3-見つけた後で
ヴォイスと別れた後のことだ。
>「はい、では行きましょうか。小鳥を脅かさないようにそっと持ってくださいね。
> それからこれを」
ヴェンデルベルトはヴォイスから受け取ったチケットを手渡す。
トゥルー・ソウルズの公演のチケットである。
「なんだこれ、チケットか?
トゥルー・ソウルズ......知らない名前だな」
アポロはヴェンデルベルトからチケットを受け取りながら、不思議そうにその首をかしげる。
どうやら彼はトゥルー・ソウルズについて詳しくないらしい。
それに二枚もらえた理由についても想像できていないみたいだ。
>「お詫びついでに誘ってみては如何ですか?」
ヴェンデルベルトがそこまで言えば。
「あ、そういうことか。
アイリ結構音楽好きだからな、喜んでくれるかもしんね」
アイリを誘えばどうかという提案を把握する。
ただ、彼はまだ子供だからかあまり深く考えてはおらず。
ただアイリが機嫌直してくれればいいなという程度らしい。
「よし、じゃあまた逃げたら大変だし。
鳥籠早く返しに行こうぜ!」
チケットをズボンのポケットにぐっとしまいこんで。
鳥かごを持ちながらアポロは5番街に向かっていく。
* * *
「あ、あのさ」
5番街についたところで。
アポロはヴェンデルベルトに尋ねる。
「こういう時はヴェンだったらなんて言うんだ?」
こういう時とは......つまりシュガーを返す時になんというかということだろう。
アポロはヴェンデルベルトに模範解答を求めているのだ。
「おれ、あんまりうまく謝れたことなくて。
なんか恥ずかしいし、かっこわるいじゃん。
アイリはいつも結局許してくれるんだけど」
ちょっとずつアイリの家は近づいてくる。
完全に到着してしまう前に、アポロは何をやるべきか決めておきたいのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
こちらヴェンデルベルトの新しいカテゴリです。
これからはこちらに投稿をどうぞ。
チケットは2枚ともアポロが預かります。
失くしたりはしません、たぶん。
本文後半部で5番街に場面を動かしました。
アポロはヴェンデルベルトにどうやったらいいか確認しています。
彼は概ね助言した通りに対応することでしょう。
他の部分についてはお好きにどうぞ。
このカテゴリに記事を投稿する際は、
カテゴリ『3-見つけた後で』にチェックを入れて投稿してください。
「こういう時はヴェンだったらなんて言うんだ?」
その問いに、私は歩みを一瞬止めることになった。
アイリ嬢の家へと良く途中、アポロ君に相談されたのは模範解答。
友達と喧嘩をしてしまった時。
自分が悪いと思っている時。
仲直りがしたい時。
私ならなんと言うか、なんと言えば許して貰えるか。その言葉は何か、と。
「そうですねぇ......」
歩みを再開しながら、考える。
はて、私に友人は......まぁ何人かいるが、喧嘩したことがあるだろうか。
一緒に暮らしていた彼は友人だが、喧嘩をした覚えがない。
ルキスラに来てから出来た友人も、喧嘩をした事がない。
では、私が悪いことをした事は?
......はて。法に触れるほどの悪行をした覚えはないし、そうであるなら私はすでに冒険者でなくなっているだろう。
悪いこと悪いこと。はて。人の家の庭に入ることは悪いことであろうか。しかし、それで叱責された記憶もないから、別に悪いと言う程の事でもないのだろう。
仲直りがしたい時。これも困った。仲たがいするほどのことは無かったように思う。
こうなると少しばかり、普段は意識しない失われた記憶が惜しくなるというものだ。
それがあれば少しはまともな助言が出来たのかもしれないのだから。
「まず、ごめんなさいと謝りましょう。大切な小鳥を逃がしてしまったのですから。
謝らないでいる方が格好悪いですよ。きちんと自分がしたことを認められるのが、大人への第一歩ですからね。
恥を恥だと思わないことの方が恥ずかしいのだと覚えてください」
それから、再発防止策を講じるべきだが、これは何故小鳥が逃げたのか分からないと言うのだから難しいだろう。
「それから、これからも仲良くしたいことを伝えてみては如何でしょう?」
今まで許して貰えたからと胡坐をかいていては行けないだろう。アイリ嬢は大変に怒っていたようであるし。
「あとは、アポロ君がアイリ嬢を好きだと言う事も、ね?」
好きという感情はとても素晴らしいものだと思う。友人でも、家族でも、勿論恋人であっても。
彼らにはまだ早いかもしれないが、好意を伝え、伝えられるのは心が温かくなるものであるのだから。
さて、アイリ嬢の家に着いたら、私は門で見守ることにしようか。
遅くなってすみません!無事誘えたら花束と色紙買いますね!!
どうやって謝るべきかどうか尋ねるアポロ。
>「まず、ごめんなさいと謝りましょう。大切な小鳥を逃がしてしまったのですから。
> 謝らないでいる方が格好悪いですよ。きちんと自分がしたことを認められるのが、大人への第一歩ですからね。
> 恥を恥だと思わないことの方が恥ずかしいのだと覚えてください」
まず彼にヴェンデルベルトが伝えたのは、謝ることが大事だということだ。
ついでに素直に謝るのは恥ずかしいという彼には。
ちゃんと謝れない方が恥ずかしいのだと諭した。
「謝った方が大人なのか......。
ん、んー、そうだなあ。
――わかった、ヴェンがそう言うならおれ、ちゃんと謝るよ」
アポロは素直にヴェンデルベルトの言うことを聞いて。
アイリに対してちゃんと謝ることにしたようだ。
>「それから、これからも仲良くしたいことを伝えてみては如何でしょう?」
ヴェンデルベルトはもう一つアポロにアドバイス。
アイリが優しいからといって甘んじたりせず。
自分の方からも折れることが大事なのだ。
「まあ、おれもアイリが嫌いなわけじゃないし。
ちゃんとそう言ったなら言うことにするよ。
これからも遊ぼ、って」
アイリのことは――嫌いじゃない。
アポロの口からはそんな言葉が出てきたのだが。
ヴェンデルベルトの認識は少し違ったようだ。
>「あとは、アポロ君がアイリ嬢を好きだと言う事も、ね?」
「......へ?」
ヴェンデルベルトの言葉にアポロは目をまん丸くする。
そしてすぐにその顔が赤くなり。
ちょっと汗もかいているようだ。
「す、好きってそんなわけないじゃん?
おれとアイリはさ、ただの友達だって。
好きとかそんなの全然ないぞ!
ないんだからな!」
手をばたつかせながらアポロは徹底的に否定する。
それをどう捉えるかはヴェンデルベルト次第だ。
* * *
アポロが再びベルを鳴らせば。
イリアがまたまた迎えてくれる。
「あら、アポロ。
その籠にいるの......もしかしなくてもシュガーじゃない?
よく見つけたわねえ、アイリもきっと喜ぶわ」
イリアはアポロを見て、すぐに鳥籠の中のシュガーに気がつく。
アポロは彼女に対してVサインをしてみせた。
「おれさ、アイリに謝りたいんだ。
アイリもう帰ってる?」
ヴェンデルベルトに言われた通り、アイリに謝ろうとするアポロ。
だが......。
「ごめんね、まだアイリ帰ってきてないのよ。
あの子ったらどこをふらついているのかしら。
せっかくシュガーを見つけてくれたのに、まったくダメな子ね」
今、アイリは外出してしまっているようだ。
彼女が不在な限りアポロが謝ることも不可能だろう。
「そっか、アイリ帰ってきてないのか。
ヴェンどうしよう。
探しに行ったほうがいいかな?
それとも、待ってれば帰ってくるかな」
アイリだっていつまでもうろついているわけにはいかないだろう。
待っている方が会えるかもしれない。
探しに行った方がすぐに会えるかもしれないが。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルート進行です。
アポロはアイリに謝る気になりましたが。
どうやら当のアイリは外出中のようです。
待ってもいいですし、探しに行っても構いません。
お好きにどうぞ。
アイリ嬢の家に着いたけれど、肝心の彼女はまだ帰って来ていないらしい。
とりあえずシュガーを返し、アポロ君の任務を終えるとする。
「ヴェンどうしよう。
探しに行ったほうがいいかな?
それとも、待ってれば帰ってくるかな」
「アイリ嬢はきっともうすぐ戻ってくるでしょう。アポロ君は待たせていただいたら如何ですか?」
アイリ嬢が帰ってくると言う保証は実はないのだが、アポロ君には休息が必要だろう。
街を駆けずり回ったのだ、どこにいるとも知れない小鳥を探して。
見つかるまでの間、不安もあったろう。身体だけではなく、心も疲れているはずだった。
「アイリ嬢が帰ってくるまでに、何と言うか考えていてはどうですか?」
その間に、私はどうしようか。待っているだけというのも面白みがない。
アイリ嬢とアポロ君の動向が気になるのは確かなのだが。
「では、鳥が見つかった事ですし、私はこれで」
アポロ君をここで待たせ、私はアイリ嬢を探しがてら、花屋を探すとしようか。
と言うわけでアポロ君はアイリちゃん家に置いて、花屋さん探しに行こうかなって!
楽団の公演ある地区へいきましょー!すれ違いになっても構わない!!
アイリを探すべきか。
それとも待つべきか。
その回答を求めるアポロに対してヴェンデルベルトが導き出したのは。
>「アイリ嬢はきっともうすぐ戻ってくるでしょう。アポロ君は待たせていただいたら如何ですか?」
アポロは待った方がいいというものであった。
下手にすれ違いになるよりは、待っていた方がちゃんと会える確率が高いかもしれない。
それにヴェンデルベルトは、アポロのことを労わり、休息が必要だと判断したのだ。
「そっか、待ってた方がいいんだな。
おれはヴェンの言うこと信じるよ」
アポロは素直にヴェンデルベルトの提案に従うようだ。
「そうね、シュガーを見つけるために歩き回っただろうし。
うちでお菓子食べながら待っているといいんじゃないかしら?」
イリアもアポロを家で待たせてあげることに異論はなさそうだ。
彼がちゃんとシュガーを見つけてきたことも大きいのだろう。
>「アイリ嬢が帰ってくるまでに、何と言うか考えていてはどうですか?」
「んー、なんて言えばいいんだろうな。
あんまりいいこと思いつかないけどさ。
やっぱり人に聞いた言葉じゃ駄目なんだよな。
――おれ、考えてみるよ」
アポロはひとまずアイリたちの家にお世話になるそうだ。
お菓子でも食べながら、アイリへ謝る言葉を考えるつもりなようだ。
ここからは彼自身の役目である。
ひとまず捜索という手伝いを終えたヴェンデルベルトは次に何をするか。
>「では、鳥が見つかった事ですし、私はこれで」
彼は残り全てをアポロに託し、この場を去ることに決めたようだ。
「え、ヴェン行っちゃうのか?
おれまだちゃんとお礼も言ってないのに。
......違うや、今言えばいいんだ」
アポロは少し寂しそうな顔をしたあと。
ヴェンデルベルトのすぐ傍まで駆け寄ってくる。
「ありがとな、ヴェン!
アイリの鳥見つけられたのはヴェンがいたおかげだぜ!」
そう言ってヴェンデルベルトの姿が見えなくなるまで手をぶんぶんと振るだろう。
* * *
ヴェンデルベルトがぶらぶらと歩いて行く先は訪れたばかりの4番街だ。
4番街には大小様々な劇場やホールがある。
今回トゥルー・ソウルズが演奏を行うのはその中の一つ。
やや小さめなホールである。
4番街にも花を売る店は多数ある。
劇場などの装飾用や、役者たちへの贈答用など花の用途は多くあるのだ。
それらの一つに寄っていけば、花束を買うこともできるだろう。
他にも公演用のチケットはここで売られているようだ。
当初は多数の余りがあったそうであるが。
白いグラスランナーと灰色のミアキスがそれらを多数売りさばいてしまったらしい。
そこで一旦売り切れになったのだが、幾らかのチケットがキャンセルされたという。
その為現時点では幾らかの余剰がある。
ヴェンデルベルトが必要とするならば買っていくといいだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルート進行です。
ヴェンデルベルトはアポロと分かれて4番街へ移動します。
こちらにはアイリはいないようです。
公演自体はここのあるホールで行われるそうですね。
お花を買ったり、自分用のチケットを買ったりする場合は売り場へ寄ってください。
常識の範囲内であれば、細かなガメルの出費は必要ないとします。
めんどくさいので(・∋・)
また、ヴェンデルベルトは次の行動を選択してください。
具体的なものは以下の2つです。
・トゥルー・ソウルズの公演に行く
・トゥルー・ソウルズの公演に行かない
公演に向かう場合は時間を進ませますので、
それまでにやりたいことがもしございましたら行っておいてください。
他に関してはお好きにどうぞ。
「ありがとな、ヴェン!
アイリの鳥見つけられたのはヴェンがいたおかげだぜ!」
「いえいえ、アポロ君が最後まで諦めなかったおかげですよ。よく出来ました」
ぶんぶんと手を振るのに控えめに振り返しながら、アイリ嬢に許しを得られると良いと願う。
こればかりは私が協力のしようがないところだ。
女性は小さくとも女性であるのだろうから、寛大な心で対応して貰いたいものだった。
◇ ◇ ◇
公演があると言う4番街までくると、大小の劇場やホールがあり、楽器の音色がそこかしこから聞こえて来た。
ここから皆羽ばたくのだろう。その最初の飛翔を見られるかも知れないのは大変に喜ばしいことではないだろうか。
そして、それを祝う為に相応しいものを探して、私は少し彷徨う事になった。
「そうですね、劇場用に届けてもらうことは出来ますか?
では花かごを1つと、それから贈答用に花束を1つ。こちらは持っていきますので。
白い花を中心に、蕾大目で。えぇ贈るのは男性なので、そのようにお願いします」
途中で花屋に寄り、花を購入。花かごはトゥルー・ソウルズ全体へ。公演開催のお祝いに。
白いものはヴォイスと呼ばれたあの彼に。よくよく考えてみれば、まともなお礼をしていなかった。
直接手渡せれば良いが、さて、今回の公演ではどうなっているのだろうか。
会場に行けば係員がいるであろうから、そちらに尋ねてみようか。
◇ ◇ ◇
もしかしたら貰えるかもしれないとサイン用の色紙も買い、やって来たのは劇場前。
当日券は一度売り切れてしまったらしいが、キャンセル待ちで入れることになった。
蛮族5人組の、けれど魂を込めた演奏。まったく長生きをすると面白いものに出会えるものだと、私はくふりと頬を膨らませるのだった。
色紙を買いまして(5枚30G)!劇場に花かごを贈って貰い(送料込み100G)!タビットが持てる大きさの白い花束(50G) を持ってチケット(いくらだろ?)を買います!
選択は勿論
・トゥルー・ソウルズの公演に行く
です!
>「そうですね、劇場用に届けてもらうことは出来ますか?
> では花かごを1つと、それから贈答用に花束を1つ。こちらは持っていきますので。
> 白い花を中心に、蕾大目で。えぇ贈るのは男性なので、そのようにお願いします」
ヴェンデルベルトは花屋で贈答用の花を注文することにした。
ひとつはトゥルー・ソウルズ全体へ向けて。
もう一つはシュガーを見つけてくれたヴォイスに対して。
「はい、どうぞ」
ヴェンデルベルトは店員から白い花束を受け取ることができるだろう。
草葉の緑も合わさって、大人しげだが力強い印象だ。
* * *
その後チケットを入手したヴェンデルベルトは会場となるホールを目指す。
大きくはないが決して小さくはないホール。
何人かの人たちがその中を入っていくのが見える。
それなりに盛況なのだろうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あんみつ@GMより
ヴェンデルベルトルートちょっとだけ進行です。
ほんのちょっとだけですが、花束をどうぞ
本進行は新しいカテゴリにて用意します。