勿論パンを焼かなくとも構いませんが。
お好きな行動をどうぞ!
>「おい、デニッシュ!
......何やってんだよ!
お前、自分が何やったか理解してんのか!?
この装置が壊れたら俺たち全員飢え死になんだぞ......!」
ベーグルが焦って止めようと掴みかかってきた。気持ちはわかる。感謝もしてる。だが邪魔するんなら容赦はしねぇ。
「邪魔したら殺すっつったよなぁ!?」
掴もうとする腕を避け、胸ぐらを掴んでそのままの勢いで窯に叩きつけた。...ちゃんと手加減はしたぜ?容赦はするさ。
そして像が持っていた球が衝撃で転がり落ちて割れた。
その後に起きた出来事は、本当にあっという間のことだった。
一言で言ってしまえば、灰色一色の世界がまともになった。
これが元凶だってのはわかってたが、壊した瞬間に全て元通りって御都合主義はやっぱ夢だよなぁ...
>「オレ、やっと思い出したぜ。
今までどうして忘れてたんだろう。
オレとデニッシュが今こうして見てる景色がさ。
......オレたちがずっと生きてきた場所の姿だったんだ」
一面の麦畑を見ながらベーグルが呟く。
「だったら二度と忘れるんじゃねぇぞ。あんなもん人間の生きる場所じゃねぇ」
まともにパンを作れない世界なんざ、人の住む場所じゃねぇよ。
>「そういや、これでデニッシュもパン作れるな。
オレ、今の今までずっと動きっぱなしで腹減っちゃったよ。
さっき美味いパン食わせてくれるって言っただろ?
残念ながらオレは忘れる気はないぜ」
「当たり前だろうが!俺が本物のパンってやつを食わせてやる!腰抜かすなよ?」
そうだよ!これでようやくパンが作れるってもんだ!
材料はある。道具もある。いつでもどこでも焼きたてのパンを食べられるように持ち歩いている。
「よし、ベーグル。お前は薪を集めてこい。俺は広場で準備しておく」
どうせなら持ってる限りの材料を全部使ってやる!
街の広場で道具を広げ、小麦粉を捏ね始めた。
この街に住む連中にも本物のパンを教えてやろうじゃねぇか。
「さあさあ!本物のパンを食いたい奴はいないか!?」
――――――――PL
100ガメル分の材料を全部使ってパンを作り、ベーグルだけでなく街の住人にも振る舞います。
パン作成判定は、《ベイカー技能》5+《器用度B》2+2Dで
13:00:44 ヨ太郎@デニッシュ パン作成判定 2d+7 Dice:2D6[6,4]+7=17
17となりました!
ダイスが空気を読んでくれた!
もしも指輪を割って達成値を上げることをGMが許可してくれるなら、更に割って19まで上げます。
世界に自然が帰った後。
腹を空かせたベーグルはデニッシュにパンを作ってくれるよう頼む。
>「当たり前だろうが!俺が本物のパンってやつを食わせてやる!腰抜かすなよ?」
デニッシュの返答は勿論、是であった。
「よーし、言ったな?
オレは結構味だけなら美味いパンは結構食ってきたんだぜ?
まあ......その、味だけは、な」
ベーグルは今まで食べてきたパンのことを思い出しているのだろう。
貴重なパンは確かに美味しいものである。
だが、それは形だけの美味しさであった。
>「よし、ベーグル。お前は薪を集めてこい。俺は広場で準備しておく」
「しょうがねえな、その分いっぱいオレに食わせろよ?」
デニッシュがベーグルに薪集めを頼むと。
ベーグルはなんだかんだ言いながらも、集めに向かう。
その間にデニッシュはパンの準備を始める。
街に暮らす全員に配れるくらいの量のパンを。
ベーグルが持ってきた薪を使って、上手に焼けば。
デニッシュの手による――本物のパンがたくさん出来上がる。
>「さあさあ!本物のパンを食いたい奴はいないか!?」
パンの香りに誘われて。
街中から人が数多く集まってきた。
住民たちはデニッシュの作ったパンを受け取り、齧る。
「ああ、美味いな」
「ええ、ほんと。
あったかくて、やわらかいわ」
「思い出すのう、昔のことを。
わしらの傍にはこんなパンのように美味しいものが多くあったんじゃ」
「このパンおいしい!
おじちゃん、じょうずだね!」
疲れ果てた男性も。
痩せこけた女性も。
今にも死にそうだった老人も。
腹をすかせて泣いていた子供も。
皆、パンを食べることで幸せになる。
それはデニッシュのパンがとびっきり美味しかったからだけではなく。
誰かが誰かの為につくるというプロセスの踏まれた。
人が作ったパンを食べられるという幸せに触れたからだろう。
「マジでこのパンはうめえよ。
あんな装置が作るようなパンとは比べ物にならねえ。
オレはデニッシュの作ったパン、すげえ好きだぜ」
どうやらベーグルも大満足なようだ。
* * *
あっという間にデニッシュが作ったパンはなくなってしまう。
ベーグルは相当腹が減っていたらしく、そこそこな量を平らげていた。
そんな中デニッシュがふと気配を感じて振り向けば。
白い光に包まれた少年の姿があった。
「黒の心はキミの気持ちを悪意的に歪めたんだ。
キミはパンを作るのも食べるのも好きなんだよね?
その心を酷く解釈して生まれたのがさっきまでの世界。
でも、キミはそんな歪んだ世界を行動で正した。
......だからほら、見えてくるはずだよ。
歪みを生み出した正体がね」
美しい自然が蘇ってきたはずの世界。
一点だけ、ひどい違和感を覚えるモノがそこにある。
黒く深い闇に包まれた黒い扉。
それはアンデッドどもを呼び出した少年の影によく似た色合い。
「あの向こうはキミの心の外。
心と心を繋げるボクとカレの世界。
この世界の住人は向こう側に行くことはできない。
だけど諦めないで、怯えないで。
信じていれば......心と心はきっと触れ合うから」
黒の闇の扉はぼんやりと見ていると少しずつその姿を消していく。
まるで世界から逃げ去ろうとするかのように。
あまりぼやぼやしていれば、扉を開けることはできなくなるだろう。
それでも準備をする時間が全くないわけではなさそうだ。
―――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
デニッシュルート進行です。
指輪は割っていただいても構いません。
その場合相当に美味しいパンになったことでしょう。
心の世界を守り抜き、歪みを正したことで黒の扉が現れました。
黒の扉は2時間ほどまでなら世界に存在し続けます。
その間であれば、事前準備を行うことも可能です。
ただすぐ戦闘があるかもわからないので、
あまり効果時間の少ない準備はおすすめしません。
他にも何かございましたら、ご自由にどうぞ!
本当に美味いパンを作るのに必要なのは、特別な工夫よりも、当たり前の作業をどれだけ確実にやれるか、だ。
パン種を捏ねる。発酵させる。そして焼く。
言葉にすればそれだけの行程が、上を目指せば頂点が見えないほどの難行になる。
そして今は、今の俺にできる最高のパンを作れる。それだけの自信ならあった。
>「ああ、美味いな」
>「ええ、ほんと。
あったかくて、やわらかいわ」
>「思い出すのう、昔のことを。
わしらの傍にはこんなパンのように美味しいものが多くあったんじゃ」
>「このパンおいしい!
おじちゃん、じょうずだね!」
「そうだろうそうだろう!」
実際出来上がったのは、今の俺が作れる最高のパンだった。
そのパンを食べる皆の笑顔を見て確信できた。
>「マジでこのパンはうめえよ。
あんな装置が作るようなパンとは比べ物にならねえ。
オレはデニッシュの作ったパン、すげえ好きだぜ」
ベーグルも気に入ってくれたようで何よりだ。
「まだまだ焼き上がるから食え食え!」
ノってきた俺は次々とパンを焼いて配っていく。危うく自分が食う分までやっちまうところだったよ...
俺はパンが好きだ。
食べるのも好きだが、作るのはもっと好きだ。
こうやって自分が作ったパンを誰かに食べてもらって「美味い」と言ってもらえたらもう最高だ。
ふと振り向いたら、最初に会った白い奴がいた。
「今までどこにいやがったんだよ。...パン食うか?」
>「黒の心はキミの気持ちを悪意的に歪めたんだ。
キミはパンを作るのも食べるのも好きなんだよね?
その心を酷く解釈して生まれたのがさっきまでの世界。
でも、キミはそんな歪んだ世界を行動で正した。
......だからほら、見えてくるはずだよ。
歪みを生み出した正体がね」
白い奴が指し示す方を見れば、そこにあるのは黒い扉だ。
>「あの向こうはキミの心の外。
心と心を繋げるボクとカレの世界。
この世界の住人は向こう側に行くことはできない。
だけど諦めないで、怯えないで。
信じていれば......心と心はきっと触れ合うから」
「相変わらず言ってることはよくわかんねぇけどよ...」
材料を全部使いきって焼いたパンは皆に配り終え、俺の手には最後の一個が残っていた。
一口で食べる。
美味ぇ...
この世界に来てようやく食べたまともなパンの味は、我ながら格別だ。
「要するに、あの先にいる奴をブッ飛ばしゃいいんだな?」
パンを食ったらそれだけで準備は完了だ。
「じゃあな、ベーグル」
俺は迷わず黒い扉を開け、前へ進んだ。
――――――――PL
ベーグルは魔香草持ってないみたいですし、特に準備できることもないんでさっさと入ります。
巧みの指輪を1つ割り、MPは0で3点魔晶石が3つ...
これでいけるのか不安はありますが、行くしかない!
>「今までどこにいやがったんだよ。...パン食うか?」
振り向いた先にいた白い姿の少年にデニッシュは声をかける。
少年は首をゆっくり左右に振りながら言った。
「ありがとう、でもボクは物を食べないんだ。
気持ちだけ受け取っておくね」
彼はパンはおろか、何一つ口にしないのだという。
なんというか、やはり人間ではないということか。
>「要するに、あの先にいる奴をブッ飛ばしゃいいんだな?」
デニッシュが自ら作ったパンをかじる。
「そうだね、そういうことだよ」
白い心の少年はデニッシュの言葉を肯定した。
つまり彼がやるべきことは向こうにいる相手を倒すことだ。
>「じゃあな、ベーグル」
デニッシュは去り際にベーグルに声をかける。
「ん、なんだ、もうどっか行くのか?
よくわかんねえけどさ、お前ならどこ言っても上手くやれるさ。
そんで美味いパンも作れる......だろ?」
ベーグルは親指を立てて、サインを送った。
そんな彼に別れを告げて。
デニッシュは黒い扉の向こうへと向かう。
―――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
デニッシュルートサブ進行です。
とりあえずちょろっと返信を。
メイン進行は後で行います。